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2000年前半のショート・ニュースと噂とヨタ話と...
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走り書き程度で正式公開するには内容が不十分と思えるのですが、速報性等を考えて試験的にアップします。御意見を頂ければ幸いです。年表の作成を基本に始めたので、事件の日付順に列挙しています。ですから更新箇所はランダムです。
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(※完全に個人的な覚え書きです。裏を取ってないものや、他言無用の未確認情報故、内容は保証致しませんのであしからず)
 
更新:2002/07/09 
 
最近のひとりごと 2000年1月以降の戯れ言
 
1999年10月〜12月のひとりごと 1999年10月〜12月のたわごと
1999年7月〜9月のひとりごと 1999年7月〜9月のたわごと
1999年前半のひとりごと 1999年1月〜6月のたわごと

1998年のひとりごと 1998年のたわごと

IPニュース 1999年の最新ニュース


2000/04/07
 
1. ヒトゲノム解読ほぼ完了
 
 セレラ・ジェノミクス社(Celera Genomics)は6日、人間の全遺伝情報(ヒトゲノム)の読み取りをほぼ終了したと発表。遺伝情報を適切な順序に並び替える作業に今後数週間かかるとのこと。セレラのクレイグ・ベンター社長(Craig Venter)は、4月6日に行われた下院科学委員会エネルギー・環境小委員会での公聴会で、「ヒトゲノム配列解析終了時には、セレラのホームページにて研究者は無料で利用できるようにする」と述べた。そして、他社がセレラのデータベースを販売できないように、データベースの保護を求める考えであるとしている。
 
情報元および関連情報:
・「ヒトゲノム解読終了を発表 米セレラ・ジェノミクス社」毎日インタラクティブ(2000年4月7日)
http://www.mainichi.co.jp/digital/solution/archive/200004/07/3.html
・Reuters, "Gene patents won't hurt research, scientists say.", FindLaw Legal News (April 6, 2000).
http://legalnews.findlaw.com/legalnews/s/20000406/N06311049.html
 ベンター社長のコメント
"One of Celera's founding principles is that we will release the entire consensus human genome sequence freely to researchers on Celera's Internet site when it is completed," Venter told a hearing of the Energy and Environment subcommittee of the House Committee on Science."
"We are not attempting to patent the human genome, any of its chromosomes, or any random sequence..."
"We will place no restrictions on how scientists can use this data ... The only protection that we have indicated that we would seek is database protection, as exists in Europe, to inhibit other companies from selling the Celera database."
・CNN, "Researchers report completing first step in mapping human genes.", CNN.com (April 6, 2000).
http://www.cnn.com/2000/HEALTH/04/06/genome.mapping/index.html
 
 
2. ICANNの統一ドメイン名紛争処理方針(uDRP)の手続一覧が改訂
 
 ホットワイアードジャパン2000年4月6日WIRED NEWS Mail P2、「3粒の小ネタ」より。
 
関連資料:
・Information on Proceedings Commenced Under the Policy
http://www.icann.org/udrp/udrp.htm
 
 
2000/04/06
 
1. 米特許庁規則改正、当事者系再審査も
 続々と、等と言ったら早速今日も新たな規則が発表。今度は当事者系再審査。
 最も興味を引くトピックの一つ、インタビューには第三者請求者は参加できない(規則1.560)。
 気になる料金は、従来の査定系が2520ドルに対し、当事者系は8800ドル。裁判することを思えば100万円程度でも妥当なのか(弁護士費用はこんなもんでは済まないでしょうが)、、、
 
情報元および関連資料:
・"Federal Register Notice: Rules To Implement Optional Inter Partes Reexamination Proceedings.", USPTO (April 6, 2000).
http://www.uspto.gov/web/offices/dcom/olia/aipa/re-npr.pdf
 ↑細かい字のフェデラルレジスターで34ページ(今回の規則案の中では現在最長)、誰か読んでくれる奇特な方はいらっしゃいませんか〜
 
 
2. 迷惑ビジネスモデル特許、日本でも
 
情報元および関連資料:
・「『従量制のサービス全般』は特許に抵触?ISP各社にメール」INTERNET Watch(2000年4月6日)
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/0406/pat.htm
・「ビジネスモデル特許抵触の可能性」株式会社インターナショナルサイエンティフィック
http://www.luvnet.com/patent/warning.htm
・米国特許第5,956,697号Timer-based fee-charging system for internet
http://164.195.100.11/netacgi/nph-Parser?Sect1=PTO2&Sect2=HITOFF&p=1&u=/netahtml/search-adv.htm&r=1&f=G&l=50&d=PALL&S1=5,956,697&OS=5,956,697&RS=5,956,697
・特開平10-27036「インターネットの時限利用課金システム」
 
 
2000/04/05
 
1. 米特許庁規則改正、続々と(追加)
 先の審査継続請求の規則発表に続き、3月31日には「存続期間調整」制度、本日4月5日は18ヶ月早期公開制度に関する新規則が発表されている。順次、読んで内容をまとめたいと思います(溜息)。今月から来月にかけて例のビジネス方法特許に関するガイドライン改訂も発表されるはずだし、大変。
 
A.存続期間保証
 存続期間保証規定では、2000年5月29日以降の出願につき「14-4-4-4」の期間枠で特許庁が行動を起こせなかった場合に、日毎で権利期間を延長するというもの。具体的には、以下ができなかった場合に該当する。
1 出願日から14ヶ月以内に最初の通知
2 出願人の応答、もしくは審判請求に対する4ヶ月以内の対応
3 特許査定可能なクレームがある場合、審決もしくは裁判所判決後4ヶ月以内の対応
4 特許発行料納付および他の要件具備後、4ヶ月以内の特許発行
 さらに、出願から3年以内に特許が発行されなかった場合も、その分を延長される。
 ただし、当該3年には継続審査、審判およびインターフェアレンス、秘密命令のために要した期間は含まれない。また出願人の責による遅延も、延長分から除かれる。これは出願人が審査を終結させるための合理的な努力を怠った場合、と規定されているが、例えば特許庁の通知に対し3ヶ月以内に応答しなかった場合が該当する。これは、通知書で審査官の指定する期間が仮に6ヶ月であったとしても(例えば通知書中に期限の定めがないとき、要するに審査官が期日を指定し忘れた場合などは、6ヶ月の期間が与えられたものと扱われる。)、3ヶ月以内に応答しない限り延長から差し引かれることになるので注意されたい。
 
B.18ヶ月早期公開制度
 この規定は2000年11月29日より施行される。概略としては既報の通りで、例えば外国出願されていないものについては請求により非公開とできる。
 気になる公開の内容であるが、完全な出願が対象となる、つまり出願時に提出された出願書類に不備があった場合は、その後提出された書類ももちろん公開される。また、公開のために書式要件がより厳しくなっている。特に図面の要件が厳しくチェックされる模様。
 なお、特許庁が現在テスト中の電子出願が軌道に乗れば、この電子データを使って公開に利用しようと計画している。
 公開公報は、様々な形式で利用可能。特許庁のホームページでも無料公開される模様。
 公開日は毎週木曜で、出願人に請求される公開料金は300ドル。
 
情報元および関連情報:
・"Federal Register Notice: Changes to Implement Eighteen-Month Publication of Patent Applications.", USPTO (April 5, 2000).
http://www.uspto.gov/web/offices/com/sol/notices/pgp-npr.pdf
 PDF形式で27ページ
・"Federal Register Notice: Notice of proposed rulemaking: Changes to Implement Patent Term Adjustment Under Twenty-Year Patent Term.", USPTO (March 31, 2000).
http://www.uspto.gov/web/offices/com/sol/notices/termadj.pdf
 約15ページ
・"PTO Proposes Rules to Implement Patent Term Guarantee Amendments.", 59PTCJ 747 (April 7, 2000).
・"Rules Are Proposed To Implement 18 Month Publication of Patent Applications", 59PTCJ 747 (April 7, 2000).
 
・"Reestablishment of the Patent and Trademark Office as the United States Patent and Trademark Office.", 65 Fed. Reg. 17858 (April 5, 2000).
http://frwebgate.access.gpo.gov/cgi-bin/getdoc.cgi?dbname=2000_register&docid=fr05ap00-43
 3月29日より、特許庁に予算配分や歳出、決定事項、手続その他の管理面での自治運営を認める法律が施行。特許庁長官の役職名はコミッショナーから「ディレクター」に。
 
 
2. 米最高裁、弁護士費用負担責任について口頭審理
 たぶん、現在最高裁で係属中の特許関係の事件はこれくらいだと思うが、、、
 裁判で当事者としてあげられていなかった第三者(事実上は原告企業のオーナー)に対し、弁護士費用支払い責任を課すことが出きるかが争われている。
 
情報元および関連資料:
・Dugie Standeford, "High Court Hears Debate on Non-Party's Liability For Attorneys' Fees.", IP Law Weekly (April 5, 2000).
http://www.lawnewsnetwork.com/practice/iplaw/news/A20531-2000Apr4.html
 
 
3. オンライン和解システム
 
 訴訟大国アメリカならではのビジネスモデル。これを見て特許裁判に特化したサイトを立ち上げる人がいないかな。
 
情報元:
・山下洋一「米国で"オンライン和解システム"が人気 保険トラブルを中心に年間4000件を解決」日経ネットブレーン(2000年4月6日)
http://netbrains.nikkeibp.co.jp/wcs/nbr/leaf?CID=onair/net_b/c_up_ns/98809
 
 
2000/04/04
 
1. マイクロソフト、地裁で敗訴
 既報の通り。
 
情報元および関連資料:
・ニュース編集部「【解説】控訴審も泥沼化?--米MS、独禁法裁判で敗訴」日経Biztech(2000年4月4日)
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/pc/98609
・CONCLUSIONS OF LAW
http://www.usdoj.gov/atr/cases/f4400/4469.htm
http://a128.g.akamaitech.net/7/128/21/000/cnnfn.com/images/ms-conclusions.pdf
・井上雅夫「Microsoft独禁事件 法的結論」プログラム関連米国判決集
http://www.venus.dti.ne.jp/~inoue-m/at_doj_msb000403.htm
(上記判決の日本語訳)
 
 
2. ITCは中立か
 
情報元および関連資料:
・Renee Deger, "Unfavorable Decision? Let Congress Help.", The Recorder/Cal Law (April 4, 2000).
http://www.lawnewsnetwork.com/practice/iplaw/news/A20386-2000Apr3.html
 
 
2000/04/03
 
1. 「ファーストコンタクト」は一般名称
 
 映画「スタートレック:ファーストコンタクト」のタイトルが商標で保護できるかどうかが争われていた事件で、バージニア東部地区連邦地裁は当該名称が一般名称であり、二次的意味を有しないとして保護できないと判示。
 あの映画、個人的にはシリーズ中でも大好き!続編はいまいちだったが...続編のタイトルは仮題どおり「prime directive」にして欲しかったなあ。これなら絶対保護できるはず...
 
情報元および関連資料:
・"Title 'First Contact' Is Generic for Subclass of Science Fiction: Even if descriptive, 'First Contact' is not entitled to trademark protection because it has not acquired secondary meaning.", IP Law Weekly (April 3, 2000).
http://www.lawnewsnetwork.com/stories/A20304-2000Mar31.html
Estate of Jenkins v. Paramount Pictures Corp., No. 99-1766-A (E.D. Va. 3/20/00).
 
 
2. 特許事務所に制裁金
 よく日本でも講演、執筆活動などを積極的に行っているモリソン事務所は、日本のクライアントに対して比較的安価なサービスを展開していることで有名。トム・モリソン氏率いる同事務所に対し、裁判に際して事前の調査が不十分であったとして懲罰的損害賠償の支払が命じられている。法律事務所に対し制裁を科すのは珍しいケース。よほどのことがあったのだろうか。
 
情報元および関連資料:
View Engineering, Inc. v. Robotic Vision Systems, Inc. and Morrison Law Firm, No. 99-1399 (Fed. Cir. 2000).
http://www.ipo.org/view_v_robotics.htm
・"Sanctions Against Law Firm Upheld For Unfounded Claims Infringement.", 59 PTCJ 750 (April 7, 2000).
 
2000/03/31
 
1. ハイパーリンクは著作権侵害でない
 日本ではELマスク裁判でリンクでも有罪とされる可能性があるとされてしまったが(ちょっと言い過ぎ?)、一方アメリカでは「リンク自体は著作権侵害でない」という判例が同時期に下されている。地裁判決ではあるが、リンクの合法性を示した画期的な判決かも。
 チケットマスター対チケット・ドット・コム事件で、カリフォルニア中部地区連邦地裁は原告の訴えを却下して、以下のように判示。
 「ハイパーリンクを張ること自体は、複製行為が行われているわけでないため著作権侵害に該当しない。利用者は原著作者による真正のホームページに自動的に転送されたのであり、ここで起こっていることに何らの詐欺はない。これは特定の品目の参照番号を知るために図書館の目録(インデックスカード)を利用する行為に類似する(本件ハイパーリンクの方がより速く効果的ではあるが)。」
 要するに、サイト利用者は自分がどのサイトにいるかが判り(相手のサイトをあたかも自分のサイトのように利用者に混同させない)、また相手のホームページの内容をコピーするものでなければ、リンクは可能ということになる。
 また、トップページでなく、下位の階層のページに直接リンクすることも違法でないとされている。一般にトップページには広告等が入るため大事な収入源とされており、原告側はサイト構築に要した費用の恩恵を被告側が享受できることになるとして違法性を主張していた模様。
 なおチケットマスター社は、以前にもリンクを違法に張られたとしてマイクロソフトを訴えたことがあるが、その件は和解している。
 
情報元および関連情報:
・Brenda Sandburg, "Copyright Not Violated by Hypertext Link.", The Recorder/Cal Law (March 31, 2000).
http://www.lawnewsnetwork.com/practice/iplaw/news/A20139-2000Mar30.html
 被告側弁護士によれば、本判決は以下の争点に言及したことで重要であるという。
 ・ハイパーリンク自体で裁判可能か
 ・純粋に事実を述べる情報を使用することが著作権違反となるか
whether hyperlinking is in itself actionable and whether the use of purely factual information is copyright infringement.
Ticketmaster Corp. v. Tickets.com, CV99-7654 HLH (BQRx) (C.D.Calif. 2000).
http://www.politechbot.com/docs/ticketmaster-tickets-2000-03-27.txt
"hyperlinking does not itself involve a violation of the Copyright Act ... since no copying is involved...The customer is automatically transferred to the particular genuine Web page of the original author. There is no deception in what is happening. This is analogous to using a library's card index to get reference to particular items, albeit faster and more efficiently"...
"deep linking by itself . . . does not necessarily involve unfair competition.''
・AP, "Judge OKs Links to Rival Web Sites.", FindLaw Legal News (March 29, 2000).
http://news.findlaw.com/news/s/20000329/rivalweblink.html
・Linda Rosencrance, "Ticketmaster accuses Tickets.com of misrepresenting judge's 'deep-linking' ruling.", Computerworld Newspaper (March 31, 2000).
http://www.computerworld.com/home/print.nsf/all/000331D016
 被告側による先の発表は誤解を招くという原告側からの反論。チケット・ドット・コム社の報道発表では、トップページでなく階層の深いページに直接リンクを張る権利が認められたという内容であったが、原告チケットマスター社によれば、今回の判決に関してそのような解釈は誤りだという。10件の訴えの内、4件が却下されたに過ぎず、残りの6件については公判に進むことが認められている。チケットマスター社のCEOチャールズ・コン氏によれば、「裁判官は確かに下位ページへのリンク自体は違法でないとしたが、我々が主張しているのは他のビジネス手法と組み合わせたときのことだ」。つまり各ページへリンクすること自体は問題とならないが、直接の競業相手が競争目的で他社のホームページにリンクを張ったらどうなるか?という点を問題としている模様。リンクすることに特別な意図がある場合は、違法性を認められるかもしれない。
 なお自社に都合のいい内容のみを発表するというのは常套手段で、先日のアップル社によるiMAC類似パソコンに関する紛争終結宣言などがそのいい例。ビジネスモデル特許の定礎を築いたAT&T対エクセル・コミュニケーションズ事件でも、両社が勝訴宣言をして混乱させられた(最終的にはAT&Tの負け)。
Ticketmaster v. Microsoft, CV 97-3055 (C.D.Cal. 1997).
http://www.ljx.com/LJXfiles/ticketmaster/complaint.html
・Bechtold: The Link Controversy Page
http://www.jura.uni-tuebingen.de/~s-bes1/lcp.html
 上記判決の他、ハイパーリンクの法的問題に関する論文や事件のリンク集
・"Claim That Competitor Linked to Web Page Alleged Sufficient Copying to Avoid Dismissal.", 59 PTCJ 751 (April 7, 2000).
 ウェブ版では地裁判決の全文が掲載されるようになったので、便利!
 
 
2000/03/30
 
1. ミラーサイトにも法的責任
 
情報元:
Sherman Fridman, "Mirror Sites Included In Cyber Patrol Copyright Ruling.", Newsbytes (March 29, 2000).
http://www.newsbytes.com/pubNews/00/146532.html
 
 
2. セレラがデータ公開
 先日のクリントン/ブレア共同声明で株価が暴落した同社が、取得した情報の公開を計画。もちろん無料ではありません。レクシス/ネクシスのような専門データベースを構築して検索サービスを提供する模様?
 
情報元:
・リサ・M・クリーガー(マーキュリー・ニューズ)「セレーラがヒトゲノムのデータを公開へ」asahi.com(2000年3月29日)
http://iij.asahi.com/english/svn/0329/svn032901.html
 
 
3. ビデオ圧縮技術
 MP3と同じような状況に置かれかねないビデオ配信の新技術。
 
情報元:
・John Borland,日本語版:小山敦史「ビデオ圧縮のハッキング技術がMP3並に普及する?」CNET JAPAN TECH News(2000年3月27日)
http://cnet.sphere.ne.jp/News/2000/Item/000329-2.html
====================================
...DivXは米マイクロソフトの『MPEG4』ビデオ技術をベースとし、これにMP3のオーディオ・ストリームを付け足している。DivXビデオの再生用ソフトの存在は知られていないが、DivXファイルは、マイクロソフトの『Windows Media Player』にアドオンとして機能を追加することによって利用できる。
 
 
4. ELマスク画像裁判、有罪判決
 注目の裁判結果。猥褻画像をサイト自体には掲載せず、リンクした場合でも有罪に。
 
情報元および関連情報:
・日経ネットブレーン編集「『リンク』することがほう助罪に!?"FLマスク画像裁判"で有罪判決」日経ネットブレーン(2000年3月30日)
http://netbrains.nikkeibp.co.jp/wcs/nbr/leaf?CID=onair/net_b/c_up_tp/98238
・渡部章「週間セキュリティ通信:第6回犯罪サイトへリンクすると罪?どこからがネット犯罪?(その2)」(2000年4月3日)
http://pcgaz.nikkeibp.co.jp/pg/pcgaz/minicol/1/col_6.shtml
====================================
...この判決によると、リンク先で犯罪が行われていることが予測できる場合は、リンクすることでその犯罪のほう助罪が成立するからである。つまり、検索エンジンが犯罪サイトを検索する可能性を知りながら自動的にリンクづけすることや、個人HPからわいせつ画像があるサイトへリンクすることも、罪に問われる可能性が出てくる。
 コンピューターウイルスの作成方法の教示、ウイルスの掲示や配布自体は、現行法では裁けない。また、クラッキングのテクニックを教示することも、防衛のためなのか攻撃のためなのかの線引きが難しいためにグレーゾーンと言える。
 ただし、これらもケースによっては「電磁的記録不正作出」および「電子計算機損壊等業務妨害」などの刑法によって罪に問う事が可能である。リンク先のサイトがこれらの刑法に触れる活動を行っている場合には要注意だ。FLマスクの判例から言っても、ウイルスやハッキング情報の集まるアンダーグランドサイトへのリンクも、ほう助罪になる可能性を含んでいると言えよう。
・園田寿「FLMASKリンク事件判決要旨」電脳世界の刑法学
http://w3.scan.or.jp/sonoda/data/fl_link01.html
 
 
5. DVD訴訟の意味
 ちょっと古いニュース。デジタルミレニアム著作権法の問題を指摘。
 
情報元:
Lisa M. Bowman,「ハリウッド対Linuxコミュニティ――DVD訴訟が持つ意味」ZDNN(2000年2月28日)
http://www.zdnet.co.jp/news/0002/28/decss1.html
 
 
2000/03/29
 
1. CAFC、全員法廷でフェスト対焼結金属工業事件を審理
 注目の事件の口頭弁論が本日CAFCにて開かれた。すごい人だったから、明日あたり詳細が報道されることでしょう。本件クレーム補正の理由は「ミステリー」といわれていますが、これをCAFCはどう捉えるのか。
 
 
2. 米特許庁、ビジネスモデル特許の審査をより厳格に(追加:一夜明けて混乱必至。日本でも、多分)
 本日付のウォールストリートジャーナルで、ディキンソン米特許庁長官がビジネスモデル特許の審査をより厳格に行う旨のコメントを紹介していた。ソフトやネット関連技術のデータベースの構築や、審査の品質管理を厳しくするなどの内容。そして早速、特許庁ホームページに告知が掲載されている。これによると、
 
1 関連業界(ソフト、インターネット、eコマース)との連携により、相互の懸案事項について話し合いの場を持つ。2000年夏の円卓会議の開催や、特許庁の先行技術リソース(データベース)について業界からのフィードバックを受ける。
2 審査の品質管理
・審査官の教育を拡充する。産業界との協力により現在の教育システムを継続すると共に、トレーニングの機会を増やす。銀行/金融、eコマース(電子商取引)、保険、インターネット基盤の4つの分野で、業界の常識や周知技術、技術的な意味や範囲、工業規格などに詳しい実務専門家をおき、審査官の相談役とする。特許庁はこのような教育の必要な分野を公示する。
・コンピュータ関連発明の審査ガイドラインや教育用の例示資料を、ステートストリートバンク事件およびAT&T事件にしたがって改訂する。
・705分類(いわゆるビジネスモデル特許の分類とされている。データ処理、金融、ビジネス実務、管理、価格決定)のすべての出願は、先行技術調査で分類別米国特許資料調査と、米特許資料、外国特許資料、非特許文献のテキストサーチを含めるよう義務化する。非特許文献サーチには、705分類に関連する分野も必須調査分野に含める。
・705分類に関しては、特許査定済出願すべてに対し新たに第二段階チェックを義務付ける。調査項目が具備されているか、特許査定の理由、クレーム範囲の再検討が必要かどうかの判断などが含まれる。
・特許審査品質管理部による品質管理調査の抽出数を拡大する。現在進行中の再チェック制度は、特に先行技術調査の分野や102条/103条の特許性判断の適否に集中するように導入される予定。
 
情報元および関連情報:
・"Business Methods Patent Initiative: An Action Plan" USPTO (March 29, 2000).
http://www.uspto.gov/web/offices/com/sol/actionplan.html
・ANNA WILDE MATHEWS, "U.S. Will Give Web Patents More Scrutiny Under New Plan.", THE WALL STREET JOURNAL (March 29, 2000).
・Reuters, "U.S. Patent Office to overhaul Internet area", FindLaw Legal News (March 29, 2000).
http://legalnews.findlaw.com/legalnews/s/20000329/N29524576.html
 コンピュータ関連発明の審査ガイドラインは例示を倍増して来月公表される予定とのこと。
Dickinson said new guidelines for patent examiners looking at computer-related inventions would be made available next month. His agency would also double the sample size of computer-business method patents that get a final quality check.
・John Schwartz, "Online Patents to Face Tighter Review.", Washington Post (March 30, 2000).
http://washingtonpost.com/wp-srv/business/feed/a43491-2000mar30.htm
 経験を積んだベテラン審査官によるセカンドチェックが入る。調査が確実に行われたか「第二の目」で確認するとのこと。
・ロイター「米特許庁、インターネット分野の申請処理手順見直しへ」エキサイトジャパンニュース(2000年3月30日)
http://www.excite.co.jp/news/searched_story/?nd=20000330163459&nc=T00009306
・WSJ Interactive「米特許庁,電子商取引関連の特許審査方法を改善へ」ZDNN News Bursts(2000年3月29日)
http://www.zdnet.co.jp/news/0003/30/b_0329_08.html
・「ビジネスモデル特許で官民協議会設立、米国特許商標庁」毎日新聞(2000年3月31日)
・ロイター,日本語版:藤原聡美,岩坂彰「米特許局、電子商取引関連の審査制度を見直し」ホットワイアードジャパン(2000年3月29日)
http://www.hotwired.co.jp/news/news/3948.html
 先のワシントンポストなどの記事とほとんど同じ。
・Brenda Sandburg, "PTO Ups the Ante Feds planning stricter scrutiny of business method patents on the Net.", The Recorder/Cal Law (March 30, 2000).
http://www.lawnewsnetwork.com/practice/iplaw/news/A20062-2000Mar29.html
...Dickinson noted that the PTO has two technology specialists in the biotechnology arena.
...Dickinson said the initiative was launched to address the flood of new business method patent applications coming into the agency. Such applications have grown from 1,300 in fiscal year 1998 to 2,600 in fiscal year 1999. Six hundred business method patents were issued last year.
 予算転用の問題にも言及。
...Since about 1990, the PTO has been the only federal agency that receives all of its funding from fees...While the money is given back in the following year's budget, Dickinson said money from that year's budget is taken away at the same time. In the last two years, Congress has taken $200 million from the PTO and this year the figure will increase to $368 million.
 
 なお、このような連邦議会の暴挙(?)に反対する声は多い。歳入をよその官庁に巻き上げられたのでは、特許庁が困るばかりか出願人サイドからしても面白くない。何のために高い料金を納付しているのか、例えば日本特許庁に支払った印紙代が住専処理や不良債権処理に回されたとしたらどうだろう(もっとも、既に税金が投入されているわけだけど)...
 というわけで、法改正により特許庁歳入はすべて特許庁自身が利用できるとする法案H.R.4034「米国特許商標庁再認可法(US Patent and Trademark Reauthorization Act)」が審理中。特許法43条を改正し、歳出法(appropriation Acts)による事前の承認なく特許庁が得た歳入すべてを利用できるとするもので、お馴染みコーブル議員の上程による。先頃3月23日に裁判・知的所有権小委員会(Judiciary Subcommittee on Courts and Intellectual Property)で可決された。次は司法委員会本会での審理。先は長い。。。
 
 
3. インターネットのジュリスディクション
 ローニュースネットワークより。ホームページを根拠に裁判官管轄を確立しようとして、認められなかったケース。この分野では既に幾つかの先例があり、サイトのインタラクティブ性に基づき判断される。サイトが受動的、つまり情報を掲示してあるだけならば管轄なし、インタラクティブ、要するにネット上で商品の注文、購入、決済が可能ならば管轄ありで、両者の中間ならば程度によるとされている。
 本件ではサイバーセル事件を引用しながら、インタラクティブなサイトと異なる受け身のサイトでは、「何かそれ以上のもの」がなければ、被告が実質的な手段によって管轄州に対し何らかの行為を意図的になし得たことを示すには不十分であると判示している。
 
情報元および関連情報:
・E-Commerce Law Weekly, "Passive Web Site Fails to Provide Jurisdiction for Infringement Claims: Court also declines to pierce corporate veil of parent company to reach acts of wholly owned subsidiary.", (March 29, 2000).
http://www.lawnewsnetwork.com/practice/iplaw/news/A19888-2000Mar28.html
Nutrition Physiology Corp. v. Enviros Ltd., No. 5:99-CV-0107-C (N.D. Texas. 3/9/00).
3 D Sys. Inc. v. Aarotech Labs. Inc., 160 F.3d 1373, 48 U.S.P.Q.2d 1773 (Fed. Cir. 1998).
http://laws.findlaw.com/Fed/971514.html
 CAFCは、企業および製品の一般的な情報を掲示するホームページで、電子メールによるやりとりを子会社に転送するようにしたホームページは、被告が州の住人でない事件の人的裁判管轄(personal jurisdiction)の確立にこれだけでは不十分と判示した。
Cybersell Inc. v. Cybersell Inc., 130 F.3d 414, 44 USPQ2d 1928 (9th Cir. 1997).
http://laws.findlaw.com/9th/9617087.html
 第9巡回裁判所は、受動的サイトとインタラクティブなサイトの相違を分析している。受け身のサイトとは一般的な情報を掲示しているが、受注しないもの。一方インタラクティブな、双方向のやりとりが可能なサイトでは、サイト訪問者がホストコンピュータと情報を交換できるものである。
"Interactive" web sites present somewhat different issues. Unlike passive sites such as the defendant's in Bensusan, users can exchange information with the host computer when the site is interactive. Courts that have addressed interactive sites have looked to the "level of interactivity and commercial nature of the exchange of information that occurs on the Web site" to determine if sufficient contacts exist to warrant the exercise of jurisdiction. See, e.g., Zippo Mfg. Co. v. Zippo Dot Com, Inc., 952 F. Supp. 1119, 1124 (W.D. Pa. 1997) (finding purposeful availment based on Dot Com's interactive web site and contracts with 3000 individuals and seven Internet access providers in Pennsylvania allowing them to download the electronic messages that form the basis of the suit); Maritz, Inc. v. Cybergold, Inc., 947 F. Supp. 1328, 1332-33 (E.D. Mo.) (browsers were encouraged to add their address to a mailing list that basically subscribed the user to the service), reconsideration denied, 947 F. Supp. 2448 (1996).
 
 
4. OS9はフェアユース
 既に報じられているとおり。「OS9」の名称はまずいのではという冗談が現実になったシャレにならない事件だったが、どうやら大丈夫。
 
情報元および関連情報:
・"Apple's 'OS 9' Is Fair Use of Trademark.", E-Commerce Law Weekly (March 29, 2000).
http://www.lawnewsnetwork.com/practice/iplaw/news/A19887-2000Mar28.html
Microware Systems Corp. v. Apple Computer Inc., No. 4-99-CV-90496 (S.D. Iowa 3/15/00).
 その後、控訴へ
・「Microware,『OS 9』の名称めぐるAppleとの訴訟で控訴へ」ZDNN/USA News Bursts(2000年4月1日)
http://www.zdnet.co.jp/news/0004/02/b_0401_03.html
 
 
5. クアルコムとモトローラが和解
 長年の特許紛争に遂に終止符。
 
情報元:
・Reuters, "Qualcomm and Motorola settle patent suits.", FindLaw Legal News (March 28, 2000).
http://legalnews.findlaw.com/legalnews/s/20000328/techmotorola.html
・Brenda Sandburg, "Phone Makers to Settle Patent Suits.", The Recorder/Cal Law (March 30, 2000).
http://www.lawnewsnetwork.com/practice/iplaw/news/A20043-2000Mar29.html
 
 
2000/03/28
 
1. ランバスの訴えに日立が反訴
 特許権侵害訴訟、さらにITC提訴を仕掛けた米ランバス社に対し、日立が反トラスト法の反訴を主張。日経エレクトロニクスの報道によれば、「Rambus社は1990年4月に高速メモリに関する特許の出願していたにも関わらず,この事実を隠してその後の高速メモリに関するJEDEC(Joint Electron Device Engineering Council Solid State Technology Association)の規格作成作業に参加していた。この場合,特許の情報公開が原則であり,Rambus社はこれを破った」と日立は主張し「反競争的行為」としている。規格策定とその裏で特許権取得というパターンは例のワング対三菱事件を思い出す。あの事件では三菱側に「黙示のライセンス」が認められた。もちろん、他にも様々な事情や要因があったからで、すべてはケースバイケースと言えるが、さて本件は。
 
情報元:
・新井将之「米Rambus社と日立の特許係争,日立側が反訴」日経エレクトロニクス(2000年3月28日)
http://ne.nikkeibp.co.jp/device/000328hitachi.html
 
 
2. 弁護士向けポータル
 先の広告解禁(3月24日)を受けて、弁護士支援のポータルサイトが開設されている。弁理士版もできないかな。。。
 
情報元および関連情報:
・臺宏士「『弁護士をネットで支援』 広告解禁で専門サービス」毎日インタラクティブ(2000年3月28日)
http://www.mainichi.co.jp/digital/solution/archive/200003/28/1.html
・リーガルネットワーク
http://www.houtal.com/
 
 
3. ARMコアに知的財産権管理機能
 表題の通り。デジタル時代ではコピー防止など、知財保護管理機能が必須になる?
 
情報元:
・三宅常之「ARMコアに知的財産権管理機能を搭載へ」日経エレクトロニクス(2000年3月28日)
http://ne.nikkeibp.co.jp/embedded/es_1/000328inter.html
 
 
4. 物書きの心得
 映画評を見ていて出会ったサイトですが、明細書書き、論文書き、ホームページ書き、ひとりごと書きその他(小説家でない)物書きに必要と思われる心得として、大いに共感するものがありました。美辞麗句やボキャブラリーの豊富さよりも、重要なのは正確さと明確さ、それと締め切り(期限)を守るプロとしての責任、でしょうか。
 
情報元:
・服部弘一郎「FAQ:仕事編」新佃島・映画ジャーナル
http://member.nifty.ne.jp/hattori-k/faq/sigoto.html#8
====================================
Q. 映画ライターに必要な才能とは?映画ライターには文才が必要ですか?感性が鋭くないとダメでしょうか?
A. 明快な日本語を書く能力と、締め切りと指定された文字数を守るプロ意識が必須。
 映画評は文学作品ではありません。必要なのは読者を感銘させる美文ではなく、読者に映画の魅力をきちんと伝えられる機能的な文章だと思います。明快な日本語を書くにはそれなりの訓練が必要ですが、そのためにはひたすら毎日文章を書くことです。これは多少なりとも文章を書くことがある人なら、誰にでも言えることですけどね。サラリーマンだって明快な文章が書けた方がいいですから……。
雑誌で映画評を書くとき求められるのは、締め切りと文字数の厳守です。雑誌には進行スケジュールがあるので、どんなに立派な文章が書けても締め切りが守れないと使ってもらえません。雑誌には決められたページ割りや文字数がありますから、それより多くても少なくても原稿は使い物にならない。自分の言いたいことを、指定された文字数でピッタリと言い尽くさなければなりません。これも訓練が必要です。
 
 
2000/03/27
 
1. ローニュースネットワークより
 一つは先例判決でないから、あまり重視されていないCAFCの判決。手続上の問題で、特許庁の手順に誤りがある場合でも規則に従って庁内での再審理(審判請求もしくは特許庁長官への上申)を受ける必要があり、特許庁をとばして直接裁判所に訴えることはできないと判示。また、憲法修正5条のデュープロセス(due process)や免責条項(sovereign immunity)等も主張されていた。
 
情報元および関連情報:
・Mealey Publications, "Applicant Must Use PTO Appeals Process, Even Against PTO." (March 27, 2000).
http://www.lawnewsnetwork.com/practice/iplaw/news/A19637-2000Mar24.html
George A. Teacherson v. Patent and Trademark Office, No. 99-1465 (Fed. Cir. March 10, 2000) (unpublished).
 
 もう一つはデジタルミレニアム著作権法における、迂回禁止条項(anticircumvention provision)の範囲が争われている。
 
情報元および関連情報:
・Brenda Sandburg, "Sequel to Cyber Copyright Fight: As feds fine-tune digital copyright law, both sides of key technology issues square off again.", The Recorder/Cal Law (March 27, 2000).
http://www.lawnewsnetwork.com/practice/iplaw/news/A19652-2000Mar24.html
 
 
2000/03/24
 
1. 米国ビジネスモデル特許、審査能力は?
 ニューヨークロージャーナルより。ディッキンソン特許庁長官への質疑応答。
 ステートストリート判決でビジネスモデル特許の成立が認められた後、約一年で2600件の出願があり、うち583件が特許されたという。問題になっているこれらの出願についての審査官の審査能力については、利用できるデータベースの拡充や審査官自身が最新技術を学ぶための現地視察プログラムを積極活用。また出願人側の審査協力の側面から、出願前の先行技術調査や報告の義務付けを検討中という...!
 18ヶ月の早期公開制度については、4月上旬に規則を発表する予定。公開方法はネット上で行うことも検討されているらしい。特許公報が特許庁ホームページから無料で入手できる現状を考えれば、驚くことではないが。
 
情報元:
・"Can Feds Keep Up With E-Patents?", New York Law Journal (March 23, 2000).
http://www.nylj.com/stories/00/03/032300a5.htm
========================================================================
...Between October 1998 and September 1999, 2,600 applications for computer-related business methods were filed. During that same time period, 583 of these patents were issued.
..We have access to 900 databases, which provide us with better access to prior art than we have ever had in this office. We do need better access to databases in the area of business methods, which is why we held a hearing on this last year...We are also accelerating a program of field trips for examiners to meet with the technologists to learn more about the state of the art in technology. This applies in all technology areas, not just in business methods.
...We are considering whether we should make the rule even tighter and require applicants to search for prior art and tell us if they don't.
..."Business method" is not defined in the statute though, and this will make for some interesting case law.
 
 
2. まともな特許流通市場の形成
 休眠特許の活用を検討する企業は多いが、問題はどこに依頼するかである。実績がない状況では信用性の比重が大きくなる。アメリカではデュポン社の後ろ盾を頼りに、ベンチャー企業であるイエットツー・コム社(yet2.com)に大手企業が参加しているとのこと。
 
情報元:
・伊藤 暢人、谷口 徹也「『死蔵特許がカネになる』に群がった大物企業、日本勢は売り期待」(2000年3月22日)
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/biz/97343
 
 
3. ランバスの特許紛争、今度はITC提訴へ
 米ラムバス社はメモリの特許侵害で今年1月に日立をデラウェア連邦地裁に提訴しているが、今度は3月23日、日立に加えてセガ・エンタープライゼスを米国際貿易委員会(ITC)に提訴。ドリームキャストで使用するメモリ等が対象とのこと。今回問題となっている特許は、米国特許第6,034,918号と6,038,195号。ITCは提訴(特許権者)側の勝率がかなり高いので問題となっている。
 
情報元および関連資料:
・三好豊「ドリームキャストなどの販売差し止めでITC提訴 米ラムバス」毎日インタラクティブ(2000年3月24日)
http://www.mainichi.co.jp/digital/computing/archive/200003/24/5.html
・「米ラムバス,日立製作所とセガを提訴Dreamcastの販売差し止めを求める」GAMESPOT JAPAN NEWS(2000年3月24日)
http://www.zdnet.co.jp/gamespot/gsnews/0003/24/news06.html
・神保進一(ニュース編集部),横田英史(BizIT)「米Rambus、セガのドリームキャスト輸入差し止めを請求」(2000年3月24日)
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/gen/97664
 
 
4. ネット広告も解禁 日弁連臨時総会で会則改正
 毎日新聞より。表題の通り。
 
情報元:
・臺宏士「ネット広告も解禁 日弁連臨時総会で会則改正」毎日インタラクティブ(2000年3月24日)
http://www.mainichi.co.jp/digital/network/archive/200003/24/1.html
 
 
5. 共同購入による割引の手法で特許取得
 
情報元:
・Margaret Kane,「米で氾濫するネット関連特許,Accompanyはグループ買いプロセスで特許宣言」ZDNet/USA(2000年3月22日)
http://www.zdnet.co.jp/news/0003/22/accompany.html
・Margaret Kane, "Accompany patents group buying: Startup wins U.S. patent for technology that lets online buyers combine their orders and get volume discounts from suppliers.", ZDNet News (March 21, 2000).
http://www.zdnet.com/zdnn/stories/news/0,4586,2471299,00.html?chkpt=zdnntop
・篠原匡「米国発のインターネット版生協、日本の商慣行破る工夫も必要」日経ビジネス(2000年3月22日)
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/gen/97664
 
 
6. プロテクト解除可能なDVDプレイヤー
 ホットワイアードジャパンなどでも取り上げられた、隠しメニューによりリージョンコードやコピーガードを解除できるプレーヤーApex AD-600Aについての記事。映画会社等が提訴を検討しているとの話もあり、ワシントンポストによれば製造元は改訂版の出荷を発表している。
 
情報元:
・Daniel Greenberg, "Now Showing on DVD: 'Loopholes.'", Washingtonpost (March 24, 2000).
http://www.washingtonpost.com/wp-srv/business/feed/a7596-2000mar24.htm
====================================
...Apex's Manley said he expects the revised, secret-menu-free players to reach stores from three weeks to 30 days from now. Meanwhile, the hardware continues to fly off Circuit City's shelves; yesterday, the company's Web site urged, "Get yours now while supplies last!"
 
 
2000/03/23
 
1. トレードドレスの米最高裁判決(※修正中なので信用しないで下さい)
 いつもお世話になっている早稲田大学教授・高林龍先生より内容に関してご指摘を戴きました。ここにお礼申し上げると共に、不正確な内容で皆様にご迷惑をお掛けしたことを謹んでお詫び申し上げます。
...
 トレードドレス保護のための要件が争われていたウォルマート・ストア対サマラブラザース事件の最高裁判決が、22日発表されている。結果は、ウォルマートの逆転勝利!地裁(損害賠償120万ドル+弁護士費用30万ドル以上)、高裁で連敗していただけに、最高裁まで戦った甲斐があったというもの?ただし、権利者側であるサマラブラザーズの服のデザインが、トレードドレスとして保護できないことが確定したわけではないので、また下級審で成立要件の審理をやり直すのだろう(原告側にはちと苦しいが)。本件は全員一致の判決で、スカリア最高裁判事が判決理由を起案されている。
 本件では、未登録のトレードドレスとして保護されるための要件が争われており、「色彩」のみで保護可能なトレードドレスとして認められるかどうかが争点となっていた。結論として、色のみでは本質的な識別力を有することがあり得ないため、そのままでは保護対象とならない。ただし、副次的意味を有することを証明すれば、識別力を有するものとして保護を受けることが可能となる(例えば使用による信用の化体があった場合)。
 要するに、色のみのトレードドレスである場合は、「副次的意味」の立証が要件として課されることになったと言える。これまでは段々と保護が強化される傾向にあったトレードドレスだが、今回の判決で少し逆行して、本来の趣旨に立ち返ったという印象を受ける。
 より法律的にいえば、製品のデザインとパッケージの区別が今回の判決で明確にされた。歴史的にトレードドレスといえば商品の外観、すなわちパッケージを指していた。しかし判例の蓄積によって包装のみならず、商品のデザイン自体にもトレードドレスとしての保護が拡大されていった。製品デザインとは、商品を形成する要因であり、例えば色彩が該当する。
 そして今回、果たして色自体でトレードドレスの保護対象となるのか、つまり色自体に本来的な識別力(出所表示機能)が備わっていると考えられるのかが議論された。その結果、上述の通り色だけでは決して識別力を内包しているとは言えず、問題の色が「副次的意味」を有しておりその結果「識別力」を備えていることを権利者側が証明しなければならないことになった訳である。
 日本の商標法では「色」のみの商標は存在しないことになっているが、最高裁の先例である1992年のツー・ペソス対タコ・カバーナ事件では、「色」のみでも保護対象となり得る旨が判示されていた。しかしながら今回の判決によっても斯かる先例は変更されていないと最高裁は説明している。なぜなら、2ペソ事件ではメキシコレストランの内装が問題とされていたので、これはデザインでなく商品またはサービスの外観、すなわちパッケージと同一視できるものであるから、本来的識別力を備えていると理解できるためである。
 
情報元および関連情報:
Wal-Mart Stores Inc. v. Samara Bros. Inc., No. 99-150. (U.S. 2000).
http://laws.findlaw.com/US/000/99-150.html
Samara Brothers Inc. v. Wal-Mart Stores Inc., 165 F.3d 120, 49 USPQ2d 1260 (2d Cir. 10/4/1999).
http://laws.findlaw.com/2nd/977933dis.html
・Tony Mauro, "Public Universities, Wal-Mart Big Winners at High Court: In separate opinions, justices back principle that state schools develop free speech and side with makers of knockoff products.", American Lawyer Media (March 23, 2000).
http://www.lawnewsnetwork.com/stories/A19364-2000Mar22.html
...Consumers are aware of the reality that, almost invariably, even the most unusual of product designs -- such as a cocktail shaker shaped like a penguin -- is intended not to identify the source but to render the product itself more useful or more appealing.
・"Product Design is Protectible as Trade Dress Only on Showing of Secondary Meaning.", IP Law Weekly (March 23, 2000).
http://www.lawnewsnetwork.com/practice/iplaw/news/A19386-2000Mar22.html
・AP, "Wal-Mart Wins Kids' Clothing Suit.", FindLaw Legal News (March 22, 2000).
http://legalnews.findlaw.com/News/s/20000322/usscwalmart.html
 各紙の報道は、コピー商品(knockoff)製造業者に有利な判決で真似された側は立証が困難になり、競争が奨励されるというものが多い。
Two Pesos Inc. v. Taco Cabana Inc., 505 U.S. 763, 23 USPQ2d 1081(1992).
http://laws.findlaw.com/US/505/763.html
 トレードドレスが識別力を内在しておれば、副次的意味を有することの証明は不要と判示
Qualitex v. Jacobson Products, 514 U.S. 159, 34 USPQ2d 1161 (1995).
http://laws.findlaw.com/US/000/U10301.html
・2000/01/19、1999/10/05、1999/08/24付ひとりごと
 
 
2. 今年のパテントエージェント試験
 今年のエージェント試験の日程が変更されている。11月1日に行われる予定だったが、10月18日に繰り上げられている。
 なお、本年4月12日の試験については、昨年末の法改正を考慮しないと報じられている。次回11月の試験でどうなるかは不明。今年受験される皆さん、頑張って下さい!
 
情報元:
・"OFFICE OF ENROLLMENT AND DISCIPLINE" USPTO
http://www.uspto.gov/web/offices/dcom/olia/oed/index.html
 
 
2000/03/21
 
1. ビジネスモデル特許の記事
 相変わらず多いこのネタ、残念ながらどれもあまり目新しくないのだが。
 日経ビジネスがこの問題を取り上げている。その方面では有名な「ゴルフクラブの握り方」の特許などを紹介している模様(すみません、未だ本誌読んでません)
 一方、アメリカではサン・マイクロシステムズ社とキングストン・テクノロジー社の訴訟に関する記事が載っていた。メモリーチップをモジュールに載置する技術に関する6件のサンマイクロの特許をキングストン社が侵害しているという主張で、近々公判が開始される模様。被告キングストン側の主張では、通常の設計、特に工業規格となった設計を特許は包含しないという。
 
情報元:
・「ゴルフのパットが特許?、日米特許争奪戦の行方」日経ビジネス(2000年3月21日)
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/biz/97253
・P.J. HUFFSTUTTER, "New Patent Rules Open High-Tech Battlefield: Courts: Changes allowing ownership not only of products but business models and processes have led to explosion of lawsuits.", LAtimes (March 20, 2000).
http://www.latimes.com/business/20000320/t000026442.html
========================================================================
...They worry about the expense--both in time and money--of having to wade through a minefield of patent claims.
"I'm shocked that the government would issue a patent for something I consider only evolutionary, not revolutionary," Sun said.
・規格の話で思い出すのはワング対三菱電機判決
 Wang Laboratories, Inc. v. Mitsubishi Electronics America, Inc., 103 F.3d 1571, 41 USPQ2d 1263 (Fed. Cir. 1997).
・伊藤咲子「ある日突然、ビジネスモデル特許に関する警告状が届いたらどうするか MCFフォーラムで、松倉秀実弁理士が講演」ASCII24(2000年3月22日)
http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/2000/0322/topi03.html
 ビジネスモデル特許の定義が面白い。(おそらくは講演者でなく、著者の見解?)曰く、「ビジネスの手順とソフトウェアとが不可分、一体になっているもの仕事の手順として、今までも容易に想像できた抽象的アイデアをシステムに組み込み、新しい技術的システムとして申請した特許。プライスライン特許(USP 5794207)、amazon.comの1クリック特許(USP 5960411)など。○○を満たすシステムと言いながら、実際には手順をそのまま特許にしただけのものもあり、議論となっている。」そんな定義は法的にないぞ、と思いながら、しかし的を得た説明と納得。
 なお、松倉先生のお顔が拝見できます。
 
 
2000/03/20
 
1. 米特許庁新規則案、ついに公表
 昨年末の特許法改正を受けて、施行規則策定作業を進めている米特許庁では、その第二弾として継続出願の実務に関する規則案を発表している。要チェック。
 
情報元:
・"Changes to Application Examination and Provisional Application Practice.", 65 Fed. Reg. 14865 (March 20, 2000).
http://www.uspto.gov/web/offices/com/sol/notices/chngapplexm.pdf
http://www.access.gpo.gov/su_docs/aces/aces140.html
http://frwebgate.access.gpo.gov/cgi-bin/getdoc.cgi?dbname=2000_register&docid=fr20mr00-26
 
 
2. CAFC判決:ミーンズクレームの均等論侵害解析手法を誤って適用
 クラフトフーズ対インターナショナル・トレーディング・カンパニー事件(被告はITCと表記されそうだけど米国際貿易委員会ではありません。あれはインターナショナル・トレード・コミッション)は、IPOニュースのサマリーを読むと何か変な印象を受けるが、判決文を読めば割と明快。要は、地裁が誤ってミーンズクレームでない係争クレームに対し、ミーンズクレームの均等論侵害に適用される判断手法を適用したためにCAFCで覆されただけのこと。
 先のCAFC判決であるチューミナッタ(チウミナッタと呼ぶ者もいる)事件で、CAFCはミーンズクレームでいう均等物と、均等論侵害でいう均等物の違いについて言及している。例えば、ミーンズクレームでは特許法112条6段により「同一の機能」が要求されており、均等な機能は含まれないが、これに対し均等論では完全に同一な機能でなくても、実質的に同一の機能でも含まれる。
 また、均等性の判断基準時が、ミーンズクレームではクレーム範囲が確定する特許発行時となるのに対し、均等論では侵害時が基準となる。これは、特許発行時点では存在しなかった技術をクレームすることはできないため、特許後に得られた技術により発明と同様の効果を得られる場合に権利者を保護するという観点から理解できる。
 チューミナッタ判決では、後者の問題について、仮にイ号製品が特許発行前から存在している技術によるものであるならば、当該イ号製品がミーンズクレームに関して文言上均等物でないと判断された場合は、均等論下でも(判断時期に関して)均等物となり得ないため均等論侵害は成立し得ないであろうと判示されていた。
 どうも本件の地裁は、この点を誤解したようである。本件ではミーンズクレームが争われていた訳でないのだが、「イ号製品が特許権付与前から存在している場合において、文言侵害が成立しないならば均等論侵害もなし」と早計してしまった模様。なぜこんな解釈をしたのか判らないが、これは明らかなミス。地裁はチューミナッタ判決の誤った解釈に基づき、文言侵害なし、均等論侵害なしのサマリージャッジメントを認めた。
 これに対しCAFCは文言上非侵害のサマリージャッジメントは認容したが、均等論非侵害のサマリージャッジメントについては破棄、差し戻しとした。
 
関連情報:
Kraft Foods, Inc. v. International Trading Co., No. 99-1240 (Fed. Cir. 2/14/2000).
http://www.ipo.org/kraftv.itc.htm
合議体:ミッシェル、スミス(シニア)、レーダー判事
判決理由:ミッシェル判事
対象特許:米国特許第5,657,873号"Food Package Having a Compartmentalized Rigid Base Tray"
原告:
 クラフト社(Kraft)は、米国の大手の乳製品・包装食品会社。1980 年、Dart Industriesと合併してDart & Kraft社となったが、1986 年非食品部門の大半を分離しKraft社に戻った。1988 年、Philip Morris社に買収され、89 年同じく買収されていたGeneral Foodsと合併して米国最大手の食品会社 Kraft General Foods社となった。
原告の特許製品:
 オスカー・メイヤー・ランチャブル("Oscar Mayer Lunchables")
 オスカー・メイヤーとは、Oscar F. Mayerが創業した米国Oscar Mayer Foods Corp.製の肉加工製品。特にホットドッグ用ウィンナソーセージが人気があり、1883 年より製造。
クレーム:
2. A food package comprising:
(a) a generally rectangular rigid plastic base tray having four side edges, a top, a bottom located in a bottom plane, and a plurality of compartments, said base tray having peripheral and internal flanges, said peripheral flanges defining said four side edges of said tray, each said compartment being defined by side walls extending from said flanges and a bottom wall located along the bottom plane, said flanges sized and adapted to form a hermetic seal with a film attached thereto,
(b) a film adapted to be affixed to said flanges so as to hermetically seal said compartments, said film adapted to receive and display information, and
(c) a protecting back panel adhered immovably to said bottom walls of at least two of said compartments of said tray, said back panel being planar and adapted to receive and display information.
↑明らかにミーンズクレームらしき限定は含まれていない。
・"Equivalents Infringement Is Not Barred By Pre-Existing Technology in Accused Device.", 59 PTCJ 572 (February 18, 2000).
・リーダーズ+プラス英和辞典
 
 
3. ヒューレット・パッカードとゼロックスが特許訴訟を和解
 ニューヨークタイムズより。ヒューレット・パッカード社とゼロックス社は、両者間で係争中のすべての特許訴訟につき和解すると発表。
 ゼロックスは同社の保有するインクジェット方式やカラーバランス、解像度拡大技術に関する特許をHP社が侵害しているとして提訴、対するHP社はタッチスクリーンを使った操作やインクジェット、画像拡大技術に関する特許をゼロックス社が侵害しているとして逆提訴していた。1998年5月〜1999年6月の間に6件の特許訴訟が提訴されていたが、訴訟はお互いの利益とならず、時間経費を節約するため和解したとのこと。
 
情報元:
・Reuters(PALO ALTO, Calif.), "Hewlett, Xerox Settle Patent Lawsuits.", New York Times (March 20, 2000).
http://www.nytimes.com/reuters/business/business-hewlettpacka.html
http://www.nytimes.com/yr/mo/day/news/financial/20tsc-xerox.html
 
 
4. GIFに関する特許ライセンス問題(追加)
 米ユニシス(Unisys)社が圧縮技術LZW(Lempel Ziv Welch)に関する特許を有しているため、インターネット上で標準的な画像フォーマットであるGIFの使用に際して、特にソフト開発者はライセンス契約を結ばなければならないという問題。
 ネット上ではかなり有名な話で、ネットスケープやマイクロソフト等、大手のブラウザはユニシス社とのライセンスを締結している。また日本特許庁謹製「パソコン出願ソフト」オープニング画面をよく見ると、特許庁がユニシス社からライセンスを取得しているとのメッセージが表示されている。
 ユニシス社の特許は画像フォーマットそのものに及ぶのでなく(そもそもGIFはコンピュサーブが開発)、LZWという圧縮技術を扱っているために、話はGIFファイルだけにとどまらず他の画像フォーマットにも及ぶ。例えば、米特許庁は特許公報データベースに収録する公報イメージでTIFFを使っているが、圧縮方法としてはLZWを使っていない。(このため、設定の関係か時々ファイルが読めないというクレームがおこる)
 この問題につき、インターネットに関しては草分け的な松倉秀実弁理士のコメントが紹介されている。同弁理士の見解では、ソフト自体がGIF表示機能を持たず、マイクロソフト製インターネットエクスプローラのコンポーネントを呼び出してGIF表示を実現している場合においては、消尽理論によりライセンス料支払の義務はないとのこと。つまりマイクロソフト社がユニシスに対しIEコンポーネントに関してライセンス料を支払った時点で、権利が用い尽くされたことになるから、IEコンポーネントを正規に利用するユーザーなりソフト開発者は再度ライセンス料を支払う必要がない、という理屈。
 オピニオンリーダーがこうやってはっきり言ってくれると、問題点の理解がスムーズに行きやがて解決するのでは、と期待...
 ただ、ユニシス社は当然ながらこの見解に反論することでしょう。米ユニシス社のホームページを見ても、同社がライセンスを認めている範囲はかなり制限されているように感じられ、二次使用を殆ど認めないような立場を採っているようにも読める。やはり問題となるのは、マイクロソフトとユニシスとの間の契約内容でしょう。ホームページ上では具体的なライセンス契約内容を明記していないし、マイクロソフトも逃げ腰だし、玉虫色にしておいてお互いが都合よく解釈しているという状況が見えてくる。
 
情報元および関連情報:
・石橋文健,山口賢司「IEコンポーネントを利用するソフトに“GIFライセンス”は必要か? 弁理士とマイクロソフト、米国Unisysに取材」窓の杜 とぴっく(2000年3月16日)
http://www.forest.impress.co.jp/article/2000/03/16/lzw_license.html
====================================
...IEコンポーネントがほかのソフトと一体化して動作しているように見えてしまうのも、「それはIEコンポーネント自身の正規の機能であり、こうした動作も了解した上でMicrosoftとUnisysはライセンスを結んでいるはず。もし制限があるのならば、Microsoft側がきちんと明示しておくべきで、それがないのであれば問題ないと解釈すべき。むしろ、ユーザーを不安にさせるような不明瞭な状態にしているMicrosoft側に問題がある」という。
・GIFライセンス問題についてわかるページ
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/0210/lzw.htm
・日本語によるLZWのライセンス情報 米ユニシス社
http://www.unisys.com/unisys/lzw/lzwfaq_j.html
・ライセンス窓口の紹介 日本ユニシス社
http://www.unisys.co.jp/LZW/index.html
・UnisysよりウェブサイトLZWライセンスの取得が可能(英語)
http://www.unisys.com/unisys/lzw/lzw-license.asp
・「第48回 インターネットと特許(8)データ圧縮」日野法律特許事務所
http://hino.moon.ne.jp/prov48.htm
 クレームの解説あり。
・松村効朗「サブマリン特許で浮上してきたGIF問題米ユニシスが"フリーソフト文化"揺るがす」日経ネットブレーン(2000年3月29日)
http://netbrain.nikkeibp.co.jp/nbr/view/closeup/0329_02.shtml
 本当にサブマリン特許かな?本件はちょっと違うような気が。
====================================
...コモンダイアログ(ファイル選択の際に開くウィンドウ)のサムネイル機能にもGIF表示機能が含まれている。場合によっては「ファイルを開く」という機能をソフトに盛り込んだだけで,ソフト制作者が意識しないでGIF機能を使ってしまうという事態が発生する。「IEコンポーネントを利用する場合のライセンス料は不要」という見方もあるが,マイクロソフトとユニシスはそれに対しての明快な回答を出していない。
 
 
5. ソフトの転売は違法?
 日経パソコンより。ネット上のオークションが活発になるにつれ、禁制品が登場する機会も目立ってくる、という訳でアプリケーションソフトの売買が行われるらしい。ソフトは基本的に販売でなくライセンス形態なので、転売条件は当然契約書による。よく言われているシュリンクラップライセンス、つまり透明ビニールの包装とか封を開けたら、あるいはクリックすれば(インストール画面に契約条件がでてくるパターンで、こちらはクリックラップライセンスと呼ばれる)契約に同意したものと見なしますよ、という契約である。転売なんて大概ダメだと思っていたが、意外にも認められるケースがあるらしい。
 
情報元:
・「違法? 合法? ソフトのオークション:海賊版や契約違反の出品に戸惑うソフト業界」日経パソコン(2000年3月)
http://npc.nikkeibp.co.jp/npc/saisin/current/trend/trend1.html
====================================
...オークションでソフトを取引すること自体が違法というわけではない。パソコンソフトの多くは、使用許諾契約の中で、一定の条件を満たす場合に第三者への譲渡を認めているからだ。ただし、契約に沿って譲渡を行うには、ハードディスクからソフトをアンインストールし、バックアップも残さず、ユーザー登録の変更を申請するなど、利用者にとってみればやや面倒な手続きを経なければならない。
...ゲームの場合はより問題が複雑だ。ゲームソフトは映画の著作物と同様に保護されてきた経緯があり、個人間の譲渡が契約で認められていても、オークションという公共の場で取引されれば「著作権の侵害という解釈が成り立つ」(ACCS)からだ。
 
 
licensing agreement authorizing licensee to use photographs as guides, models, and examples for "illustrations," does not cover computer-scanned images of photos that retain qualities of lifelike appearance and objective accuracy that are essentially photographic.
Mendler v. Winterland Production, Ltd.
(9th Cir.; Filed March 14, 2000)
 
REGS PROPOSED ON SOUND RECORDING
INTERNET TRANSMISSIONS new
The Copyright Office is proposing to amend its
definition of "Service" for purposes of the statutory
license governing the public performance of sound
recordings by means of digital audio
transmissions, in order to clarify that
transmissions of a broadcast signal over the
Internet are not exempt from copyright liability.
65 FR 14227, March 16, 2000.
http://frwebgate.access.gpo.gov/cgi-bin/getdoc.cgi?dbname=2000_register&docid=fr16mr00-19
 
COMMENTS SOUGHT ON PATENT TREATY PROPOSAL The Patent and Trademark Office is seeking comments concerning a patent law treaty proposal. 65 FR 12515, March 9, 2000. 
http://frwebgate.access.gpo.gov/cgi-bin/getdoc.cgi?dbname=2000_register&docid=fr09mr00-46
 
CONFERENCE ON SOVEREIGN IMMUNITY IN INTELLECTUAL PROPERTY CASES ANNOUNCED The Patent and Trademark Office will hold a conference concerning state sovereign immunity in intellectual property cases. 65 FR 11987, March 7, 2000. 
http://frwebgate.access.gpo.gov/cgi-bin/getdoc.cgi?dbname=2000_register&docid=fr07mr00-42
 
 
2000/03/16
 
1. ネット時代の著作権
 写真のネット転載について、第9巡回控訴裁判所が判示。
 
情報元および関連情報:
・Paul Elias, "Artist to Get Damages For Scanned Photograph.", The Recorder/Cal Law (March 16, 2000).
http://www.lawnewsnetwork.com/practice/iplaw/news/A18750-2000Mar15.html
Mendler v. Winterland Productions Ltd., 00 C.D.O.S. 2007 (9th Cir. 1991).
 
 
2000/03/15
 
1. ヒト遺伝子の基本情報は共有すべき(追加)
 昨日、何気なくCNNを見ていたら「ヒトゲノムを特許すべきか」という討論が行われていた。その後クリントンの発表が中継され、表題の報告を知った。
 クリントン大統領は英国のブレア首相と協議の結果、共同声明(Joint statement)を発表し、ヒトの遺伝子の基本情報は、研究者が自由にアクセスできるよう情報を共有すべきであるとし、情報を一般公衆に公開するよう各企業に対し呼びかけている。
 アメリカとイギリスは共同で「ヒトゲノム計画(Human Genome Project)」を進めており、当初の計画を上回る成果を上げてこの分野をリードしている。今年の後半までにはヒトDNA配列の基本情報に関する最初の草案を完成すると予想されている。また2003年までには完全な遺伝子マップをインターネットで公開する計画もある。
 今回の声明で情報の自由な利用を訴えてはいるが、このために特許法を変更するつもりはなく、また民間企業に対し情報の公開(特許権の放棄やライセンスの供与?)を強制するつもりはないとしている。特許権による保護の重要性を無視してはいない。声明を受けて米特許庁では、従来の決定や基準を変更しないことを確認している。
 ただ、共同声明を受けてバイオ関連企業の株価は軒並み下落。ナスダックの指標が200ポイント下落したことをマスコミ各社は非難しているとか。
 
情報元および関連情報:
・"U.S., Britain urge free access to human genome data: DNA mapping holds promise of disease cures", (March 14, 2000).
http://CNN.com/2000/HEALTH/03/14/human.genome03/index.html
・"THE HUMAN GENOME PROJECT: BENEFITING ALL HUMANITY.", THE WHITE HOUSE: Office of the Press Secretary (March 14, 2000)
http://www.whitehouse.gov/library/PressReleases.cgi
http://www.whitehouse.gov/library/PressReleases.cgi?date=1&briefing=3
"To realize full promise of the research, raw fundamental data on the human genome, including the human DNA sequence and its variations, should be made freely available to scientists everywhere,"
"We must ensure that the profits of human genome research are measured not in dollars but in the betterment of human life,"
"We commend other scientists around the world to adopt this policy,"
・Justin Gillis, "Clinton, Blair Urge Open Access to Gene Data.", Washington Post (March 15, 2000).
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/business/A8870-2000Mar14.html
 1990年より始まったヒトゲノム計画(Human Genome Project)の目的が米エネルギー省(U. S. Department of Energy)の資料を基に掲載されている。
Human Genome Project
The Human Genome Project formally began in October 1990 with the following goals:
・Identify the more than 100,000 genes in human DNA.
・Determine the sequences of the 3 billion chemical base pairs that make up human DNA.
・Store this information in databases.
・Develop tools for data analysis.
・Address the ethical, legal, and social issues that may arise from the project.
The National Institutes of Health's National Human Genome Research Institute and the Department of Energy's Human Genome Program together make up the U.S. Human Genome Project. The U.K.'s Wellcome Trust, a private philanthropy, also contributes to the global initiative.
 また、遺伝子関連技術の特許を有する企業リスト等も掲載。この情報元は知的所有権の資産評価も行うプライスウォーターハウス・クーパース(PricewaterhouseCoopers)。これによればアメリカ政府が権利者として最大手であることが判る。
U.S. Government - 388 patents
Incyte Pharmaceuticals - 356
University of California - 265
SmithKline Beecham - 197
Genentech - 175
Eli Lilly - 145
Novo Nordisk - 142
IBM - 130 (computer-related)
Chiron - 129
American Home Products - 117
・"CLINTON BIOTECH STATEMENT SPARKS 200 POINT DROP IN NASDAQ.", IPO Daily News (MARCH 15, 2000).
http://www.ipo.org/whatsnew.html
・Bob Woods, "Biotech Stocks Rebound After Analysts Address Clinton Speech.", Washtech.com (March 15, 2000).
http://www.washtech.com/news/biotech/945-1.html
====================================
Celera Genomics Corp... released a statement late yesterday commending the Clinton/Blair speech, and said that the only restriction that Celera has ever requested is that other database providers would be prohibited from providing or selling Celera's data as their own.
・"Call to publish all gene data praised", BBC News Sci/Tech (15 March, 2000).
http://news.bbc.co.uk/hi/english/sci/tech/newsid_677000/677815.stm
・フジサンケイニュース
・日経バイオテク「米英首脳:ヒト・ゲノムデータの科学者の利用は自由にすべき」日経ビズテクニュース(2000年3月15日)
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/medi/96982
・「ヒトゲノムの解読情報公開を訴えて英米首脳が共同声明」朝日新聞(2000年3月14日)
http://iij.asahi.com/0314/news/international14015.html
====================================
...米国の遺伝情報解析会社のセレラ・ジェノミクス社が昨年からヒトゲノム解読を精力的に進め、データを有料で一部製薬会社に提供し始めている。遺伝子に関する特許は、ただ解読しただけでは認められず、機能解析が必要だ。しかし、独自のデータを基にセレラ社が機能解析を先行させ、特許を「独占」するのではないかという心配が出ていた。
 公的研究機関とセレラ社の協力交渉が今月上旬まで行われたが、決裂した。米英首脳の共同声明はセレラ社に圧力をかける狙いがある。これまでは研究者同士の紳士協定だった情報公開が首脳同士の政策に格上げされた意義は大きく、公開にはずみがつき、研究も進展しそうだ。
・ロイター発,日本語版:高橋朋子,岩坂彰「英両首脳が遺伝子情報の公開を呼びかけ」Technology News from Wired News(2000年3月14日)
http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/3873.html
====================================
...この声明の1週間前、ヒトの全遺伝子の解析を真っ先に完了させようと研究を急いでいる米国の民間企業セレラ・ジェノミクス社が、情報を公的資金で運営されている研究機関と共有すれば、ライバル企業に自社のデータを利用される恐れがあるとの懸念を表明した。
...セレラ社は、国際共同プロジェクト『ヒトゲノム計画』を進めている公的研究チームと、協力へ向けて交渉を行なっていたが、これは先週決裂した模様だ。原因は、合同で開発した製品すべてについて、セレラ社が独占的に販売する権利を要求していたため。
・"US PATENT POLICY UNAFFECTED BY US/UK STATEMENT ON HUMAN GENE SEQUENCE DATA.", USPTO PRESS RELEASE #00-17 (March 16, 2000).
http://www.uspto.gov/web/offices/com/speeches/00-17.htm
・"Clinton, Blair Urge Access To Data From Human Genome Project", 59 PTCJ 656 (March 17, 2000).
・「米英首脳のヒト・ゲノム共同声明を受け米政府とNIHが見解」日経バイオテク(2000年3月17日)
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/medi/97187
 米国の科学技術政策責任者と、ヒト・ゲノム・プロジェクト責任者が見解を公表。また米国は完全長cDNAの情報も即時公開する方針であることも明らかにしたとのこと。
・Tom Abate, "Gene-Patent Opponents Not Licked Yet Debate about human genome far from over.", San Francisco Chronicle (March 20, 2000).
http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?file=/chronicle/archive/2000/03/20/BU19546.DTL&type=tech_article
 
 
2. 有力企業の特許戦略を示す指標?
 
情報元:
・The Technology Review Patent Scorecard
http://www.techreview.com/articles/ma00/scorecard1a.php3
 
 
3. iMac紛争は終わっていない?
 先日アップル社から出された終結宣言に対し、被告(大宇傘下の)フューチャーパワー社が反論。実は販売に関しては合意に達していないし、訴訟は係属しているとのこと。アップル社は先手を打って都合の良いように発表し、発表内容を既成事実化する狙いだったのか?
 
情報元および関連資料:
・三好豊「iMacそっくり訴訟、アップルに反論 米フューチャーパワー」毎日インタラクティブ(2000年3月15日)
http://www.mainichi.co.jp/digital/computing/archive/200003/15/6.html
====================================
...フューチャーパワーは、アップルと大宇との合意は「シルバーブルー」のE-Powerについては販売継続を認めており、さらに連邦地裁の命令が対象とするiMacの7色(ボンダイブルー、ブルーベリー、タンジェリン、ストロベリー、グレープ、ライム、グラファイト)モデルの販売差し止めも「わずか4年間」(フューチャーパワー側のジョン・ゴーマン弁護士)の限定的なものだと指摘。また実際に販売するフューチャーパワーとアップルとの間では、いまだ合意事項はないとしている。
...ゴーマン弁護士は「半透明プラスチックのデザインは、時計のスウォッチやポケットベルなどで始まったもの。コンシューマーがファッショナブルな色のコンピューターを手に入れるまで何年も待たされるのはおかしい。アップルにはカラフルなコンピューターの販売を独占するいかなる法的権利もない」とコメントしている。
・「USNews Appleの係争終結発表にFuture Powerが反論」日経BIZIT(2000年3月15日)
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/prom/96972
・Matthew Rothenberg,Daniel Drew「Future PowerがAppleの発表に反発,『まだ和解は成立していない』」ZDNet News(2000年3月15日)
http://www.zdnet.co.jp/news/0003/15/aol.html
 
 
4. インターグラフ対インテル、却下
 インターグラフ社がインテル社を反トラスト法違反などで提訴した事件につき、反トラスト法違反の争点について違反なしとし仮処分を取り消した先のCAFC判決を受けて、アラバマ北部地区連邦地裁は当該請求に関してインターグラフ社の訴えを却下した。ただし、州法に基づく請求はまだ残っており、不公正商慣習(unfair business practices)や契約違反(典型的な州法の管轄)等の争点である。(当初、インターグラフ社は以下の訴因を訴えていた。patent infringement, fraud, misappropriation of trade secrets, negligence, breach of contract, intentional interference with business relations, breach of warranties, and violation of antitrust laws)
 
情報元および関連情報:
・Bloomberg News,日本語版:矢倉美登里「インテル、反トラスト法訴訟で勝利」CNET JAPAN TECH News(2000年3月13日)
http://cnet.sphere.ne.jp/News/2000/Item/000314-7.html
・The Associated Press, "Part of Intergraph's Claim Dismissed.", FindLaw Legal News (March 3, 2000).
http://legalnews.findlaw.com/News/s/20000314/intel.html
Intergraph Corp. v Intel Corp., 195 F.3d 1346, 52 USPQ2d 1641 (Fed. Cir. 1999).
http://www.ipo.org/intergraphvintel.htm
 
 
5. 反スパム法は違憲?(訂正)
 毎日インタラクティブより。迷惑メールの代表格であるダイレクトeメール(unsolicited commercial e-mail)、通称スパム(spam)メールの対策に要する時間と費用を何とかして欲しいということで、ワシントン州ではインターネットプロバイダーから州の検事総長オフィス(Attorney General's Office)への要請を受けて1998年に反スパム法(anti-spam law)が制定された。これはもちろん州法であるが、州法といえど連邦法と同じく合衆国憲法に反することはできない。
 この度、ワシントン州の反スパム法(anti-spam law)が合衆国憲法に違反しているとワシントン州キング郡裁判所(King County Superior Court)が判断。商標法(ランハム法)の根拠としてお馴染みの州際通商条項(interstate-commerce clause)を不当に制限しており、正当なビジネスを阻害するというのが理由とのこと。控訴必至。連邦裁判所でなかったのが残念。連邦高裁レベルの判決が出れば、スパムに対する規制も進むと期待してたので。。。よく自分のところに来る迷惑メールに対し、判例を引用して「あなたの行為は違法です」と返送してやりたかったから。
 
情報元:
・「『反スパム法』は違憲:ワシントン州敗訴」Mainichi Daily Mail Internet: In-Box Direct(2000年3月15日)
・Chris DeVoney,David Raikow「ワシントン州で『反スパム法は違憲』の判断」ZD Net News Bursts(2000年3月15日)
http://www.zdnet.co.jp/news/0003/15/b_0314_12.html
・Chris DeVoney, David Raikow, "One small victory for spammers ...", ZD Net News Bursts (March 15, 2000).
http://www.zdnet.com/zdnn/stories/news/0,4586,2462018,00.html
(上記記事の英語版)
・Peter Lewis, "Anti-spam e-mail suit tossed out" Seattle Times (March 14, 2000).
http://www.seattletimes.com/news/local/html98/spam_20000314.html
====================================
The judge held that the statute is "unduly restrictive and burdensome" and places a burden on businesses that outweighs its benefits to consumers. The case will not stand as a binding precedent unless it is upheld on appeal. The state has until April 10 to decide whether to appeal.
 
 
6. コンビニのパン競争
 プレジデントより。コンビニで販売するパンの開発舞台裏の熾烈なアイデア競争。商品サイクルが数週間ともなれば、コピー商品であっても裁判沙汰にするだけ無駄?
情報元:
・「特集/パン『黄金伝説』:2週間に一度生まれ変わる、進化するコンビニパン」プレジデント2000年4月号
http://www.president.co.jp/dan/0004/cpan04.html
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...あるメーカーの営業マンは、「とにかくアイデアが浮かんだ端から、工場レベルで商品化して発売してしまう。多少、他社の製品と似ていても、商品サイクルが短いので訴えられることもないんです。
 
 
2000/03/13
 
1. アマゾンのCEO、特許制度改革を提唱
 話題のビジネスモデル特許(business method patent)の代名詞のように取り上げられている「ワンクリック特許」を保有するアマゾン・ドット・コムには、不買運動などの風当たりが強くなっている。これに対する反論として、同社のジェフ・ベゾス最高経営責任者(Chief Executive Officer (CEO))は取得した特許の是非よりも、無効な特許の成立が起こり得る特許制度自体の改革を提唱。自身の問題を棚上げして特許庁をやり玉に挙げている?という非難もなきにしもあらず。
 
情報元および関連情報:
・Chris Oakes,日本語版:関さやか,岩坂 彰「ウェブ特許論争でアマゾンが認定システム改革を提唱」WIRED NEWS(2000年3月9日)
http://www.hotwired.co.jp/news/news/3852.html
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...さらに詳しく調べた結果、アマゾン社の取得した特許は、保護の対象領域が当初の印象よりも狭いことが明らかになったという。
・Associated Press, "Bezos Urges Changes in Patent Law.", FindLaw Legal News (March 10, 2000).
http://legalnews.findlaw.com/News/s/20000310/amazonpatent.html
・Matt Richtel, "NY Times: Chairman of Amazon Urges Reduction of Patent Terms", Linux Today (Mar 11, 2000).
http://linuxtoday.com/stories/18219.html
・Jeff Bezos, "AN OPEN LETTER FROM JEFF BEZOS ON THE SUBJECT OF PATENTS", Amazon.com, Inc.
http://www.amazon.com/exec/obidos/subst/misc/patents.html/102-1207270-9622442
・米国特許第5,960,411号"Method and system for placing a purchase order via a communications network"。1999年9月26日成立。代理人はパーキンス(Perkins Coie LLP)
http://www.patents.ibm.com/details?pn=US05960411__
・米国特許第6,029,141号"Internet-based customer referral system"。2000年2月22日発行、代理人はクノビー(Knobbe, Martens Olson & Bear, LLP)
http://www.patents.ibm.com/details?pn=US06029141__
・小林雅一「押し寄せる米国インターネット特許,日本にも影響あり」日経BizIT(2000年3月6日)
http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/top/view/future/backnum/2000/1h/20000306.html
 アマゾンの特許を中心に、いわゆるビジネスモデル特許の問題点「推考容易な技術に特許が付与される弊害」を説いているが、誤解されている箇所も多い。近年ビジネスモデル特許に関する記事や講演は多いが、内容はどれも似たり寄ったりの印象を受ける。
 簡単に言えば、
ステートストリート事件(+AT&T事件++最高裁の上告不受理)
→ビジネスモデル特許の大量出願
→次々と有効性の疑わしい特許成立(例 プライスライン、アマゾン)
→権利行使、地裁による使用販売差止めの仮処分命令(アマゾン対バーンズ&ノーブル、プライスライン対マイクロソフト(係争中))
→→→将来、高裁による地裁判決の見直し(ここまで来た判決は未だない)
====================================
...99年12月にシアトルの連邦地裁はB&N社に対し,「最終判決が下るまでExpress Lane機能を停止せよ」という事前差し止め判断を下した。一時的処分だが,実質的にはAmazon.comの特許を有効と判定したことを意味する。
↑地裁の判断だから保証はない
 
...同業他社は,「なぜ,特許性の疑わしい申請が認められてしまうのか?」と米国特許商標局に対し,不信感を露わにしている。Amazon.comのボイコット運動に参加した業界関係者は,「特許商標局の特許審査官に,インターネットを本当に理解している人がいないから」とみる。
↑これは半分正しい。審査能力、特にサーチ能力やリソースが不足しているのが問題。
 
...特許は伝統的には,独創性や新規性に富んだ高度な技術に与えられるのが基本だった。しかし,ここ数年でその解釈が180度の転換を遂げた。それを決定づけたのが,1998年の「State StreetBank & Trust裁判」である。紙幅の都合上,詳細な説明は省くが,要するにこの裁判で,一種のビジネス手法でも特許化できることが,法的に保証されたのだ。
↑誤りでないが、誤解を招く。昔も今も新規性は必要である。ステートストリート事件でもこの点は何ら変更していない。同事件では、問題の特許が101条を満たすと判断されたに過ぎない。被告ステートストリートバンクが102条や103条の拒絶を正しく主張できれば、当該特許の無効を証明することは可能。
 
...Site Soundというシリコンバレーの企業は,「音楽をオンラインで配信する」方式全体を特許として保持している。あまりに当たり前で誰でも思いつくことだから,誰一人として特許申請を行わなかったのだろう(特許はその要件として,非自明性を求めている)。ところがそのスキを突いた申請が,特許として成立してしまった。業界関係者にしてみれば,開いた口がふさがらないは,まさにこのことだろう。
↑それはそうかもしれないが、特許の成立は特許庁側の審査官の審査能力の問題のはず。だれが思いつこうが出願しようが、理論的には無理なものは無理。特に優秀な特許弁護士を雇ったというのなら話は別だが。この際だから「優秀な弁護士を雇って特許を取得する方法」でも出願しますか?
 
...米国の裁判所は伝統的に,特許の有効性に対しては厳格な姿勢を貫いてきた。80年代初頭までは,特許の無効確認訴訟で全体の7割が無効と判断された。しかし80年代半ば以降,裁判所の判断がなぜか甘くなり,無効率は50%を切るようになった。一説によれば,外国に対する米国の技術的優位を保証するために,判断基準が変わったとされる。Amazon.comがB&N社に事実上勝訴したのも,こうした長期的なトレンドの延長線上にある。今後,米国の司法部門がどこで手綱を引き締めるかに,注目が集まっている。
↑本当にそれと関係あるのかな。プロパテント政策のことをいいたいのでしょうけど、本件と結びつけるにはちと強引かと。。。
 
...したがって,仮に日本企業がたまたま米国企業の特許と同じ技術を使っていても,その米企業が日本での特許を取得していない限り,特許権侵害で提訴されることはなかった。
 ところがサイバースペースでは,商売を営むテリトリー,すなわち特許権の及ぶ範囲を区分けする国境がない。仮に日本の電子商取引業者が,米国企業の特許を使って物を販売したとしよう。これを米国の消費者が購入したとすれば,特許権を持つ米企業は,日本企業を訴えることができるのだろうか。
 International Intellectual Property Rights Association of Americaに所属する弁護士RobertYoches氏は,「仮にそういう事態が発生すれば,特許権を持つ米国企業が提訴し,米国の裁判所が日本企業に違法判決を下すこともあり得る。まだ電子商取引に関して,そのようなケースは報告されていないが,今後本当に出てくるかもしれない」と語る。
↑これは鋭い指摘である。ネット上のジュリスディクション判断基準はほぼ確立されている。これを外国に適用しないとも限らない。
・Victoria Slind-Flor, "Bar Reacts To Bezos Patent Reform Plan: Adopting his changes would upset good system, they say.", The National Law Journal (March 20, 2000).
http://www.lawnewsnetwork.com/practice/iplaw/news/A19011-2000Mar17.html
 ベゾス氏の発言に対し、そのような提案は現実的でないという各界の批判。そもそも特許庁の審査がなってないからこのような(有効性をとやかく言われる)特許が成立する、その原因は特許庁の予算の問題で、連邦議会が出願料や年金その他の庁の歳入を吸い上げて他の官庁に転用しているからだ、とか。
・今泉大輔「Amazon.comのビジネスモデル特許の波紋 アフィリエイトプログラムって何?」日経ネットブレーン(2000年3月8日)
http://netbrain.nikkeibp.co.jp/nbr/view/closeup/0308_02.shtml
・日経PC21:西山博「『ビジネスモデル特許』って、うざったいよね」パソコン雑誌デスクのホンネ日記(2000年 3月 10日)
http://pcgaz.nikkeibp.co.jp/pg/pcgaz/pla/edit/menu/idx1-1.shtml
====================================
...エラソーに言わせてもらえばさぁ、アメリカの特許庁が、「“知的財産”で日銭をかせぐぞ!」っていうお国の方針に従って、この手の特許をバンバン認めちゃっているのが問題なわけよ。ただでさえ一流メーカーの研究所じゃ、研究者の皆様方が“まっとうな特許”の出願競争でヒーヒー言っているってのに、このままだと、お忙しいビジネスマンの皆様方までも、新事業の企画書を書くたびに、ビジネスモデル特許とやらの出願でヒーヒー言うことになるのかもね。
====================================
 おっしゃるとおりです...正にビジネスマンの方々にも特許出願のチャンスが訪れたというのが、正しい見方だと思うのです。確かにビジネスマンの方々への負担は大きくなりますが、うざったいからといって放っておけば、どんどん他社に水をあけられることになりかねません。この際、経営陣の方々に発明報奨金制度を全面見直ししていただいて、技術陣を含めた全社員を対象に、発明に対する相応の見返りが得られるようなシステムに入れ替えられては。。。
 
 
2. 米特許事務所ランキング
 インテレクチュアル・プロパティ・トゥデイ誌恒例の全米特許法律事務所、特許取得件数ランキングの発表が3月号誌上で行われている。一位二位は変わらずオブロン、シュグリュー事務所で不動。あまり大きな変動はない。
 気が付いた点は、事務所名の変更。何年か前にクッシュマン・ダービー&クッシュマン事務所が西海岸の大手事務所ピルズベリー・マディソン&スートロに合併され、「ピルズベリー事務所のクッシュマンIPグループ」という名称になった。この例に代表されるように、最近米国特許事務所の再編が進んでいる。知的財産権の意義が注目を集めるようになったことに伴い、知財部門を持たない大手一般法律事務所(general law firm)が中堅特許事務所を吸収合併してIP部門を一気に立ち上げて拡充を図る戦略で、この流れが一段と進んだような印象を受けた。例えばニカイドー・マーメルスタイン事務所が合併されたことは全然知らなかった。それでなくても弁護士は頻繁に事務所を変えるので、追いかけるのは容易でない。
 
情報元:
・Intellectual Property Today
http://www.lawworks-iptoday.com/
 ウェブ版には未掲載
 
 
3. 暗号化ソフトの規制緩和明確に
 輸出管理規制と言論の自由との間で揺れていた暗号化ソフト(encription)のホームページ公開の是非を巡る裁判、管轄官庁であるBXAを監督する米商務省は、第9巡回控訴裁判所で係争中の現イリノイ大学教授バーンスティーン氏(Daniel Bernstein)に対し、暗号化ソフト「Snuffle」のホームページでの公開を容認する書簡を被告送付。
 
情報元および関連情報:
・バガボンド「セキュリティCatch! from Vagabond:暗号化プログラムの公開を許可(米政府)」Web Catch(2000年3月13日)
Bernstein v. Dept. of Justice, No. 97-16686, D.C. No. CV-97-00582 (9th Cir. 2000).
http://legal.web.aol.com/decisions/dlother/bernstein.html
http://techlawjournal.com/courts/bernstein/Default.htm
http://lw.bna.com/lw/19990518/9700582.htm
・Export Administration Regulations Database
http://w3.access.gpo.gov/bxa/ear/ear_data.html
http://w3.access.gpo.gov/bxa/index.html
・The Bureau of Export Administration(BXA、輸出管理局)
http://www.bxa.doc.gov/
・BXA Statement on the May 6, 1999 Bernstein Court Case Decision
http://www.bxa.doc.gov/factsheets/EncryptCase.html
・Declan McCullagh, "Landmark Ruling on Encryption.", HotWired news (May 6, 1999).
http://www.wired.com/news/news/politics/story/19553.html
 
 
2000/03/10
 
1. CAFC判決:半エネ研対サムスン電子事件のコメント
 表ページで紹介したとおり、半導体エネルギー研究所(SEL)対サムスン電子事件のCAFC判決が先日下された。これで、特許関係者の注目を集めていた(と私は思っているのですが)2つの地裁判決に対するCAFCの控訴審判決が出揃った。いずれも日本企業が原告で、審査段階の瑕疵が元で不衡平行為を地裁で認定されたケース。CAFCの判決が出たということは、これらの判決が今後先例として他の特許事件でも拘束力を有するということになる。
 
1 セイコーエプソン事件
 一つは英語で書かれた宣言書を読まずにサインした問題が争われたセイコーエプソン対ニューコート事件。こちらは既報の通り、原告の逆転勝利。理由は、不衡平行為の認定には詐欺的意図が必要なのに、本件ではそれが立証されていないから。つまり、内容を読まずにサインしたと言うだけで特許庁を欺こうとする意図があったとはいえないということらしい。CAFCのニューマン判事によれば、このような問題は形式的瑕疵に近いようで、権利行使不能とする程の悪意が認められないということのようである。
 ただし、本件では英語で書かれた宣言書に翻訳文を添付する必要があるのかどうかという大事な問題には言及されなかった。出願時に要求される宣言書(規則1.63)については、署名者が英語を理解できない場合に理解できる言語の翻訳文を添付する旨が明文化されている(規則1.69)。問題は、当該規則が1.63宣言書以外の宣言書にも適用されるか否かである。セイコーエプソン事件では、発明者が誤って先行技術であると自認した図面が、先行技術でなかったとして自認を撤回する旨の宣言書を提出していた(このような宣言書は規則中で明記されていない。実務上、このような自認の撤回が認められるかどうかは微妙なところで、一説では五分五分らしいが、本件の場合は審査官がすんなり認めていた)。当該宣言書は英語で書かれていたが、発明者は英語を読めなかった。このため、当該宣言書に英語翻訳文が添付されていなかったことが裁判で問題とされたのである。この点が非常に気になっていたのにCAFCは明確にしなかったため、個人的には期待はずれというか、期待した割にはあまり大した判決でないと考えてあえておもてページでは報告しなかった(そのうち、書きます。そのうちに。。。)。
 
2 SEL事件
 そして、今回のSEL対サムスン事件である。この事件では、IDSで提出する日本語公報の翻訳文の是非が争われた。通常、公報の全文英訳をIDS提出のためだけに作成するのは費用的にも時間的にも大変な負担なので、英文抄録を買うか要約やクレーム部分を翻訳して提出することが多い。しかしこんなんで本当に大丈夫なのか、とかねがね疑問に思っていたところに、「マズい」という判決が出てしまったものだから、さあ大変と大騒ぎになったのが本件(ではなかろうか)。こちらの結果は残念ながら原判決維持、つまり特許権行使不能の原告敗訴であった。
 この二つの事件の明暗を分けたのは「意図」の有無と考えられる。不衡平行為の認定には、秘匿に係る情報の「重要性」と特許庁を欺く「意図」の両方が必要とされる。セイコーエプソン事件では地裁で意図の認定が十分なされていない(というか審理そのものが不尽?)として、CAFCで逆転された。これに対し、SEL事件では地裁は明らかにSELの意図、すなわち故意を認定している。真実は定かではないが、証拠を見る限りでは多くの事実がSELに不利に働いている。特に発明者でありSEL代表である山崎舜平氏の証言がまずい。証人の準備、教育が不十分だったのか、あるいはサムスン側弁護士が優秀だったのか。いずれにしても裁判ではどちらが正しいかではなく、どちらが証明できたかが重要となる訳で、たとえ真実がSEL側にあったとしても、立証できなければ負けである。 SELは不利な証拠により地裁で不衡平行為を認定された。その後再審査を請求したが、ここでも敗れた。CAFCでは当該地裁の認定が適法であったかどうか、「重要性」、「意図」の各々につき分析し、いずれも適法であったと判断している。
 先ず注意しなければならないのは、おもてページでも書いたとおり、本件は特殊であること、本判決が出たからといって部分訳や英文抄録ではダメということにはならないという点。
 本件ではSELに不利な証拠がかなり多かったため、不衡平行為が認定されたという点に留意しなければならない。正直、これだけ不利な証拠が揃えば「悪気はなかった」と言うのはかなり辛そうに思う。
 一般に、不衡平行為の認定は困難である。立証基準は「明白かつ説得力のある証拠」基準でかなり高いし、裁判所もあまり認めたがらない雰囲気がある。しかし、ひとたび地裁が認めてしまうと、高裁レベルのCAFCでこの認定を覆すのもなかなか大変である。今回の判決でも、単に自分の行いが法基準に反していないというだけでは足りないとされている。
 本件の現実がどうであったかは、当事者以外知る由もない。しかし、裁判ではSELは敗れた。事実がどうであったにしろ、立証できなかった方の負けなのだから。日本と異なり高裁レベルでは法律問題しか争うことができないので、事実に関する証拠は地裁ですべて提示しなければならない。高裁は法律上の手続しか判断できない。
 つまり、本件の教訓は「IDS文献の全文訳を出そう」ではなく、「部分訳や要約、あるいは当該引例と本願との関連性を示す簡潔な説明に、クレーム発明と関係する重要部分の説明が含まれていることの確認」と、「特許庁に対し重要情報を秘匿しようとする意図がないことの証拠固め」ではなかろうか。
 MPEP 2004(2000-9ページ)によれば、特許庁に対する開示義務を充足するためのヒントとして18の指針が列挙されている。この内の18番が参考になるかも。
「18. 最後に、情報をIDSとして提出すべきかどうか具体的に検討した結果、もし重要でないとして破棄する場合は、当該事実を弁護士のファイルもしくは出願人のファイル中に、破棄するとした理由と共に記録しておくことが挙げられる。仮にその判断が誤っていたり、不注意で何かを見逃していた場合には、当該錯誤が善意によるものであり正当化されるべきと説明する際に、判断時に記したメモは極めて有用な助けとなるかもしれない。このような記録は要求されていないものの、後になって『詐欺』や『不衡平行為』の問題が提起された場合において、自身の行動を思い出して説明するための助力となり得るだろう。」
 
3 RICO法について
 本件では、久方ぶりにRICO法の反訴が特許事件で提訴されたことでも注目を集めた。この反訴は、当初CAFCでなく第2巡回裁判所に提訴されたようだが、特許事件の審理と一緒に行うべくCAFCに併合されている。結果は「認められない」。
 特許事件でRICO法が主張される事例は、1970年代頃に多かったようだが、やはり殆ど認められていない。数少ないRICO法の反訴が認められた例としては、マサチューセッツ連邦地裁がレメルソン事件で認めた事例がある。自分でサーチした範囲ではこのくらいしか見つからなかった。
 
関連情報:
 
1 セイコーエプソン事件
37 CFR 1.69 Foreign language oaths and declarations.
(a) Whenever an individual making an oath or declaration cannot understand English, the oath or declaration must be in a language that such individual can understand and shall state that such individual understands the content of any documents to which the oath or declaration relates.
(b) Unless the text of any oath or declaration in a language other than English is a form provided or approved by the Patent and Trademark Office, it must be accompanied by an English translation together with a statement that the translation is accurate, except that in the case of an oath or declaration filed under Section 1.63, the translation may be filed in the Office no later than two months from the date applicant is notified to file the translation.
[42 FR 5594, Jan. 28, 1977; para. (b), 48 FR 2711, Jan. 20, 1983, effective Feb. 27, 1983; para. (b) revised, 62 FR 53131, Oct. 10, 1997, effective Dec. 1, 1997]
 
・MPEP715によれば、出願人の自認による先行技術は、ルール131の宣言書で回避することができない。このため、自認を撤回して先行技術でないと主張するしかない?
(G) Where applicant has clearly admitted on the record that subject matter relied on in the reference is prior art. In this case, that subject matter may be used as a basis for rejecting his or her claims and may not be overcome by an affidavit or declaration under 37 CFR 1.131. In re Hellsund, 474 F.2d 1307, 177 USPQ 170 (CCPA 1973); In re Garfinkel, 437 F.2d 1000, 168 USPQ 659 (CCPA 1971); In re Blout, 333 F.2d 928, 142 USPQ 173 (CCPA 1964); In re Lopresti, 333 F.2d 932, 142 USPQ 177 (CCPA 1964).
 
 
2 SEL事件
 
・MPEP 2004
18. Finally, if information was specifically considered and discarded as not material, this fact might be recorded in an attorney's file or applicant's file, including the reason for discarding it. If judgment might have been bad or something might have been overlooked inadvertently, a note made at the time of evaluation might be an invaluable aid in explaining that the mistake was honest and excusable. Though such records are not required, they could be helpful in recalling and explaining actions in the event of a question of "fraud" or "inequitable conduct" raised at a later time.
・"Semiconductor Technology Patent Unenforceable: Partial translation of foreign language reference does not fulfill patentee's duty of candor.", IP Law Weekly (March 17, 2000).
http://www.lawnewsnetwork.com/practice/iplaw/news/A18935-2000Mar16.html
・「『ケータイ』に照準定め立ち上がる有機EL」日経エレクトロニクス(2000年3月13日)
http://ne.nikkeibp.co.jp/NE/2000/000313/kaisetsu1.html
 アクティブ・マトリクス方式の基本特許を半導体エネルギー研究所が取得したというニュース。
 なおCAFC判決の冒頭で、同社が製造を行わずライセンス収益を主としていることが説明されている。
 
 
3 RICO法関連:
Lemelson v Wang Lab. Inc., 874 F.Supp 430, 32 USPQ2d 1216 (D.Mass. 1994).
Rite-Hite Corp. v. Kelley Co. Inc., 35 USPQ2d 1065 (Fed. Cir.).
Footnote 5
...RICO's civil action provision, 18 U.S.C. Section 1964(c) (1988), reads (emphasis added):
Any person injured in his business or property by reason of a violation of section 1962 of this chapter may sue therefore in any appropriate United States district court and shall recover threefold the damages he sustains and the cost of the suit, including a reasonable attorney's fee.
A. Stucki Co. v. Buckeye Steel Castings Co., 22 USPQ2d 1581 (Fed. Cir.).
時効の話
...The district court also granted summary judgment in favor of Buckeye on Count II, for alleged violation of RICO. A four-year statute of limitations applies to RICO claims, Agency Holding Corp. v. Malley-Duff & Assoc., Inc., 483 U.S. 143 (1987), though the circuit courts of appeal are divided as to when a civil RICO cause of action accrues. The district court in this case applied the majority rule as to accrual; namely, that the statute of limitations begins to run when the plaintiff discovers, or reasonably should have discovered, the basis for its civil RICO claim. See, e.g., Bankers Trust Co. v. Rhoades, 859 F.2d 1096, 1102-05 (2d Cir. 1988), cert. denied, 490 U.S. 1007 (1989). The district court held that, even assuming patent infringement can form the basis of a RICO violation, any RICO claim Stucki had against Buckeye would clearly have accrued prior to July 1984 (four years from the date of filing of Stucki's amended complaint presenting the RICO claim). Thus, the court held, Stucki's RICO claim was barred by the four-year statute of limitations.
Stucki now argues that its RICO cause of action could not have accrued before October 1984, when the Supreme Court denied RDI's petition for a writ of certiorari to this court in our Railroad Dynamics decision, thus ending with finality the dispute over the validity of the '292 patent. Stucki did not raise this argument below, and hence we will not consider it. Alternatively, Stucki contends that its RICO claim could not have accrued until RDI's bankruptcy proceeding was concluded, in January 1990. Stucki's theory appears to be that Buckeye engaged in a pattern of racketeering activity by participation in a "bankruptcy plot" to avoid payment of damages, and that Stucki could not be certain of the amount of its uncollected loss until the distribution of RDI's assets was completed. The district court rejected this line of argument, and we see no reason to differ. Even applying the most expansive "last predicate act" definition of accrual advocated by Stucki, see Keystone Ins. Co. v. Houghton, 863 F.2d 1125, 1130 (3d Cir. 1988), Stucki has failed to explain why RDI's January 1990 liquidation, rather than its March 1984 bankruptcy filing, should constitute the "last predicate act which is part of the same pattern of racketeering activity." Id. As Buckeye correctly notes, Stucki's position only improved after RDI's bankruptcy filing, since Stucki obtained a partial recovery through the eventual distribution of RDI's assets. The district court did not err in granting summary judgment to Buckeye on Count II.
 
 
2000/03/09
 
1. iMac類似品、和解へ
 iMacの模倣であるとしてアップルコンピュータ社が韓国の大宇(Daewoo Group)、イー・マシーンズ社(EMachines, Inc.)を訴えていた事件がすべて和解した模様。
 サンノゼのカリフォルニア北部地区連邦地裁は、大宇に対し販売差し止めの仮処分(preliminary injunction)を認めた。これを受けて大宇は同社のイー・パワー(E-Power)の販売を中止することで和解。
 一方イー・マシーンズ社(韓国のトライジェム・コンピュータ(Trigem Computer Co.)が母体)は、本年1月に命じられた同様の差し止め仮処分を受けて、現行バージョンのEoneの販売を中止することで既に和解している。
 日本ではソーテックとアップルの間で既に和解が成立しているので、結局すべて和解でケリが付いた。商品の形態に関する保護の日米間の相違を比較できる格好の機会を失った、といえば不謹慎?
 
情報元および関連情報:
・Stephanie Miles,日本語版:湯田賢司「『iMac』そっくりパソコン訴訟が和解」CNET JAPAN TECH News(2000年3月9日)
http://japan.cnet.com/News/2000/Item/000309-2.html
・Reuters, "Apple secures iMac injunctions against rivals.", Findlaw Legal News (March 8, 2000).
http://legalnews.findlaw.com/legalnews/s/20000308/techapple.html
・合原亮一「『iMacそっくり』訴訟で勝利宣言 アップル」毎日新聞(2000年3月9日)
http://www.mainichi.co.jp/digital/computing/archive/200003/09/5.html
====================================
...アップルが一連の訴訟で主張していた「デザイン権」などの権利はこれまで確立されたものではなかったが、この訴訟を機に権利として確立されていきそうだ。
↑本当か?
 
 
2. DVD暗号解読ソフト訴訟、資金力で劣る被告弁護団の奇策
 
情報元:
・Declan McCullagh,日本語版:酒井成美,岩坂 彰「DVD訴訟で『オープンソース弁護団』の試み」
http://www.hotwired.co.jp/news/news/3845.html
 
 
3. ティーガルが東京エレクトロンに勝訴
 
情報元:
・長広恭明「エッチング装置の2周波励起技術で米Tegalが東京エレクトロンに勝訴」日経マイクロデバイス(2000年3月8日)
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/elec/96405
・長広恭明「2周波励起技術で訴訟問題でTELが反論」日経マイクロデバイス(2000年3月10日)
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/elec/96574
 
 
4. アマゾンの新たなビジネスモデル特許
 
情報元:
・星野友彦「米アマゾンがBM特許戦略加速--今度は定番の販売促進手法で取得」日経コンピュータ(2000年3月8日)
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf?CID=onair/biztech/comp/96222
 「アフィリエイト・プログラム(会員紹介プログラム)」と呼ばれている...「代理店として登録したWebサイトを経由して、自社サイトを訪問した顧客が物品やサービスを購入すると、購入額に応じた紹介報酬を代理店に支払う」
・米国特許第6,029,141号"Internet-based customer referral system"
http://164.195.100.11/netacgi/nph-Parser?d=PALL&p=1&u=/netahtml/srchnum.htm&r=1&f=G&l=50&s1='6029141'.WKU.
 発明者はアマゾン代表ジェフ・ベゾス氏他
・"Amazon.com Says It Received Patent for Its Affiliates Program.", Wall Street Journal (February 28, 2000).
↑この情報はエイキン・ガンプ事務所のアレックス・シャルトーヴ弁護士から戴きました。いつも感謝!!!
 
 
5. 著作権法の罰金、法人は値上げ
 2001年1月から施行予定の改正著作権法で文化庁は法人の罰金額を現行の「300万円以下」から「1億円以下」に大幅値上げ。また学校の授業で著作物を教材として利用する際、著作者の許諾を得ずにインターネットなどで送信できることも盛り込まれた模様。
 
情報元:
・「違法コピー、罰金最高1億円に・政府が著作権法改正案」日経ネットITニュース(2000年3月9日)
http://it.nikkei.co.jp/it/soft/softCld.cfm?id=20000309dcci089809
・WIRED NEWS Mail P2「3粒の小ネタ」HotWired Japan(2000年3月11日)
 
 
2000/03/08
 
1. 有用性、記載要件に関する詳細資料
 米特許庁は2000年3月1日、暫定版ガイドラインに関する審査官教育用資料を公開している。昨年末からの審査指針改訂作業によるもので、暫定版が公開されている特許法101条の有用性の審査、および112条第1段の記載要件の審査に関する具体的指針を示すもの。多くの事例が例示されており、ガイドラインの内容がより具体的にされている。特にバイオ関連は必見。
 
情報元および関連資料:
・"PTO OFFERS TRAINING MATERIALS FOR INTERIM WRITTEN DESCRIPTION AND UTILITY GUIDELINES.", USPTO (March 1, 2000).
http://www.uspto.gov/web/offices/com/speeches/00-15.htm
・有用性審査指針に関する審査官向けトレーニング資料(PDF形式で74ページ)
"REVISED INTERIM UTILITY GUIDELINES TRAINING MATERIALS"
http://www.uspto.gov/web/offices/pac/utility/utilityguide.pdf
・記載要件審査指針に関する審査官向けトレーニング資料(PDF形式で66ページ)
"REVISED INTERIM WRITTEN DESCRIPTION GUIDELINES TRAINING MATERIALS"
http://www.uspto.gov/web/offices/pac/writtendesc.pdf
 
 
2000/02/25
 
1. アマゾンの特許
 ビジネスモデル特許の問題について。広すぎる保護範囲が、インターネットの成長を阻害するのではないか、という懸念。
 
情報元:
・AP, "Squabbles Over Patents Increase.", FindLaw Legal News (Feb. 22, 2000).
http://news.findlaw.com/News/s/20000222/amazonpatent.html
 
 
2. CAFC判決:特許庁審判インターフェアレンス部での事実認定は、地裁で覆審により審理される
 別項でまとめたウィナー・インターナショナル・ロイヤリティ社対ワング社事件について。
事実:
 インターフェアレンス事件において特許権者側は、自明性を理由に特許無効とされ敗れた。これに対し、特許法146条に基づきワシントンDC地裁に控訴した。地裁で特許権者は、商業的成功を示す証人による証言を新たに証拠として提出した。
 地裁は、特許庁インターフェアレンス部の事実認定を「明白な誤り」基準(clearly erroneous standard of review)で誤りであるとし、引例を組み合わせる動機付け(motivation to combine the refrences)が示されていないとして、審決を棄却した。
争点:
 証人の証言による新証拠が提出されている場合、当該事実問題の地裁における審理基準は?
 地裁は特許庁の判断を考慮することなく自由に審理し直すとするデノボ(de novo、覆審)基準か?=覆すのが最も容易
 特許庁の判断を尊重して、証拠により実質的な裏付けがない限り覆せないとする「実質的証拠(substantial evidence)」基準か?=覆すのが極めて困難
判示:
 特許庁審判インターフェアレンス部からワシントンDC連邦地裁に控訴された場合、事実問題は庁の判断を尊重しない覆審(de novo)基準で審理される。
理由:
 地裁では、自明性に関する最終結論(非自明性の有無、すなわち法律問題)はデノボ(de novo、覆審)基準で審理される。
 しかし特許庁審判部の事実認定をどの程度尊重するかは、条文から明確でない。
 CAFCへの直接控訴(特許法141条)と異なり、地裁経由の間接控訴では、事実審であるため審判部に提示できなかった証拠をも追加できる。このため、この方法は控訴審と事実審の混成するデノボ手続("a hybrid of an appeal and a trial de novo")と呼ばれることがある。ザーコウ最高裁判決でも、地裁で審判部と異なる新たな証拠を提示できるため、地裁裁判官を事実認定者とすることに言及されている。
 相手側当事者ワングは、審判部で提示された証拠と同様類似の追加証拠があるだけではデノボ基準による事実審理を行うには妥当でないと主張する。
 しかし、CAFCはバーリントン・インダストリー社対クイッグ事件(Burlington Indus., Inc. v. Quigg, 822 F.2d 1581, 1584, 3 USPQ2d 1436, 1439 (Fed. Cir. 1987).)で以下のように判示している。
「地裁は、法的結論の根拠となる証拠を評価する際、特許庁審査官や審判部よりも強力な利点を有している。つまり、145条に基づく控訴の特長として、証人尋問や反対尋問により証言する証人を直に審問し見ることができる。さらに多大な議論や主張を重ねることもできる。」
In its evaluation of the evidence on which this conclusion was based, the district court had a powerful advantage over the patent examiner and the Board, an advantage characteristic of section 145 appeals, in that the court heard and saw witnesses, testifying under examination and cross-examination, and had the benefit of extensive discussion and argument.
 このように地裁は、証人から直接証言(live testimony)を訊くことができ、争点につき完全に事実審理が終了した後、審判部の下した審決と異なる、独自の判断を自由に下すことができる。
 これに対し特許庁審判インターフェアレンス部では、証人が直接証言できない。証人による宣誓書や証言緑取の反訳の形でしか証言を入手できない。
 本件では、審判部で提示されたすべての問題に関し、146条の控訴において証人の生の証言が認められていることから、CAFCは地裁を事実認定者とし、デノボによる事実審理が必要と認めた。よって、地裁での生の証言が、審判部で宣誓書や証言緑取反訳などの形式により提示された証言と同様類似のものであっても、地裁はデノボで事実認定を行う。
We hold that the admission of live testimony on all matters before the Board in a section 146 action, as in this case, makes a factfinder of the district court and requires a de novo trial. Thus, although the live testimony before the district court might be the same or similar to testimony before the Board in the form of affidavits and deposition transcripts, a district court should still make de novo factual findings, while treating the record before the Board when offered by a party "as if [it was] originally taken and produced" in the district court. 35 U.S.C. §146. Accordingly, because Winner submitted live testimony on all matters before the Board, the entire district court proceeding should have been a trial de novo, based both on the Board record and the district court evidence.
 本件で地裁は誤って「明白な誤り」基準で事実認定を行ったものの、これを「デノボ」基準で審理し直しても同じ結論になるので、瑕疵は問題とならない(harmless)。
 
関連情報:
Winner International Royalty Corp. v. Wang, No. 98-1553 (Fed. Cir. 1/27/00)
http://www.ipo.org/wangv.royaltycorp.htm
合議体:ミッシェル、レーダー、ガヤーサ判事
判決理由:ミッシェル判事
 
 
2000/02/23
 
1. ジェイ・ウォーカー氏、インターネットを語る
 ワシントンDCで先頃開かれた(らしい)米企業研究所(American Enterprise Institute)主催の会合で、ジェイ・ウォーカー氏(Jay S. Walker)が語った講演の筆記録(transcript)を友人のアレックス・シャルトーヴ氏(Alex Chartove)から見せてもらった。
 同氏は言うまでもなくプライスライン・ドット・コム(PRICELINE.COM)の生みの親で、今またウォーカー・デジタル社(Walker Digital Corporation)を立ち上げて活発な展開を進めている。
 最初私はウォーカー氏のことをレメルソン型の人間かと思っていたが、全く異なるタイプらしい。シャルトーヴ氏によれば、彼は大変頭の良いビジネスマンとのこと。レメルソン氏は、現実のビジネスをしていない。特許を取っているだけである。これに対しウォーカー氏は、あくまでビジネスで儲けることに主眼を置いている。それもインターネットを使った、コスト削減のビジネスモデルで。時代の最先端を行く猛者であると。
 
情報元:
・Jay S. Walker, "The Internet Business: Is Government a Catalyst or Barrier?", (February 2, 2000).
http://www.aei.org/inv0202.htm
 
 
2. 日本特許庁、ビジネスモデル特許を認める方向?
 今週はじめの日経新聞第一面より。特許庁はネット配信など電子商取引(いわゆるeコマース)の技術やアイデアに特許を認める方向で検討を開始。従来の媒体特許のみならず、プログラムなどの無体物自体を保護するということらしい。審査指針の拡大解釈で対応できない場合は、特許法改正で対処するという。
 このニュース、IPOデイリーニュースでもダウジョーンズ発で引用されていた。
 
情報元:
・「音楽・映像配信や電子商取引 ネット活用手法に特許権 特許庁検討 国際標準競争に対応」日本経済新聞(2000年2月21日)
 
 
3. eコマースに課税?
 ずっと議論されている難しい問題。
 
情報元:
・国領二郎「課税問題、電子商取引の焦点に浮上」日経ネットITニュース(2000年2月22日)
http://it.nikkei.co.jp/it/us/usCld.cfm?id=20000222s332m000_22
 
 
4. 州権による知的所有権の免責問題
 ローニュースネットワークより。レーヒー議員提出の特許法改正案を審議するにあたり、連邦議会は公聴会を開き知財業界の意見を訊く。アメリカで「統一意見」を得るのはなかなか困難であるが、議会側としては業界としての同意を求めている模様。
 
情報元:
・Ritchenya A. Shepherd, "Getting Around IP Immunity: Congress looks at ban on suing states under the Lanham Act.", The National Law Journal (February 18, 2000).
http://www.lawnewsnetwork.com/practice/iplaw/news/A16568-2000Feb18.html
 
 
2000/02/18
 
1. CAFC判決:ライセンス設定拒否は特許権者の自由
 注目を集めていたCSU対ゼロックス事件の判決があった。特許権者(ゼロックス社)が特定の企業(CSU)にライセンスを認めなかったため、当該企業が製品の修理等ができなくなり被害を受けたとして、独禁法違反で提訴したもの。
 IPOではライセンス許諾は特許権者の自由であるべきとの立場の下、ゼロックス側を強く支持していたので、戦勝報告がされている。
 
情報元および関連情報:
・"IPO SUPPORTED XEROX IN ANTITRUST SUIT.", IPO's Daily News (FEBRUARY 18, 2000).
http://www.ipo.org/whatsnew.html
CSU, L.L.C. v. Xerox Corp., No. 99-1323 (Fed. Cir. 2000).
http://www.ipo.org/CSU_v_Xerox.htm
・"Refusal to Sell Patented Products Does Not Violate Sherman Antitrust Act", IP Law Weekly (February 24, 2000).