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2003年の特許的独り言
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更新:2006/08/02
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1998年のひとりごと 1998年のたわごと
IPニュース 2002年の最新ニュース
目次 Table of Contents
1.引例発明の認定に関する審査基準改訂
(update)
審査段階においては従来、刊行物記載の発明の認定においては、刊行物の頒布時における当業者の技術常識を参酌するとされていたが、審判例に基づいて「出願時の技術常識」を参酌するように審査基準が改定された。平成15年12月24日以降に審査される出願に適用。既に適用されてます。妥当な判断だし、実際実務もそのようにやってたと思う。この改正も改訂PCTガイドラインに合わせたもの。
情報元および関連情報:
・特許庁調整課審査基準室「刊行物に記載された発明の認定に関する審査基準の変更について」特許庁(平成15年12月24日)
改訂PCTガイドラインに合わせて改訂された発明の単一性に関する審査基準について、パブコメを反映させた最終版が発表されている。平成16年1月1日以降に出願される出願に適用。
従来、米国では複数の発明をクレームしているとかなりの確率で限定要求が発せられ、一方欧州でも最近導入されたルール21の適用によって同様に選択させられる。とうとう日本でも、単一性の審査が厳格になる。実際の適用を見るまで判らないが、今までの感覚だとかなり単一性違反の拒絶を受けることになりそうである。事例集を要確認。印象としては、審査官のワークロード軽減のため、対象の絞り込み、加えて対象を変えずに実質的な出願件数増により特許印紙代を稼ごうとする意図が感じられる(のは私だけ?)
情報元および関連情報:
・特許庁長官「『「発明の単一性の要件』の審査基準改訂について」特許庁(平成15年10月1日)
米特許弁護士および弁理士(パテントエージェント)の倫理規則などに関する改正案。我々には殆ど関係ないが、例えば米特許庁に弁理士登録料(上納金?)を定期的に払え、とか継続的な研修の義務付け、依頼人と性的関係を持たぬことなど(^_^;)、多岐にわたる。また、パテントエージェント試験が、従来の年2回の紙試験から、運転免許証のようにいつでもオンライン上にて受験可能になるとか。反対が多いと予想されるので、最終案がどのようになるかは不明。
この情報はランドルフ・スミス弁護士より頂きました。PDFファイルで122頁あるので、お時間のある方はご堪能下さい。
情報元および関連情報:
・"Changes to Representation of Others Before the United States Patent and Trademark Office; Proposed Rule" Fed.Reg. (December 12, 2003).
クリントン元大統領の弾劾裁判の際には共和党(珍しくカリフォルニア州選出)の先鋒として同氏の破廉恥行為を非難しまくっていた(お陰で政治任命を得た)ジェームズEローガン(James E. Rogan)米特許庁長官が2004年1月9日付で辞任を表明。強硬なリストラなどで非難が多かった。後任は現ナンバー2のデューディス。
この情報もランドルフ・スミス弁護士より頂いたものです。
情報元および関連情報:
・"ROGAN TO LEAVE PATENT AND TRADEMARK OFFICE IN EARLY 2004" USPTO (December 9, 2003).
バージニア州アレキサンドリアに建設された(でもやはりテナント)USPTOの新庁舎がグランドオープン(?)し、テープカットなどの式典が行われた。
情報元および関連情報:
・
FindLawより。くまのプーさんの著作権使用料を巡り、相続人が12年に渡りディズニー社を訴えている事件で、相続人側が高名なジョニー・コクラン(Johnnie Cochran)弁護士を雇ったというニュース。ディズニー社側の代理人はDaniel Petrocelli
情報元および関連情報:
・Associated Press, "Pooh Heirs Hire Cochran in Disney Suit." FindLaw Intellectual Property Law News (Dec. 1, 2003).
クレームドラフティングの定番テキスト、ランディスが第5版に。日本では雄松堂が50370円で取り扱い。アマゾン等のネット販売では未だ扱われていない模様。
情報元および関連情報:
・Robert C. Faber; Ostrolenk Faber Gerb & Soffen, "Landis on Mechanics of Patent Claim Drafting, 5th Edition." Practising Law Institutes.
・「ランディスの米国特許クレームのドラフティング解説 第5版」
2003年12月刊行予定
欧州特許庁の公報ダウンロードサイト、esp@cenet(エスパスネット)の変更に対応したGetIPDLが提供されている。esp@cenetからのダウンロードの際には、新たに付加されたv3ボタン(未だサービスが本格化していない模様)よりもv2の方がヒットする。
なお、GetIPDL最新版ではマイクロソフトのサイトからドットネット関連のツールをインストールする必要あり。これをやるとドットネットのユーザ名が追加されるため(XPの場合。2000ではOK)、例えばログオン時にユーザの選択画面が出てくることになる。うっとおしいからこれを防止するには、ユーザアカウントからAPNETを削除するか、「ファイル名を指定して実行」から「control userpasswords2」と入力して「ユーザーがこのコンピュータを使うには、ユーザ名とパスワードの入力が必要」のチェックを外す。
またGetIPDLのインストール前には旧バージョンを削除するが、レジストキーの再入力は不要なのが手間がかからず嬉しい。
情報元および関連情報:
・GetIPDL 2.9.6
・「.NET Framework ダウンロード情報」
.NET Framework 1.1 再頒布パッケージ
(+Microsoft .NET Framework Version 1.1 日本語 Language Pack)
Microsoft Visual J# .NET Version 1.1 再頒布可能パッケージ
(+Microsoft Visual J# .NET Version 1.1 再頒布可能パッケージ Language Pack)
の順にインストールする。
特技墾の執筆ということで、特許用語のほぼオフィシャルな英訳と信じ込ませてもらっている特許実務用語和英辞典の第2版が登場。2940円。例えば拒絶理由通知書のひな形の英訳などが掲載されており(米国人には説明が必要な29条の2拒絶理由通知は残念ながら掲載されてなかった)、外内事務所には便利。
なお技術用語はなく、あくまでも特許法律用語の辞典。技術用語については「特許技術用語集」や「特許技術用語類語集」を参照。これのCD-ROM、EPWING版が欲しいのだけど、早く出してくれないだろうか。
情報元および関連情報:
・特許庁技術懇話会篇「特許実務用語和英辞典第2版」日刊工業新聞
日経新聞他より。ビデオカラオケの歌詞の色を順次変更して進行状況を示す特許について、特許管理会社リコスがタカラや第一興商相手に損害賠償を請求している。これに対してタカラが請求した特許無効審判は、訂正請求の結果特許維持の認容審決となっている。タカラは審決取消訴訟を提起した結果、今回審決が取り消された。先行技術は、1920年代のトーキー時代の字幕技術というから凄い。
情報元および関連情報:
・「株式会社タカラに対し、特許侵害訴訟を提起」株式会社リコス・プレスリリース (2003年7月11日)
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...対象になっている特許権は、特許第3031538号「歌唱個所指示方法」(平成14年3月17日期間満了)です。これはカラオケ装置の伴奏に伴う歌詞表示の色変わりに関するもので、伴奏に合わせて歌詞を歌うために,文字情報としてあらかじめ記録された歌詞の文字を表示器の画面に表示しておき,この文字情報と同期するようにあらかじめ記録された音声情報からの伴奏の進行に伴って,この文字情報としての歌詞の歌うべき文字の色を変化させることを特徴とする歌唱個所指示方法です。
...株式会社リコスは、知的財産権(工業所有権及び著作権)の取得及び管理とこれらに付帯する一切の業務を行う会社です。
・特許第3031538号「歌唱個所指示方法」
訂正後の特許請求の範囲は以下の通り。なお出願人は東芝EMI。
伴奏に合わせて歌詞を歌うために,文字情報としてあらかじめ記録された歌詞の文字を表示器の画面に表示しておき,この文字情報と同期するようにあらかじめ記録された音声情報からの伴奏の進行に伴なって,この文字情報としての歌詞の歌うべき文字の色を変化させることを特徴とする歌唱個所指示方法。
・東京高裁平成11年5月26日判決 平成9年行ケ206号(特許権 行政訴訟事件)
こちらも東芝EMIが出願した同様技術のビデオ記録媒体に関する発明が争われ、29条1項柱書の要件を具備しないとした無効審決を高裁が取り消した。
歌うべき曲の伴奏となる音声情報と、該曲の歌詞となる文字情報および映像情報とが記録されたビデオ記録媒体において、前記文字情報のうちの前記音声情報の進行に伴なった歌うべき文字の色を上記文字情報に着色を行う色調変化器によって異ならしめて記録したことを特徴とするビデオ記録媒体。
年次報告書が特許庁ホームページで公開されている。書籍版は発明協会から(有料)
情報元および関連情報:
・「特許行政年次報告書2003年版」
PCT-EASYのVersion 2.92 build0007(2003年11月版)アップデートパッチが公開されている。既にVersion 2.92 build0006がインストールされていることが必要。
ダウンロードの際、既にユーザ登録してある場合はライセンス番号として「111111」を入力すればダウンロード可能。
情報元および関連情報:
・Welcome to the PCT Electronic Application SYstem (PCT-EASY)
英語版
・日本語FAQ
・五十棲「PCT-EASY Update Available」(2003年11月12日)
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1) 受理官庁ニカラグア(RO/NI)によるPCT-EASY出願の受付。
2) 新たな締約国ボツワナ(BW)(2003年10月30日より)と国内及びARIPO特許の指定。
3) 新たな締約国ナミビア(NA)(2004年1月1日より)と国内特許の指定。
7) 新料金表。
8) その他のPCTアップデート。
インストール方法:
1) アップデート用ファイル(pct07pt.exe)を、PCT-EASYがインストールされているローカルドライブ(通常はCドライブ)へダウンロードします。
2) アップグレードする前に、EASY本体の送信トレイにある提出用出願願書を必ずフレキシブルディスクにコピーしてください。
3) EASYを閉じてください。
4)“pct07pt.exe”ファイルを実行させてください。
5) EASYファイルマネージャを再起動してください。
6) システムが表示する、変更および既存の料金表への上書きの確認は全て受入れて下さい。料金表の更新には数分間を要する場合があります。
...
(Version 2.92 build0005のバージョンをお使いの方)
先に上記のウエブサイトよりVersion 2.92 build0006を入手し、インストールしてください。
(Version 2.92 build0004のバージョンをお使いの方)
先に上記のウエブサイトよりVersion 2.92 build0005及びbuild0006を入手し、build0005、build0006の順にインストールしてください。
(Version 2.92 build0004より古いバージョンをお使いの方)
先に上記のウエブサイトよりVersion 2.92 build0004を入手し、インストールした後、更にVersion 2.92 build0005及びbuild0006を入手し、インストールしてください。
なお、私こと、本年11月末をもちましてWIPOより日本国特許庁へ帰任することとなりました。2001年12月の着任以来、2年間にわたり格別のご厚情をいただき、まことにありがとうございました。11月24日よりPCT-EASYに関する日本語のご質問は、田中が担当いたします。これまでと同様、PCT-EASYをご活用いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
PCT-EASYチーム
田中(2003年11月24日より)
Tel: +41-22-338-8164
ある訴訟で裁判所に提出した機密文書を外国機関に開示させることが妥当か否かが米最高裁で審理される。
AMDとVIA(VIA Technologies)は2002年10月に欧州委員会(European Commission)にインテルの商行為が違法であるとの申立を行っており、その調査のためにインテルが先にインターグラフ社との訴訟でカリフォルニア州北部地区連邦地裁に提出した非公開の機密情報を欧州委員会に閲覧させるよう連邦地裁に請求した。地裁では請求は棄却されたが、その控訴審において第9巡回高裁は地裁の決定を逆転した。これに対してインテルが控訴し、上告が受理されたもの。
情報元および関連情報:
・Michael Kanellos, ZDNet/USA「AMD対Intelの機密文書問題、米最高裁へ」ZDNet News(2003年11月11日)
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AMDは2000年、Intelが「Intel Inside」をはじめとする「不正な」マーケティングキャンペーンにより欧州の独禁法に違反しているとして、欧州委員会に訴えを起こした。...Intel Insideキャンペーンは、1997年に始まったIntergraphとIntelの長きにわたる複雑な訴訟で争点の1つとなった。Intergraphは訴訟の中で、このキャンペーンは米独禁法に違反していると訴えていた。IntelはIntergraphとの訴訟で多額の和解金を支払ったが、その和解は特許侵害をめぐる訴訟に関するものだった。独禁法訴訟の方は、2000年に棄却された。...ここで争点となる問題の1つが、欧州委員会が米国の裁判所と同様の制約を受ける裁判機関であるか、あるいは政府機関であるかだ。
・"Microsoft Faces Showdown at the EU Corral." Reuters (November 9, 2003).
・Cochran Consulting, Inc. v. Uwatec USA, Inc., 41 USPQ2d 1161 (Fed. Cir. 1996).
特許裁判でのディスカバリーに関しては、上記事件が思い当たる。全く逆の事例だが。。。
外国法での刑事責任を負うおそれがある場合は米裁判所のディスカバリー要求に従う義務はない。
・Societe Internationale Pour Participations Industrielles et Commerciales, S.A. v. Rogers, 357 U.S. 197 (1958).
ディスカバリー手続に関するリーディングケースの一つ。米国でのディスカバリーに係る書類を開示することがスイス法令下で刑法に違反する場合であっても、書類提示義務を負う。上記事件の当事者は、スイス政府に対し法律改正や法上の例外を認めさせる程の力を有しているので、斯かる書類に対する支配権を有している以上はディスカバリーに従わなければならないと判示された。(Kane, Mary Kay. Civil Procedure, 137, St. Paul, Minn.: WEST, 1996.より)
その1:esp@cenet が新システムに切り替わったため、公報ダウンローダソフトDIPシリーズのE'Storageは使用不能になったそう。今後はE'Storage2004で対応とのこと。
その2:アクセスを使った特許管理ソフトとして、「便利屋」シリーズが登場。10万円近くするが、それでも市販の専用ソフトよりはなんぼか安い。特許と商標が別ソフトだが、近日中に知財パックが登場するらしい。使い勝手は未知数。どなたかご存じ方ご教示下さい。
(追記)
12月25日に便利屋知財Ver.1.10が登場。他の特許版、商標版もVer.1.10に。15万円する上、サポートは月6千円。それだけの実力があるかどうか、今後に注目したい。
情報元および関連情報:
・「便利屋へようこそ」株式会社メディア・スタッフ
2003年11月2日以降、国際登録商標出願において米国の指定が可能。これでマドプロの利用価値がぐっと高まった。
情報元および関連情報:
・「マドリッドプロトコル(マドリッド協定議定書)への米国加盟について」日本特許庁(2003年8月)
・George W. Lewis "Madrid Protcol: A preliminary guide for non-US applicants filing applications in the United States" AIPLA (2003).
米連邦取引委員会(Federal Trade Commission:FTC)が「技術革新振興のために:競争原理と特許政策の望ましい均衡」と題する報告書を発表。昨年のヒアリングに基づくもの。特許付与後異議申立制度や完全な出願公開制度の導入といった法改正を提言。315頁もあるデラックスな報告書で、読み物および英語論文の斜め読み教材としては最適。レポートの冒頭に18頁の要約がまとめられているのが有り難い(日経あたりが訳してくれないかな...(^_^;))。
特許専門家でない一般用に書かれているので、勉強テキストとしてはほんとに最適でなかろうか。基礎から分かり易く説明されている上、様々な専門書(欲しいなあ)の引用、割と新しい判例からの引用など、実務家も知識を深められる。秋の夜長に是非。
主な提言は次の通り。なお、単なる提言であることに要注意。法的拘束力はない。ヤングレポートがそうであったように、言論の自由だから何を言ってもOK、但しその影響力は如何ほどのものか。。。?
1.米特許庁において付与後異議を導入せよ(現行では裁判所でしか特許無効を争えない。一応当事者系再審査制度は改善されたが。。。)
2.特許の有効性は「証拠の優越性(“preponderance of the evidence” standard)」基準で判断せよ(現行では特許無効にするには「明白かつ説得力のある証拠」基準が求められ、ハードル高すぎ)
3.自明性の基準を厳格にせよ(商業的成功、引例の「示唆」基準など)
4.米特許庁に適正な予算を配分せよ(ていうか、出願人の金を勝手に盗るな)
5.先行技術の引用及び審査手順を見直せ(審査官の求めに応じてIDSの説明提出義務)
6.特許の保護対象を拡大する前に、競争社会に与える危害を検討せよ(ビジネスモデル特許)
7.出願から18ヶ月経過後にすべての特許出願を公開せよ(日米合意の履行なんてのは理由にならんのか)
8.継続出願に対しては中用権、先使用権を認めよ(サブマリン特許)
9.故意侵害には現実の警告か故意の模倣を要件にせよ(簡単に故意侵害にされたら困る)
10.特許法理の判断に際しては、関係する経済界・産業界のことも考えよ(先のこと考えずに特許査定や判決出すな)
情報元および関連情報:
・"To Promote Innovation:The Proper Balance of Competition and Patent Law and Policy" Federal Trade Commission (October 2003).
全文。表紙がカラーでかっこいい。PDFファイルで315頁。
http://www.ipo.org/Template.cfm?Section=Other&CONTENTID=12216&TEMPLATE=/ContentManagement/ContentDisplay.cfm
要約のみ。
・"FTC RELEASES REPORT ON COMPETITION AND PATENT POLICY" IPO Daily News (Oct. 28, 2003).
1. Create post-grant opposition proceedings in USPTO.
2. Determine challenges to a patent on “preponderance of the evidence” standard.
3. Tighten certain legal standards for obviousness.
4. Provide adequate funding for USPTO.
5. Modify rules on prior art citations and examining procedures.
6. Consider harm to competition before expanding patentable subject matter.
7. Publish all patent applications 18 months after filing.
8. Create intervening or prior user rights to protect against continuing applications.
9. Require actual notice or deliberate copying for liability for willful infringement.
10. Consider economics and competition concerns in patent law decision making.
・Declan McCullagh, ZDNet/USA「FTC、米特許システム刷新を勧告」ZDNN:ニュース速報(2003年10月31日)
他国に比べて厳格すぎる「直接的かつ一義的」の基準がやっと緩和され、「当初明細書等の記載から自明な事項」も追加が認められるようになった。硬直的な運用をあらため、平成15年7月1日の高裁判決等に対応させたもの。平成6年1月1日以降の出願であって平成15年10月22日以降に審査される出願に適用される。
情報元および関連情報:
・「『明細書、特許請求の範囲又は図面の補正(新規事項)』の審査基準改訂について」日本特許庁(2003年10月22日)
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明細書、特許請求の範囲又は図面の補正(新規事項)」の改訂審査基準のポイント
(a)補正が許される範囲を「当初明細書等の記載から直接的かつ一義的に導き出せる事項」としている現行審査基準を改め、「当初明細書等の記載から自明な事項」とし、より適切な法の運用を図りました。
(b)当初明細書等に記載された発明の具体例だけでなく、発明が解決しようとする課題等、記載内容を総合的に考察することにより補正の適否を判断することとし、上位概念化、下位概念化等を伴う補正に適切に対応可能としました。
(c)改訂審査基準の理解を深めるための事例を充実させました。
・「明細書、特許請求の範囲又は図面の補正(新規事項)の審査基準」日本特許庁(2002年10月22日)
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2(1) 「当初明細書等に記載した事項」の範囲を超える内容を含む補正(新規事項を含む補正)は、許されない。
(2) 「当初明細書等に記載した事項」とは、「当初明細書等に明示的に記載された事項」だけではなく、明示的な記載がなくても、「当初明細書等の記載から自明な事項」も含む。
(3) 補正された事項が、「当初明細書等の記載から自明な事項」といえるためには、当初明細書等に記載がなくても、これに接した当業者であれば、出願時の技術常識に照らして、その意味であることが明らかであって、その事項がそこに記載されているのと同然であると理解する事項でなければならない(注1−3)。
(4) 周知・慣用技術についても、その技術自体が周知・慣用技術であるということだけでは、これを追加する補正は許されず、補正ができるのは、当初明細書等の記載から自明な事項といえる場合、すなわち、当初明細書等に接した当業者が、その事項がそこに記載されているのと同然であると理解する場合に限られる。
(5) 当業者からみて、当初明細書等の複数の記載(例えば、発明が解決しようとする課題についての記載と発明の具体例の記載、明細書の記載と図面の記載)から自明な事項といえる場合もある。
例:明細書には、特定の弾性支持体について開示されることなく、弾性支持体を備えた装置が記載されているが、図面の記載及び技術常識からみて、当業者であれば、「弾性支持体」とされているものは当然に「つるまきバネ」を意味しているものと理解するという場合は、「弾性支持体」を「つるまきバネ」にする補正が許される。
(留意事項)
@ 優先権証明書(第43 条第2 項及び第43 条の2 に規定するパリ条約優先権等の場合の優先権証明書及び第41 条に規定する国内優先権の場合の先の出願の出願書類をいう。)は、明細書等に含まれないので、新規事項が追加されているか否かの判断の基礎とすることはできない。
A 分割・変更出願の明細書等が、原出願の出願当初の明細書等に記載した事項の範囲内であるか否かの判断についても、この基準が適用される。
(注1) 東京高判平15.7.1(平成14 年(行ケ)第3 号審決取消請求事件)「ゲーム,パチンコなどのネットワーク伝送システム装置」
『「願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項」とは,願書に最初に添付した明細書又は図面に現実に記載されているか,記載されていなくとも,現実に記載されているものから自明であるかいずれかの事項に限られるというべきである。そして,そこで現実に記載されたものから自明な事項であるというためには,現実には記載がなくとも,現実に記載されたものに接した当業者であれば,だれもが,その事項がそこに記載されているのと同然であると理解するような事項であるといえなければならず,その事項について説明を受ければ簡単に分かる,という程度のものでは,自明ということはできないというべきである。』この判決は、「当初明細書等の記載から自明な事項」という表現自体の意味を理解する上で参考となる。
(注2) 改訂PCT ガイドライン当初の出願に明示的に存在(expressly present)しておらず、又、当初の出願に本来的に存在していた(inherently present)ともいえない情報を導入する補正は、当初の出願の内容を超える主題事項を追加する補正と判断される。ここで、「inherently present」とは、明示的な記載はないが、当初の開示に接した当業者であれば、欠けている事項の意味するところが必然的に明らかとなる場合を意味する。単に、その意味であるらしい、というだけでは足りない。
(注3) 特許協力条約(PCT)第33条との関係PCT第33条の訳文においても、「自明」の用語が使われているが、この場合の「自明」は米国特許法でも用いられる「obviousness」を訳したものであり、我が国の「容易」に相当するものである(同条(1)に「進歩性を有するもの(自明のものではないもの)」と記載されていることからも明らか)。
これに対して、本審査基準で用いている「自明」は、裁判例などにおいて用いられている意味内容と同様の通常の日本語としての「何らの証明を要せず、それ自身ですでに明白なこと(例えば、広辞苑第五版)」の意味で用いている。
・「第V節明細書、特許請求の範囲又は図面の補正に関する事例集」審査基準(2002年10月22日)
69頁もある
さらに、サポート要件違反についても審査基準を改定。従来の、クレームの引き写しが明細書中の【課題を解決するための手段】にあればサポート要件を満たすとの形式的判断から、請求項の記載と明細書における開示との対応関係について、内容に立ち入った判断も加わることに。こちらは平成7年7月1日以降の出願であって平成15年10月22日以降に審査される出願に適用される。
情報元および関連情報:
・「「明細書及び特許請求の範囲の記載要件」の審査基準改訂について」日本特許庁(2003年10月22日)
・「明細書及び特許請求の範囲の記載要件」の審査基準改訂(案)に寄せられたご意見の概要及び回答」日本特許庁(2002年10月22日)
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Q8. 実験成績証明書の後の提出
改訂基準案の3.2.3(2)の項目には、「但し、後から提出された証拠等は、明細書等に記載されていなかった事項についての記載不備を補うものでないことに注意する。(参考:東京高判平13.10.31(平成12年(行ケ)354審決取消請求事件))」と記載されていますが、欧州特許庁での実務のように、実験成績の後の提出を容認して、その上で、サポート要件で処理すべきと考えますし、それで不合理ではないと思います。
A.現行法のもとでは、当初明細書等に記載のない事項については、後に提出された実験成績等の証拠でこれを補充することはできないとするのが判例となっており(東京高判平13.10.31(平成12年(行ケ)354、東京高判平14.10.1平成13(行ケ)345、東京高判平10.10.30平成8(行ケ)201)及び確定した審決他多数)、実務として確立しています。したがって、それと異なる運用をすることは困難です。なお、欧州特許庁の実務において、後出しの証拠が比較的参酌されやすいという点は、サポート要件の判断に限りません。
...
Q11.引用例の発明の認定手法との関係について
明細書の開示内容に対してクレームが広すぎる特許出願の公開公報が先行技術として特許法第29条の審査で使用される場合は、当該公報に開示されている先行技術は、クレームに基づいて認定されるのではなく、明細書に実際に開示してあるもの(おそらくは実施例)に基づいて認定されることになるのでしょうか。
A.改訂審査基準は、公開公報に記載された発明が先行技術として特許法第29条の審査で使用される場合の、刊行物に記載された発明の認定手法には関係しません。これは従前どおりです。詳細は、審査基準第U部第2章をご参照ください。
Q12. 諸外国との整合性
欧州特許条約では、サポート要件は異議理由とはされていません。権利化後の各国においても、無効理由になっていません。諸外国との整合はとれているのでしょうか。
A.サポート要件を拒絶理由とすることが国際的にほぼ調和された制度であるのに対し、権利化後にそれを異議・無効理由とするかどうかについては、現状では、各国・機関毎に制度が異なります。欧州特許条約では、異議理由とされていないのに対して、米国、オーストラリア等では無効理由とされています。また欧州特許条約加盟国である英国では、サポート要件を満たさない場合は無効理由になる旨の貴族院判決(Biogen Inc. v. Medeva PLC [1996] )があります。このように、権利化後の扱いは国際的に調和されていないのが現状です。このことはサポート要件に限りません(クレームの明確性の要件を無効理由とするか否かも調和されていません)。権利化後の制度の国際調和は今後の課題です。
Q13. 「発明の詳細な説明」という用語の使用について
審査基準改訂案において、「発明の詳細な説明」という文言が頻繁に用いられておりますが、平成15年7月施行の改正法に対応して、 「発明の詳細な説明」を「明細書」に置き換える必要があるのではないでしょうか。
A.平成15年7月施行の改正法に伴う様式の変更により、明細書中に【発明の詳細な説明】という墨付き括弧で囲まれた見出しを記載する必要がなくなりましたが、そもそも特許法第36条第6項第1号は「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること」と規定しています。したがって、「発明の詳細な説明」を「明細書」に置き換えることは正しくありません。
1.CAFC判決:広いクレームを削除すればフェストIIIの対象
実質的にクレーム補正無しでも、問題となるクレーム限定を含まない広いクレームを削除しておればフェストルールが適用され、削除されたクレームと特許されたクレームとの間に含まれる均等物を放棄したか否か、特許権者の挙証責任が課せられるとCAFCが判示。本件では、補正無しの意見のみによる禁反言(Argument-based Estoppel)を適用するには、審査官の特許査定可能性の説明が誤っているという主張だけでは不十分としている。一見すると特許権者有利に思えるが、差し戻し審で特許権者がこの挙証責任を果たせるかどうかは甚だ疑問。
情報元および関連情報:
・Deering Precision Instruments, L.L.C. v. Vector Distribution Systems, Inc., No. 02-1013, 1197 (Fed. Cir. 2003).
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...While Deering argues that it merely rewrote an allowable original claim 3 in independent form, there is no question that the claim was narrowed by the deletion of a broad original claim in favor of a claim that contained the Zero Position Limitation. Because the amendment in this case is not "truly cosmetic," estoppel presumptively applies...
2. Argument-based Estoppel
With respect to argument-based estoppel, Vector contends that arguments made during prosecution estop Deering from asserting infringement under the doctrine of equivalents. "To invoke argument-based estoppel, the prosecution history must evince a 'clear and unmistakable surrender of subject matter.'" Eagle Comtronics, Inc. v. Arrow Communication Labs., Inc., 305 F.3d 1303, 1316 (Fed. Cir. 2002) (quoting Pharmacia & Upjohn Co. v. Mylan Pharms., Inc., 170 F.3d 1373, 1376-77 (Fed. Cir. 1999)).
As described above, the Examiner objected to original claim 9 and indicated its allowability if rewritten in independent form although original claim 9 was already in independent form. In response, the applicants noted the Examiner's mistake and restated the Zero Position Limitation as not being disclosed in the references of record. This statement is merely a clarification of the Examiner's mistake, not the "clear and unmistakable surrender of subject matter" required by this court in Eagle Comtronics. Accordingly, we hold that argument-based estoppel was not a proper basis for applying prosecution history estoppel. Upon remand, should Deering adequately rebut the presumption discussed above, Deering shall not be estopped from arguing that the VX-10 infringes claim 4 of the '428 patent based on arguments made in prosecution.
日経ビジネスより。米企業は単なる特許侵害紛争に止まらず、あらゆる手法で攻撃してくるという教訓。日本の法令にも熟知していないとできない芸当で、弁護士が優秀なのか、とにかく相手方をよくよく研究していることが判る。
情報元および関連情報:
・水野博泰「嫌がらせか正当な主張か?激しさ増す特許攻防でスキを突かれる日本企業」日経ビジネスEXPRESS水野博泰のTech Frontier「話題潜行」(2003年10月8日)
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...商法第374条には株主総会で会社分割(今回の場合、日立の半導体事業の分割)で承認決議する際には、「2週間内にその債権者に対し分割に異議ある場合、一定の期間内に異議を述べるべき旨、及び、最終の貸借対照表に関する事項で法務省令に定めるものを官報をもって公告し、かつ、知れたる債権者には各別に催告することを要する」と定めている。
IR社が突いたのは最後の「知れたる債権者には各別に催告することを要する」というくだりだ。日立と相方の三菱電機が臨時株主総会を開いて会社分割とルネサスの設立について承認を得たのは今年2月6日。それ以前の2週間に、日立は「知れたる債権者」であるIR社に異議を問う義務を怠った。IR社は会社分割に異議があり、分割を承認しない。日立の会社分割は無効であり、ルネサスの設立も無効である――。これがIR社の主張のあらましだ。
・逢田宏樹「『ルネサス設立無効』の端はパワーMOSFET特許」日経エレクトロニクス(2003年10月27日号)
フェスト2度目の大法廷判決が金曜日に下された。こんな日に重要判決が出ると、ニュースが遅れて困る。PTCJ(BNA社刊)は木・金あたりに出るので、掲載は一週間遅れ。IPOデイリーニュースも次週に持ち越し。今回ニュースが一番早かったのはFindLawだった(余談になるがFindLawのメールニュースは無料、特に最高裁判決のレポートはかなり早いので、フェスト事件の際などは重宝した。ちょっとお勧め)。翌週になれば、「Patent, Trademark & Copyright Law Daily」(BNA社刊、有料、オンライン版のみ)あたりも出てくるだろう。もっとも、速報では大した分析が期待できないので詳細な論評はもう少し待つ必要があるが。
先に最高裁が示した特許権者が立証可能な3つの方策の内で、個人的に実務上一番気になっているのは、2番目の「tangential relation」である。要するに、クレーム減縮補正の理由が特許性と「かする」程度の希薄な関係にしかない場合は、このことを特許権者が証明することで補正が「特許性に関するものである」との推定を覆すことができる、すなわち禁反言の適用を逃れ均等論の主張が可能になるというものである。(ひじょーに説明が面倒。。。例外の例外の例外だから仕方ないか。。。)
最高裁の示した3つの方策の中では、こいつがまだ一番使えそうな線だと思うが、具体的にどのような証拠を審査段階で残せばいいのかが、いまいちはっきりしない。単にクレーム補正の理由を明確に意見書に書いておくだけで、後の裁判で「タンジェンシャル」だと主張できるのかどうか。その辺が明確にされればと期待していたが、結局目新しい具体的なガイドラインの提示がないまま、地裁へ差し戻しとなった。
ただ、ある程度の一般的指針は示されているので、今後はCAFCのいう「ケースバイケースで考慮すべき具体的ファクターを構築していくのがベスト」ということだろう。まず1番目の予見可能性については、当業者がクレーム補正の時点で予期しなかったものに関する客観的な問題であり、後出の新技術は予見可能でないこと、逆に旧技術は、常にではないが予見できる傾向にあること、さらに係争対象物(イ号)が予見可能であったか否かを判断する際に、地裁は上記判断に関連する事実について、専門家証言や他の外部証拠に依拠することができること等が示されている。
そして補正理由と特許性との無関係(タンジェンシャル)については、クレーム減縮補正の理由がイ号の周辺もしくは直接関連のない理由かどうかであること、争いに係るイ号を含む引例回避のために補正した場合は、「無関係」とはいえずクレームの特許査定の中核をなすこと、補正理由が審査記録から客観的に判別できていることに力点を置く、他の証拠に依拠することなく判断できること(審査記録の解釈に専門家証人が必要な場合を除く)、等が挙げられている。
3番目に、特許権者が減縮補正時にイ号を明記できなかったその他の理由については、CAFCは曖昧で限られた事例であるとし、文言が不足している状態等を挙げている。また3番目の判断も審査記録に基づく証拠に限られるとし、現時点では審査記録以外に使える証拠を述べる必要はないとし、判断を先送りした。
いずれも、字面から大体予想できる程度の一般的な指針でしかないが、少なくとも現時点で明らかになっている唯一の情報であるから、これらを念頭に置いて審査記録を作っていくしかない。
なおフェスト対燒結金属の争いについては、フェスト社が上記の2と3を立証していないとし、1の「予見可能性」について本件イ号がクレーム補正時に当業者に予見できたものであったか否かを審理すべく、地裁に差し戻された。結果的に、原告フェスト社が不利な状況にあることが最高裁判決よりもはっきりした格好である。
判決自体は2つの個別意見を含めて相当長いので(ワード形式だと48頁)、暇つぶしには十分すぎる。なお個別意見を書いたのは、guess whoやはりニューマン、レーダー判事でした。こういうのをforeseeableというのでは?
情報元および関連情報:
・"FindLaw Weekly Opinion Summaries for September 22-September 26, 2003"
INTELLECTUAL PROPERTY CASE SUMMARIES
・Festo Corp. v. Shoketsu Kinzoku Kogyo Kabushiki Co., 2003 U.S. App. LEXIS 19867 (Fed. Cir. 2003)
・Festo Corp. v. Shoketsu Kinzoku Kogyo Kabusihiki Co., 535 U.S. 722 (2002).
・"Federal Circuit Clarifies Prosecution History Estoppel and Rules That It Is Issue for the Judge, Not the Jury." MoFo Update (October 2003).
...Most significantly, the court ruled that these issues will be determined as a matter of law by judges, not juries, and it limited the scope of evidence which trial courts should consider when assessing whether patent holders have overcome any presumption of claim-scope surrender.
もう一つ、今後のCAFCに注目すべきなのが同日付で下されたクノール・ブレムゼ・ジュステーメ・ヌッツファールツォイゲ・ゲーエムベーハー対ダナ事件で、被告が(非侵害との?)鑑定書をディスカバリーで開示しないことにより不利を被ることが妥当かどうかが争われる。CAFC自ら大法廷での審理を決定し、審理すべき4つの問題点を列挙すると共に関係者にブリーフ提出を求めている。
侵害訴訟になったら、予め弁護士から取っておいた非侵害の鑑定書を、出すべきか出さざるべきか、というよりも現実には出さざるを得ない状況にあった。なぜなら、出さないでおくと「鑑定書取ってなかっただろ」、「侵害ありの鑑定書だったんだろ」と原告からつっこまれて陪審の手前不利になり、故意侵害と認定されるおそれ極めて大なので、結局は自ら秘匿特権を放棄して出さざるを得ないからである。でも、そんな扱いで本当にいいのか、鑑定書を開示しないだけで被告に故意侵害を認定するのは不当ではないか、ということで今回の審理が注目される。
なお本件の背景となる故意侵害の認定プロセスの問題点は、law.comのタイムリーな記事で分かり易くまとめられている。要するに、法にも技術にも素人である陪審が故意侵害を認定し、裁判官はこの判断に拘束されるというものである。しかし多くの矛盾を抱えた現行の実務を、誰も元に戻そうとはしない。特許権者側には有利であるし、またオピニオンワークは弁護士にとっておいしい仕事であるから、という事情が見え隠れする。年に何通も警告状を受けてその度に鑑定書を用意せねばならない企業は、この記事に目を通しておいた方がいいかも。
(追記)
その後の記事によれば、本件で提出されたアミカスブリーフは20を数えるほどだった。フェスト事件並みの注目度。しかも殆どが現行の「否定的推定ルール("adverse inference rule")」に批判的で、かなり一方的な印象を受ける。弁護士自身がそう思っているかどうかは別にして、少なくとも顧客である企業の殆どは現行解釈は誤っているんだと声高に弁護士に言わせた訳である。
ブリーフでは現行解釈の問題点が多数挙げられているようで、例えば鑑定書の作成費用は特許1件当たり2万から10万ドルで、警告書に複数の特許が含まれてたら100万ドルを突破することもあり得るという。そんな高い費用をかけても、結局は無駄になってしまう。調査によれば有効性が争われた特許の46%が無効にされているという。もちろん、鑑定書作成段階ではディスカバリーも裁判所によるクレーム解釈も実施されていないので、その根拠となる情報も限られてしまい、結果の信頼性にも影響を与えてくる。そうなると、言い訳的な安上がりの鑑定書が好まれる事態を招く。これでは、最初から鑑定を取らないで、あるいは特許調査すらしないでやってしまうか、もしくは鑑定を取って開示するかの選択しかない。
情報元および関連情報:
・Knorr Bremse Systeme Fuer Nutzfahrzeuge GmbH v. Dana Corp., Nos. 01-1357, -1376, 02-1221, -1256 (Fed. Cir. 2003) (order).
どうでもいいことだけど、被告ダナ社の代理人はレーダー・フィッシュマン(Rader, Fishman & Grauer)、元特許庁の山口洋一郎弁護士先生やデビッド二階堂弁護士、さらにはパテントサロンで有名な今泉俊克弁護士らの所属している事務所である。フェスト事件で被告燒結金属工業を代理したのは日本人クライアントを多く抱えるオブロン(特許庁の隣にあることを売りにしており、もう新庁舎近くに引っ越したらしい)。どうも日本人に縁がある。。。
・Kloster Speedsteel AB v. Crucible Inc., 793 F.2d 1565 (Fed. Cir. 1986).
被告が弁護士の法的助言(鑑定)を得たか否かについて沈黙を守るときは、助言を得なかったか、侵害である旨の助言を得たとの認定となりうる。
・Underwater Devices Inc. v. Morrison-Knudsen Co., 717 F2d 1380 (Fed. Cir. 1983).
侵害の可能性のあるいなかる行為を行う前に弁護士から十分な法的助言を求める積極的な義務がある。
・Justin Beck (The Recorder), "The Willful Infringement Mess." law.com (Sept. 19, 2003).
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...It's little wonder that juries find a majority of infringements to be willful. Oddly, the judge, who, unlike the jury, does know something about legal competence, has no role in deciding if the opinion is competent or if the infringement is willful.
...If the infringement was willful, the judge in post-trial motions, using additional factors, exercises judicial discretion in determining whether, and by how much, damages should be enhanced. But in exercising that discretion, the judge is bound by the jury's willfulness finding and may not reweigh the evidence on willfulness. Jurgens v. CBK, Ltd., 80 F.3d 1566 (Fed. Cir. 1996).
...In order to assert reliance on an opinion of counsel, the defendant must waive the attorney-client privilege. This is a subject matter waiver, and thus all communications between the client and any of its attorneys on the subjects addressed by the opinion become discoverable and potentially admissible at trial.
...Opinions are expensive. A well-written opinion by an experienced patent attorney will cost between $10,000 and $100,000, and over the course of a year a large company may be on notice of dozens of possible infringements.
数百万の請求書に驚いたことがあるが、業界の先輩によれば1千万を超えるオピニオンも決して珍しくないと聞いてさらに驚いた。これは本当らしい。
...Oral opinions and opinions by in-house counsel are suspect, regardless of their fundamental soundness. As a practical matter the opinion author must tailor the opinion for the jury, not for the client.
...What the current system does is foster support for the popular view that clients can buy any opinion they want from their lawyers.
事実とはいえ、強烈な皮肉。そもそも、否定的な鑑定が欲しいクライアントがいるわけがない。普通は鑑定の結果を口頭で事前に確認してから、正式な鑑定書が作成されることが多いと思う。
....Because, in order to offer an opinion at trial, the client must waive the attorney-client privilege on the subjects of infringement and validity, the defendant's trial counsel must be guarded in discussing the case with the client. By doing so, the client can take the position that trial counsel has expressed no opinions on those subjects, thereby protecting communications with trial counsel from disclosure.
こういう戦術を使っているですね、予め秘匿特権が放棄されることを予期して。
・Brenda Sandburg (The Recorder), "Lawyers Stump for End to Tough Patent Policy" law.com (Nov. 11, 2003).
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..."Sophisticated parties aware that there is unusual vulnerability to a particular patent will likely be able to find a competent outside attorney that can write a plausible opinion letter, even if the party believes that, in all likelihood, it infringes," Weil, Gotshal & Manges partner Matthew Powers and his colleagues wrote in a brief.
..."Published estimates range from $20,000 to over $100,000 per patent," Heller Ehrman White & McAuliffe partner L.J. Chris Martiniak, wrote on behalf of the Computer Associates group. "Notices of infringement often encompass multiple patents, which means that formal opinion letters could easily reach into the hundreds of thousands or even into the $1 million range." Citing a study that found 46 percent of patents litigated to judgment on validity issues are held invalid, Martiniak said opinion letters are likely to have no value anyway.
...Microsoft Corp. focused on this issue, arguing that a good faith defense to infringement should bar a willfulness finding. Microsoft counsel Frank Scherkenbach, a partner in Fish & Richardson's Boston and Silicon Valley offices, said defendants whose first notice of infringement is a lawsuit face an "untenable Hobson's choice":Don't rely on advice of counsel and face an adverse inference or rely on such advice and "provide your ongoing communications with trial counsel."
・"Amici Curiae to Federal Circuit: Revise the Law on Advice of Counsel and Patent Willfulness" mofo Update (November 2003).
http://www.mofo.com/news/general.cfm?MCatID=8437&concentrationID=&ID=1114&Type=5
・"Party Briefs and Orders." St. Onge Steward Johnston & Reens
被告上訴人(defendants-appellants)ダナ社、Haldex Brake Products社側代理人事務所による両当事者の訴状、答弁書、大法廷審理の追加意見書
・"Amicus Briefs." St. Onge Steward Johnston & Reens
24通のアミカスブリーフ
1.CAFC判決:ハードの機能をソフトで実現することはミーンズクレーム侵害に該当
しないおそれ
ミーンズプラスファンクションクレームの解釈において「変換手段(means for converting)」はソフトウェアで実現する構成は含まれないとし、特許有効・侵害ありとした地裁判決を破棄差し戻し。該ソフトフェアがクレームされた変換機能に関して明細書中でも審査記録中でも明確にリンクされていないことが主な理由。
本件で問題になった特許は、脳手術などに有用な、一のディスプレイ上に種々の画像ソースから得たイメージを表示するためのシステムをクレームしていた。明細書中にはA/D変換を行うフレームグラッバー(framegrabber;コンピュータの記憶や処理のために標準的なテレビビデオ画像をデジタル化する外部装置)ビデオディスプレイボードとコンピュータビデオプロッセサが開示されていた。一方のイ号装置はA/D変換を行っておらず、ソフトウェアでD/D変換を行う構成であった。明細書中にはソフトでの実行も記載されていたが、それらはクレームの他の機能である「イメージを操作する手段」("means for manipulating" the images)とリンクされていた。CAFCの先例であるBブラウンメディカル判例によれば、112条6段でいう明細書中で開示された「対応する」構造に該当するためには、明細書もしくは審査記録がクレームされた機能と明確にリンクもしくは関連付けされている必要があるが、このようなリンクを欠くためソフトウェアは「変換手段」に含まれず、非侵害となった。
一方ニューマン判事が、そのようなソフトウェアによるD/D変換は当業者の通常の知識の範囲内であるとして反対意見を書かれている。尤もな意見である。加えて、本件は侵害の有無であって、有効性の審理のために差し戻すべきでないとも。
今日ミーンズプラスファンクション節でクレームされそうな機能を実現する構成は、ハードに限られずソフトウェアでも実現可能であることは多い。そのような場合に均等論侵害を主張したくなるが、クレーム中のすべての機能について、一々「ハードでもソフトでも実現可能」であることを明示しておかないと、今回のようなことが起こり得る。特に本件では、クレームされた複数の手段の内、ある手段についてはソフトウェアでの実現に言及されていたものの、問題となった手段については明示されていなかった。そうすると、該手段についてはソフトウェアでの実現を意図的に排除しているとの解釈も成り立つ。このようなことのないように、クレームに係るすべての機能について、ハード又はソフト(あるいはこれらの組み合わせ)で実現可能である旨を、面倒でも一言言及しておく必要があると思われる。
情報元および関連情報:
・Med. Instrumentation & Diagnostics Corp. v. Elekta AB, Nos.03-1032 (Fed. Cir. 2003).
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クレーム1:
An apparatus for generating a presentation of images from a variety of imaging sources, the apparatus comprising:
means for acquiring a plurality of images from a plurality of separate imaging sources;
means for converting said plurality of images into a selected format;
means for storing said plurality of images;
means for selectively recalling and displaying at least two images of said plurality of images upon a single display device;
means for manipulating at least one of said at least two images independently of the other image;
means for comparing at least two images;
means for determining stereotactic coordinates and performing volumetric determinations from said at least two images; and
means for determining distances and areas from said at least two images.
The [district] court then found that the structures corresponding to this function were the VME bus based framegrabber video display board, the computer video processor ("CVP"), and "[s]oftware routines for converting digital-to-digital known to those of skill in the art." The framegrabber and the CVP both perform only the conversion of analog data into the selected digital format, known as analog-to-digital conversion. The accused devices do not perform analog-to-digital conversion, but rather only perform digital-to-digital conversion using software.
systems useful in brain surgery for presenting images from a variety of imaging sources on a single display device.
112条6段ミーンズクレームに必要な開示の程度について、多数意見と反対意見は鋭く対立する。ちょっと判りにくいが、要するに112条6段は112条1段でいう実施可能要件と違うということ。実施可能要件の具備についていえば、当業者が容易に(過度な実験なしに)実施できる程度の技術は開示が無くても該要件を具備し得る。
これに対して、112条6段でいう「対応する構造」であるためには、こういった当業者の知識に依拠することはできず、あくまでも明細書中に開示があるか否かで判断される。つまり、クレームがミーンズクレームで書かれている以上、いくら当業者がD/D変換をソフトで実装できると主張しても、そのことが明細書に書かれていない限りはミーンズクレームではカバーできない。ミーンズクレームについては当業者の知識や技術水準が考慮されず、結果として狭く解釈されるという落とし穴といえる。
なお、このくらいの改変はミーンズクレームの均等論でカバーできないか、との意見があるかも知れないが、ミーンズクレームの均等論では基本的に機能の均等性でしか主張できない。そのような主張が本件でなされたかどうかは定かでないが、本件では「変換機能」が既にイ号と同一であると考えられるので、均等論による拡張は期待できないと思われる。
実務上の対策としては、よく言われることであるが「ミーンズクレーム以外の構造によるクレームも立てておくこと」に尽きる。問題となった上記クレーム1は、すべての構成要件を”means for ...ing”で表現しており、見た目が美しいからこういう表現で統一したくなる。しかし、結果論であることを承知でいうなら、もし「変換手段(means for converting)」を単に「変換器(converter)」としていたら、どうなったであろうか?変換器くらい一般的だと、機能表現でないとしてミーンズクレームでないと判断される可能性は十分あったであろう。そうすると、当然ながら文言侵害、均等論でハード、ソフトをカバーできたかも知れない。
見た目の美しさにとらわれない堅実なクレーム作りを目指すべきと改めて自戒。
多数意見(クレベンジャー判事、シャル判事):
...the [district] court concluded that because techniques for performing those conversions were known to those of skill in the art at the time the application was filed, a person of skill in the art would understand software to be a corresponding structure for the converting function... MIDCO presented some evidence before the district court that a skilled programmer at the time of the application's filing could have written a program for digital-to-digital conversion of image size, and we have no reason to doubt that assertion. In discussing software programs in the medical imaging field, MIDCO's expert explained that "a software programmer having ordinary skill in the art . . . would be aware of the sources of routines, modules and even small programs . . . that could be incorporated into the larger program being developed. These programs were widely available from well-known sources or available from other software developers. . . ." MIDCO then provided examples of programs for digital-to-digital image conversion (none of which are cited in the patents) that would have been available at the time the patent was filed.
However, that is not the correct inquiry. The correct inquiry is to look at the disclosure of the patent and determine if one of skill in the art would have understood that disclosure to encompass software for digital-to-digital conversion and been able to implement such a program, not simply whether one of skill in the art would have been able to write such a software program. See Atmel Corp. v. Info. Storage Devices, Inc., 198 F.3d 1374, 1380 (Fed. Cir. 1999) ("[I]nterpretation of what is disclosed must be made in light of the knowledge of one skilled in the art."); see also Omega Eng'g, Inc. v. Raytek Corp., Nos. 01-1546, 02-1478, slip op. at 28-29 (Fed. Cir. July 7, 2003) (explaining that statements from experts cannot be used to "rewrite the patent's specification" to create a clear link where the language in the specification provides none); Medtronic, Inc. v. Advanced Cardiovascular Sys., Inc., 248 F.3d 1303, 1313 (Fed. Cir. 2001) (finding particular structures not to be corresponding structures because "one skilled in the art would not perceive any clear link or association between these structures and the [recited] function of connecting adjacent elements together"). It is important to determine whether one of skill in the art would understand the specification itself to disclose the structure, not simply whether that person would be capable of implementing that structure. See Atmel, 198 F.3d at 1382 ("Fulfillment of the § 112, ¶ 6 trade-off cannot be satisfied when there is a total omission of structure. There must be structure in the specification."). Indeed, the requirement of looking to the disclosure to find the corresponding structure comes from section 112, paragraph 6 itself. It is not proper to look to the knowledge of one skilled in the art apart from and unconnected to the disclosure of the patent.
反対意見(ニューマン判事):
...The majority is not correct. The patent specification need not "teach software" and the writing of routine programs in order to teach how to practice the described method. It suffices if one of skill in the art "would have been able to write" a standard program of digital-to-digital conversion. If one of skill in the programming art would have been able to write such a program without undue experimentation, the statutory requirements are met. See, e.g., Minnesota Mining and Manufacturing Co. v. Chemque, Inc., 303 F.3d 1294, 1301 (Fed. Cir. 2002) (enablement requires that the disclosure teach how to carry out the claimed invention without undue experimentation).
・B. Braun Med. Inc. v. Abbott Labs., 124 F.3d 1419, 1424 (Fed. Cir. 1997).
明細書もしくは審査記録がクレームされた機能と明確にリンクもしくは関連付けされている場合にのみ、112条6項でいう「対応する」構造に該当するとしたリーディングケース
"structure disclosed in the specification is 'corresponding' structure only if the specification or prosecution history clearly links or associates that structure to the function recited in the claim."
・"Split Federal Circuit Disagrees With Interpretation of Patent Claims for Medical Imaging Inventions and Overturns Jury Verdict." IPO Daily News (Sept. 2003).
2003年9月1日からーロッパ特許庁が行う国際調査のための手数料(調査手数料)945EURが日本円−ユーロ間の為替レート変動に伴い、117,900円から129,500円に値上げされる。英語でのサーチレポートを要求する場合で、納付は特許印紙でなく(株)東京三菱銀行虎ノ門支店の「EPO/JP-WIPO」の名義の口座号「2126573」に振り込む。
情報元および関連情報:
・「PCT関連手数料改定のお知らせ(平成15年7月1日掲載)」特許庁国際出願課(平成15年6月16日)
9月1日からは利用不可。重複しているのは僅か2ヶ月と、これまでになく短い移行期間なので、システム入れかえは早急に行う必要あり。
情報元および関連情報:
某特許事務所所員であり、整体師でもあるというよだっち氏の定番マクロ「一太郎10-13特許事務ツール」がver. 1.17となった。シェアウェアで2500円だが、今回の変更点は大きい。一太郎を使った特許出願用html変換のネックであった「ブックマーク」が不要なタグに変換される点を解消してくれる。これで手作業で「特事務開始位置」、「発考詳細な説明」等のタグを削除する必要がなくなった。
情報元および関連情報:
・よだっちのホームページ
パソコン出願ソフト3がVer.3.11にバージョンアップ。PCT出願などの問題に対処。このパッチを当てていないと出願時に一々「最新版じゃない」旨の警告ダイヤログが表示されてうっとうしい。
情報元および関連情報:
・「オンラインアップグレード手順Ver[03.11]」日本特許庁
米特許法271条(g)は、製造方法の特許で製造された製品の輸入を特許侵害とみなす旨規定しているが、この規定の解釈がCAFCで争われた。CAFCの判断は、当該条文の文言及び立法経緯から、製造方法のみを保護する規定であるとした。すなわち、同項は特許方法で製造された物理的な物に限定され、特許に係るプロセスで生成される情報には及ばないとした。製法特許の効力を大きく制限するものであり、今後の権利行使には注意が必要。合議体はメイヤー、ダイク、プロスト判事で、ダイク判事が判決文を起草。
ハウジー社の特許はタンパク質を活性化あるいは禁止する物質をスクリーニングする方法をクレームしていた。同社はベイヤー社が該方法を使用して得た情報、および該方法を使用して特定された製品を米国に輸入していると主張した。しかしながらCAFCの解釈では、このような行為は271条でいうみなし侵害の行為に該当しないとされた。
情報元および関連情報:
・Bayer v. Housey Pharmaceuticals, Nos.02-1598 (Fed. Cir. 2003).
・35 U.S.C. 271(g)(2000)
Whoever without authority imports into the United States or offers to sell, sells, or uses within the United States a product which is made by a process patented in the United States shall be liable as an infringer, if the importation, offer to sell, sale, or use of the product occurs during the term of such process patent . . . . A product which is made by a patented process will, for purposes of this title, not be considered to be so made after?
(1) it is materially changed by subsequent processes; or
(2) it becomes a trivial and nonessential component of another product.
・"Bayer Did Not Infringe Patents on Pharmaceutical Screening Processes by Importing Information or Products Identified by Using Processes." IPO Daily News (Aug. 2003).
「電子多機能カード(electronic multi-function card)」の解釈が争われた結果、辞書の定義に従って「カード」を広義に解釈し、パームパイロットが特許権侵害していると判断し、非侵害とした地裁判決の破棄差し戻しを命じた。
クレーム解釈において明細書をどのように読むかは極めて難しい問題。明細書の記述をクレームに読み込んで狭く解釈することとは明確に禁じられているが、一方で出願人がクレームの文言を明細書中で定義することは認められているため、単なる実施例の説明なのか、クレーム文言の定義なのかを見分ける必要がある。このような場合に辞書の定義が最近多用されており、明細書や審査記録が辞書の定義に反しない限りは辞書の(広い)解釈が適用されている。
地裁では、上記カードに一般的なクレジットカードの寸法が必要と解釈されたが、CAFCは辞書の定義から平板で矩形状の部材と認定し、クレジットカードに限定されないとした。
情報元および関連情報:
・E-Pass Techs. v. 3Com Corp., No. 02-1593 (Fed. Cir. 2003).
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In order to construe a disputed claim term, we first seek the ordinary meaning of the claim term. Tex. Digital Sys. v. Telegenix, Inc., 308 F.3d 1193, 1202 (Fed. Cir. 2002). We resort initially to the relevant dictionary definitions to determine the ordinary meaning of the term “card.”[1] Id. Merriam-Webster’s provides a relevant definition of “card” as “a flat stiff usu. small and rectangular piece of material (as paper, paperboard, or plastic).” Merriam-Webster’s Collegiate Dictionary 172 (10th ed. 1999). Similarly, Random House provides a relevant definition as “a usually rectangular piece of stiff paper, thin pasteboard, or plastic for various uses.” Random House Webster’s Unabridged Dictionary 313 (2d ed. 1998) (“Random House”). The Oxford English Dictionary provides a relevant definition of “card” as “[a] rectangular piece of stiffened plastic issued by banks or other institutions, with information embossed or otherwise represented.” The Oxford English Dictionary, vol. 2, at 888 (2d ed. 1989).[2] The dictionary definitions provide no specific length, width, or depth measurements, nor do they refer to industry standard dimensions.
クレームの文言解釈に引用されている辞書は、メリアムウェブスター、ランダムハウス、オックスフォード。いずれもポピュラーなので、必携。
・"Federal Circuit Interprets Patent Claim so That “Palm Pilot” Devices May Infringe." IPO daily News (Aug. 2003).
・"The Patent Crib Sheet:CLAIM CONSTRUCTION"
知財協発行のテキスト「米国特許をうまく取得する方法」の改訂第3版が登場。米国特許取得のノウハウの塊のような実務家必読書。ラボノートの管理が参考になった。内容を要約したリファレンス版もある。何とかして本書を入手して読むべし。
情報元および関連情報:
・「米国特許をうまく取得する方法」日本知的財産協会(2003年8月)
1.specificationに注目
(update)
マイクロソフトが負けたということで話題になったhtmlブラウザのプラグイン特許に関する地裁判決。カリフォルニア大所有でオーラス(Eolas Technologies)社がライセンスを受けている米国特許5,838,906号の侵害で、5億2千万ドルの損害賠償が陪審により認定された。反マイクロソフトの風潮に沿う判決としてニュースになっており、明細書を書いた弁護士に至っては100万ドルの価値ある特許を1万ドルで書いてあげます、などと言い出す始末。
一方でブラウザのプラグインやアプレット、スクリプレットなどに関する技術を持つ会社では大変なことになったと大騒ぎ。W3C(World Wide Web Consortium)は今回の判決がW3Cの仕様書にどのような影響を及ぼすかを調査する戦略グループを立ち上げた模様。さらにオーラスの特許を無効にしようと再審査を請求した。またネット上で先行技術調査を呼びかけている。
情報元および関連情報:
・Eolas Technologies Inc. v. Microsoft Corp., No. 99 C 626 (N.D. Ill. 2003).
・"Jury Awards $520.6 Million Against Microsoft For Infringement of Web Browser Patent" 66 PTCJ (August 15, 2003).
・米国特許5,838,906号 Distributed hypermedia method for automatically invoking external application providing interaction and display of embedded objects within a hypermedia document
http://164.195.100.11/netacgi/nph-Parser?Sect1=PTO1&Sect2=HITOFF&d=PALL&p=1&u=/netahtml/srchnum.htm&r=1&f=G&l=50&s1='5838906'.WKU.&OS=PN/5838906&RS=PN/5838906
・Paul Festa, "W3C to study patent's threat to HTML." CNET News.com (September 24, 2003).
・Paul Festa,ZDNet/USA「脚光浴びる「先行技術」、IE特許問題の救世主となるか?」ZDNETエンタープライズ(2003年11月4日)
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...W3CはUSPTOに対し、「HTML+」に照らして、Eolasの特許を再審査するよう要請している(10月30日の記事参照)。この技術はEolas訴訟で先行技術に当たる可能性があるとして審理されながらも、証拠としては採用されなかった。
...USPTOが特許を再審査し、それを無効にすることはほとんどないが、先例がないわけではない。1994 年、USPTOは、コンプトンのNewMediaのマルチメディア検索技術の特許を再審査にかけ、無効とした。このほか、米電池メーカーEveready Energizerのマスコットのウサギを使ったスクリーンセーバーをめぐる議論が起こった際に、コンピュータディスプレイに表示される広告に関する特許が再審査され、無効となったケースもある。
・日本アイアール株式会社知的財産活用研究所US/EUのIPR動向研究会編「US/EUのIPR動向研究(第1回報告)(ソフトウエアパテント:その1)EOLAS社のブラウザーソフトの波紋」
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...大きな問題とみなされたのは、米国政府(その担当が特許商標庁;以下USPTO)が「何でもパテント」の戦略の下に、バカバカ特許を与えている「ソフトウエアパテント」の正当性に絡むものであったところにあります.世界中で何億という人が日々利用しているブラウザーソフトのような基本的なソフトに、はたしてパテントを与えていいものかどうか、既に大きな争点になっている「ソフトウエアパテント問題」という火に油を注ぐことになりました.
...同(2003)年10月30日: USPTOは長官命令(director order)として再審査を下命.*これはUSPTO発足以来過去159件しか行われていない、極めて特別の措置とのこと.
...同(2004)年2月25日: USPTOの担当審査官が暫定審査結果(preliminary findings)発表.EOLASパテントは無効(invalid)であり、誤って発効された(wrongly granted)と.
...USPTOのスポークスマンによると再審査の決着まで通常21ヶ月、といわれる長丁場です.
...カリフォルニア大学は、スタンフォード大学についで全米第2位で技術ライセンスを稼いでいる大学です.今回のお金が入ってきたら何に使うかまで書かれており、もっとも積極的な技術移転実践者の考え方が分かり、読んで面白いものがあります.大学ではなく、なんだか企業のような感じもします.
アメリカが2003年8月2日、世界知的所有権機関(WIPO)に加入書を寄託し、マドリッドプロトコル(マドリッド協定議定書)に加盟。標章の国際登録に関するマドリッド協定議定書第14条(4)(a)に基づき3ヶ月経過後の11月2日に効力が発生し、国際登録商標出願において米国の指定が可能となる。
情報元および関連情報:
・「マドリッドプロトコル(マドリッド協定議定書)への米国加盟について」日本特許庁(2003年8月)
・"Madrid Protocol: Final Rules" USPTO (September 26, 2003).
フェデラルレジスター掲載の米特許庁施行規則最終版。当然ながら11月2日施行。
細々とした改正が頻繁に行われている米特許庁規則(37 CFR)の最新版は、7月30日より施行。補正の仕方、電子出願などが変更されている。
業界先輩からの情報では、要約をクレーム解釈に使用しないという規定が、先のヒルロムCAFC判決を受けて削除されている。米特許庁の運用としても、要約に基づくクレーム解釈を禁止しないこととなったので注意。もっとも、以前から実務家の間ではそういわれてきたが。。。
情報元および関連情報:
・Consolidated Rules
最新版37 CFR
・Hill-Rom Co. v. Kinetic Concepts, Inc., 209 F.3d 1337, 1341 n.*, 54 USPQ2d 1437, 1440 n.1 (Fed. Cir. 2000).
米特許の品質改善のためのヒアリングが開かれた。ちゃんとトランスクリプトも動画も公開されているところがアメリカらしくて有り難い。
情報元および関連情報:
・"2003 PATENT QUALITY IMPROVEMENT HEARING" Subcommittee on Courts, the Internet, and Intellectual Property (JULY 24, 2003).
・US House of Representatives, Committee on the Judiciary
・「特許の質をいかに改善するか」NGB(2003年8月11日)
law.comより。米最高裁のホームズ判決により、CAFCの裁判管轄が危ぶまれているため、この判例を修正する法案の提出が議論されているというニュース。ホームズ判決では、反訴に特許法関連の争点が含まれていても、裁判管轄がCAFCの専属でないとされた。このため、CAFC以外の裁判所が特許事件を扱う可能性が出てきた。例えばGreen v. Hendrickson Publishers Inc., 770 N.E.2d 784 (Ind. Sup. 2003)では、州裁判所に著作権法および特許法の管轄権があるとインディアナ州最高裁が判示している。こうなると、有利な裁判管轄を求めるフォーラムショッピングが復活する恐れが危惧されるというが。。。CAFC弁護士会(Federal Circuit Bar Association)はエドワード・ライネス(Edward Reines)氏を委員長とするホームズ判決の調査委員会で、特許、植物品種改良保護、著作権、商標に関する事件の控訴審の管轄がCAFCにあることを確認するよう法律改正を連邦議会に提言している。
情報元および関連情報:
・Brenda Sandburg (The Recorder), "Patent Lawyers Fight Limits on Federal Circuit." Law.com (July 22, 2003).
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While the patent bar is fairly unanimous in its opposition to Holmes, antitrust lawyers generally think the ruling is beneficial for them. They have been critical of the Federal Circuit's reach beyond patent law and what many see as its tendency to have intellectual property law trump antitrust restrictions. One issue that has been contentious among patent and antitrust lawyers is whether a company's refusal to license a patent can be considered an antitrust violation. The Federal Circuit has made broad antitrust rulings "some of which are not related to patent law," said antitrust lawyer James Kobak Jr., a partner at New York's Hughes Hubbard & Reed. "It seems to us these issues should stay with the regional circuits."
Some IP lawyers are less concerned about the impact Holmes will have on patent law.
PCT-EASYのアップデートVersion 2.92 build0006(2003年7月版)がダウンロード可能に。Version 2.92 build0005をインストールした後にパッチを当てる。
情報元および関連情報:
・PCT-EASYウエブサイト
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1) ベルギー(BE)、セルビア・モンテネグロ(YU)、南アフリカ(ZA)の官庁名の変更。
2) 受理官庁ポルトガル(RO/PT)への出願言語にポルトガル語を追加(2003年7月1日より)。
3) 受理官庁リトアニア(RO/LT)によるPCT-EASY出願の受付。
4) 受理官庁ラトヴィア(RO/LV)への出願言語にラトヴィア語を追加(2003年5月30日より)。
5) 受理官庁アゼルバイジャン(RO/AZ)への出願言語にアゼルバイジャン語を追加(2003年6月5日より)。
6) 新たな締約国エジプト(EG)と国内特許の指定(2003年9月6日より)。
7) 新料金表。
8) その他のPCTアップデート。
あまり知られていないパテントホルダー(持ち特許証会社?)の利用とリスクに関する米国の論文。特許管理会社といえば、レメルソンとかリファックのようなパテントマフィアを連想するが、米国では中小企業が特許管理を委託するというアウトソーシング的な利用や、税制上のメリットから特許管理のみを目的とした別法人の設立がなされているらしい。ただし、特許権の移転によって権利主体が製造業務を営まなくなる場合、損害賠償額は実施料相当額に減額されるとか、差し止め請求ができないとか、訴訟の際の当事者適格が得られないなどの問題が生じる。
情報元および関連情報:
・Robert A. Matthews Jr. (The National Law Journal), "Patent-Holding Companies Hold Risks." law.com (July 18, 2003).
5月30日にフェデラルレジスターで公布された改正案が最終決定。本年2003年10月1日より、庁料金が値上げ。法改正を要する大幅値上げでなく、消費者物価指数に応じた小幅値上げ。
情報元および関連情報:
ラスタデータをベクトルデータに変換するWinTopoがバージョンアップ。特許図面の作成に大変便利。例えば設計図面から特許図面を作成する場合、DXFデータが入手できればいいが、紙の図面しかない場合、あるいはイメージデータしかない場合、これをCADで加工できるようにベクトルデータに変換してくれる。また図面化したい現物がある場合は、デジカメで撮った写真からベクトルデータに変換する際にも有用。もちろん、そのまま綺麗な図面が得られるわけでなく、元データの鮮明さによってそれなりの加工は必要であるが、馴れればトレース作業がかなり楽になる。
この手のベクトル化ソフトは業務用の高価なものが多く、比較的入手容易な価格帯での有名どころではアドビイラストレータのストリームライン等が知られていた(イラストレータは特許図面作成者に人気が高いようなので、一度は使ってみたい。曲線が簡単にかけるのとPDFも扱えるのが魅力)。また花子には、「イメージの図形化」コマンドがあり、線画や写真からベクトル図形を作成してくれる機能がある。花子の場合は、線画よりも写真の方が綺麗にエッジを抽出できる。
WinTopoはVer1.5無償版と24000円のVer.2.5プロフェッショナル版がある。プロフェッショナル版も試用可能であるが、ベクトルデータを一部分しかダウンロードできないので、本当に評価目的でしか使えない。ただ、無償版でもかなり使える(というか、プロ版を十分使いこなせない(^_^;))。基本的には、図面やFAXのイメージであればOne-touch Vectorization、写真から処理する場合は、前処理としてEdge Detection -Canny methodを使う。
なお、ダウンロードの際には住所や電話番号、メールアドレスなどの入力が必要。
情報元および関連情報:
・Welcome to WinTopo -Raster to Vector Conversion Tool
新特許庁長官に今井康夫経済産業省製造産業局長が着任。
情報元および関連情報:
久方ぶりにオリジン社のHPを除いてみたら、マイクロパテントになっていた(笑)。買収されたのだろうか。オリジン社は「ビジネスモデル特許戦略」の著者ケビン・リベット氏が設立した特許ポートフォリオのコンサルタント企業(だと思うが?)。この本、日本語タイトルがいかにも流行便乗商品という感じで日本ではあまり注目されなかったようだが、本当はビジネスモデル特許ブームとは無縁の、特許戦略に関するビジネス書である。原著は今でも米国で販売されている模様(アマゾンドットコム他)。
本の内容は、特許を効率的に使った経営戦略に関するものであるが、実はオリジン社のビジネスモデルの宣伝になっている。今となっては同社自身のビジネスモデルの妥当性が問われそうであるが。それは別として、近年特許の効率的運用が叫ばれているが、その特許管理・運用の方法自体を特許化することが可能かどうかを考えるにおいて、同社の取得した特許を覗いてみると、参考になるやもしれない。
結局ビジネスモデル特許ブームは何だったのだろう。ITバブル崩壊で、3,4年前に株価を賑わしたドットコム企業は淘汰され、残っているのは数社。しかし、これらの企業が出願した特許は山のように残った。強者どもの夢の後か?象の墓場か?
オリジン社の取得した米国特許を見ると、いかにもビジネスモデル特許的な特許が並ぶ。例えば米特許第6339767号の明細書は全266頁、クレームは126個、図面は180という冗談のようなもの。米国特許の年金はクレーム数に応じた割増がないので、3年半、7年半、11年半の年金さえ払っていれば維持できる。たとえ会社は破綻しても価値のある特許は資産として残せるのである。その価値判断は容易でないが。。。
ソフトウェア関連特許の明細書の書き方の参考資料としては、成立した特許公報が一番手っ取り早い。ブームは去っても、ソフトウェア明細書作成術の重要性は変わらない。日々是勉強である。少なくとも、特許管理ソフトの明細書としては興味深い。m−tiffファイルでダウンロードすると、ペイントショップでは読めないので(100頁まで)、ウィンドウズ2000等に付属のイメージング(ウィンドウズXPには付属せず)やIrfan等を使う必要がある。
情報元および関連情報:
・「スマートパテント社の特許cipで特許付与される」テクノデータリンク・トピックス(2002年3月1日)
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...米国の特許情報会社の著名な特許US5.991,751のcipで、US6,339,767が出てきました。WO出願もあります。日本では特公表2002-502529で公開されています。長文(469頁)ですが知財担当者は一度はご覧になってはいかがでしょうか。
大阪地方裁判所第21民事部(知的財産権専門部)のオフィシャルホームページ。カジュアルで読みやすい。東京地裁の知財専門部(29民、46民、47民)にこんなページはなかったように思う。
情報元および関連情報:
・「大阪地方裁判所知的財産権専門部の紹介」
http://courtdomino2.courts.go.jp/K_intro.nsf/27bcc822eaca15de49256b13000b8f60/36b152cae9b630a449256d4d002dfdd9?OpenDocument
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「覆面対談 知財訴訟の今と昔」審理の迅速化
...A 昔の知財訴訟は、早く結論を得るよりも、訴訟を維持することによって、原告被告以外の第三者の新規参入を防いだり、訴訟係属自体を相手方を牽制する宣伝に使うことが少なくなく、訴訟の迅速化の要請は、あまりなかったように思います。
B 時代背景としても、知的財産権の保護よりは、他人のまねをしてでも、とにかく製品を作って輸出すれば売れるという時代だったようですね。
A 知財訴訟のノウハウが現在ほど集積されていなかったし、当事者にも、訴訟のために準備が必要であるという認識が薄く、訴訟提起後にやおら資料の収集から始めるということも少なくなかったようです。
すでにサンプル版が配布されている。グレースケールJPEGが使えるようになったのは助かる。これで電顕写真等のイメージデータをディザリングしなくても、綺麗な図面が出力できる。その他、段落番号や項目名が変わる、プルーフが不要になる、SGML系からXMLフォーマットに移行、40文字×50行、イメージの最大サイズが大きくなる等々細かい変更点多し。
制限としては、半角カナ、丸数字、横倍角の使用不可、表はイメージ入力のみとなり、罫線素片での入力が不可となる等。5月の説明会や研修は出ておいた方がいいかも。
注意事項として、パソコン出願ソフト3では無視するタグに関する警告は少なくなり、テーブルや箇条書き以外は、警告されず無視される。また、枝番の付く項目については連番チェックはされない。【実施例n】、【図1−1】等。
外国語書面出願でPDFを追加できるようになったが、明細書、図面など文書毎に1ファイルとするとするか、全書類を1ファイルとするかのいずれかとなる。つまりGetIPDLなどでマルチページ化されたファイルを加工して使う場合は、書類単位でまとめ直す編集ソフトが必要となる。要するにアドビリーダだけでは対応できない。もちろん、元ファイルから作成するのであればアクロバットでなくてもより安価なPDF作成ソフトで対応できる。
情報元および関連情報:
・日本弁理士会研修所「パソコン出願ソフト3の概要について 質問:回答集」(平成15年6月30日)
実際上の質問が数多く挙げられており、非常に勉強になった。所々、今回の改正と無関係な質問や、ユニークな質問文が入っていて可笑しい。。。
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40×50文字は公報発行の短縮化等を実現するための手段として、明細書との共通化を図るため決められました。また補正書の印刷については、パソコン出願ソフト3においては補正単位での改行を行わないように改善されます。
(追記)
パソコン出願ソフトについて:
・図面イメージに300dpiが導入されたおかげで、横2007、縦3011dpi以上で切り込まないと、図が意図せず拡大されてしまう。この結果、図のデータ量が大きくなる。
・前回のパソコン出願ソフトで最も評価の悪かったと思われる「(接受されました)」との一文のみが印刷された紙が印刷時に毎回出てくる無駄がなくなった。
・「本番回線」でなく「予備回線」に設定しておくと、空いているらしい。特に毎週火曜日朝一(9時から10時頃)の「オンライン発送」渋滞時には効果的?
・図面にグレースケールJPGが使えるようになったのは便利。ソフトウェアのインターフェースや色付き図表が細部まで再現できる。これまではディザリングで誤魔化すしかなかったので、だいぶ図面が綺麗に出力できるようになった。
支援ソフトについての個人的クレーム。クライアントからの指示でオンライン納品を余儀なくされているが、使用している富士通製PPW2(アトムス系)は、有償バージョンアップしないとオンライン納品機能が使えない。「無償バージョンアップ」は何のため?必要な機能を削減して無償版提供??そんなトリッキーな仕組みには一言も触れずに???しかもこのバージョンアップ、7万円以上もするぞ!おまけに、不具合がいっぱい。購入の時点で報告されているパッチだけでもCD−Rで添付してくれるか、少なくともホームページからダウンロードせよとか何とか注意書きが添付されてもよさそうなものだが、そんな配慮は全く無し!前に「パソコン工房」で自作パソコンを買ったときは、マザーボード添付CD−ROMに入っているドライバの最新版を店員さんがわざわざダウンロードしてCD−Rに焼いたものをくれた。なんというサービスの違いか。またソフトには紙マニュアルもなし。さらにパッチは最終版だけ当てればいいように作ってくれても良さそうなものだが、順番に2つ当てろという。購入せねばならない者の足下を見た商売、久しぶりにむかついた。
特許法36条改正により、明細書と請求の範囲を分離する必要がある。その他、項目名や段落番号の付け方、スペースの数なども変更。7月に跨る出願は厄介。とりあえず8月中までは旧様式でもOK。
特許事務ツールマクロの最新版Ver 1.15は、旧書式から新書式へのコンバータが付属されており、便利。もちろん、【産業上の利用可能性】は自分で入力する必要があるが(多くの場合は自明なので省略可能。ただし試験方法などのように産業上の利用可能性が自明でない場合は明確にする必要がある。)
なお、分割出願の場合、提出日が7月1日以降であれば親出願が旧様式であっても新様式で行う必要がある。出願済みの案件の補正も同様!今回の改正は形式的なものであるから、そのように要求しても不当でないからという。
また、項目名の補正や段落番号を増減する補正は、全文補正で行う。
40文字×50行の書式は、特実と四法の納付書関係に適用されるが、それ以外の書面(審判系など)については従来通りの書式となる。
なお、特実とも出願番号の切り分けにより様式を区別可能としている。出願番号270,000を境とし、Xフォーマット(旧様式)で提出された願書には1〜269,999を、XMLフォーマット(新様式)で提出された願書には270,001からの出願番号を付与するとのこと。
段落番号の付与方法について、各項目の次段に変更されている。なお、【特許文献n】については、同じ段に文献名を挙げると共に段落番号を付加しない。
情報元および関連情報:
・Windows95/98/Me > ビジネス > 特許・実用新案・商標関係
・「特・実XML化に伴う出願番号の切り分けについて」日本特許庁(2003年6月)
6月30日までの期間限定でMSオフィスのアップグレードが割り引き。バージョン2003発表前に、次期バージョンアップサービス無しに旧バージョンを売り切ってしまおうという魂胆が見え隠れするが、普段の価格が理不尽なまでに高いだけに一応検討に値する。ただしオフィス2000以前のバージョンからのアップグレードなので、プレインストールされたオフィスXPパーソナルからのアップグレード版はない。パワーポイントだけ欲しいというユーザは多いと思うが、その場合は妙に高いパワーポイントのパッケージを買わされる羽目になる。
情報元および関連情報:
・Office XP Professional バージョンアップグレード
(リンクをクリックして頂いても、ウチに見返りはありません。念のため(^_^;))
最早ニュースにすらならなくなった(T.T)ネットスケープナビゲータの最新バージョン7.1が登場。大きいウェブページを自動的に縮小して表示してくれる機能などが追加された模様。また日本語ドメイン名にも対応。
情報元および関連情報:
・Challenge Netscape
・Reuters「『Netscapeの消滅は確実』――アンドリーセン氏」ZDNN(2003年7月2日)
日経エレクトロニクスより。TSMC(台湾積体電路製造)が米シンディア社(Syndia Corp.)の米国特許4,702,808号および5,131,941号非侵害の確認訴訟をカリフォルニア連邦地裁に提訴。問題の特許はレメルソン氏が出願したもの。例の審査懈怠理論が裁判所でどう判断されるか、注目。
情報元および関連情報:
・「再びLemelson特許現る,TSMCが特許非侵害を主張」係争と事例(2003年6月23日)
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...Syndia社はこのLemelson Partnershipから,現在33件の特許の独占的なライセンスを受けている。なお,Lemelson氏はSyndia社の創設者の1人である。
・Alan Cohen (IP Law & Business), "The Razor's Edge." law.com (July 17, 2003).
シンディア社が同社保有の特許をジレット社のカミソリ「マッハ3」、「マッハ3ターボ」、「ビーナス」が侵害しているとして、1千万ドルの損害賠償を得た記事。両者は既に和解。
なお、ジレット社が「マッハ3」に関して特許を得た戦略は、「ビジネスモデル特許戦略」(NTTデータ)でも紹介されていた。この記事ではジレット社の特許について一口コメントがあり、具体的なクレーム文言を取り上げて説明しているのでクレームのたて方として大いに参考になる。例えば、孔とか溝とか形のないものは特許の保護を得にくい(構成要件に挙げることができない)とされているが、"unobstructed rinsing region(無障害リンス領域?)"としている等々。
EPOのサイトでは以前より出願経過情報をオンラインで閲覧できるようになっているが、包袋閲覧も可能になった。出願番号もしくは公開番号で指定する。
情報元および関連情報:
・"Online File Inspection (Officially launched on June 18, 2003)" epo online.
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The European Patent Office's Online File Inspection service implements Article 128 of the European Patent Convention, according to which the public is entitled to inspect the complete contents of the files relating to all European patent applications after they have been published.
1.3 If you request inspection of a file that is not yet stored in electronic form, the file will as a rule be made available online within ten working days of entry of the application or publication number, unless it has already been destroyed (Rule 95a(4), (5) EPC). This does not apply to files with regard to which oral proceedings are imminent or have recently taken place. Entering a valid application or publication number is equivalent to requesting a file inspection. There is no need for a separate written request.
ロイター他で、米ハネウェル社(Honeywell International Ltd.)が日本ビクターをビデオカメラのオートフォーカスに関する特許侵害をミネソタ連邦地裁に提訴した事件で、損害賠償として3000万ドル(約35億円)の陪審評決が出されたと報じられている。今後、担当裁判官による三倍賠償有無の決定がなされる。誰もが思い出すのがミノルタの悪夢。ミノルタは陪審評決後、三倍賠償の決定がなされる前に評決額以上の金額で和解した。「日はまた昇る」ビクターにはミノルタの轍を踏まず、教訓から学んで踏ん張ってほしいところ。
情報元および関連情報:
・REUTERS, "Jury Awards Honeywell $30 Million." New York Times (June 13, 2003).
...A spokesman for JVC in the United States, Terry Shea, said on Friday the jury award does not change the company's position that it has not infringed on any Honeywell patents.
IPOニュースでセグウェイに関するニューヨークタイムズの記事が紹介されていた。「コードネーム『ジンジャー』セグウェイの裏側とディーン・ケイメンの新世界創造探求」(Code Name Ginger: The Story Behind Segway and Dean Kamen's Quest to Invent a New World.")という本の書評であるが、特許に関する話でなく技術論や技術者に対する洞察が面白いらしい。
情報元および関連情報:
・STEVE LOHR, "A Marketing Craze (and Oh, Yes, a Scooter)." New York Times (June 8, 2003).
...The book's great strength, however, is its deft depiction of the craft of engineering, and the engineering mentality. I would have preferred a deeper look at the animating technology behind the Segway and its lineage, and a few drawings to help visualize the technology.
...A college dropout, Mr. Kamen was a rich and renowned inventor before Segway, having made millions on creations including the first insulin pump, the first portable kidney dialysis machine and surgical stents used to prop open clogged cardiac veins and arteries...As he[Mr. Kamen] once said: science is about why; engineering is about why not.
米特許業界(に限らず日本でも)で高名なハロルド・ウェグナー氏がMs. Lynn E. Ecclestonとご結婚されたとのこと。おめでとうございます。今年1番のニュースかも(^_^;)
職務発明の問題は、特に「相当の対価」が注目されているが、そもそも「誰が発明者か」という問題をクリアしないと、権利の譲渡や対価まで辿り着けない。しかしながら、発明者の認定はかなり複雑で、日米で基準が微妙に異なっていたりするからややこしい。
特に米国で怖いのは、権利が共有に係る場合に共有権利者が有する「権利」である。日本においては他の共有権利者の同意を得ることなく持分を譲渡したりライセンスを設定することができない。しかし、米国では他の権利者の同意なく自由に持分の譲渡やライセンスが可能だったりする!このため、訴訟で訴えられた企業が、出願に名記されていない共同発明者を探しだし、この者からライセンスや持分譲渡を得ることができれば、被告企業は合法的な実施権を得ることになる。この戦略はエチコン事件で明らかになり、随分前に松本直樹先生のホームページでも紹介されていたので割と有名なはず。
要するに、発明者の特定、把握は非常に重要な作業である。同一企業内であればほとんど問題にならないし、日本の古い判例では譲受人企業が同一であれば発明者の正確な特定は重視されていない。しかし、もし発明が他社との共同研究の成果であったり、調査や試験を外注していたり、あるいは下請業者や製造委託、大学教授等のコンサルタントが存在すると、社外に共同発明者が存在する可能性があり、この者の名前が願書から漏れているおそれも出てくる。あるいは、企業を退職した元技術者や契約社員に被告企業が接触して、もしこの者が発明者であることが立証できれば(米のディスカバリー制度によれば十分可能)、極めて有効な抗弁となる。共同発明者であるには、いずれかのクレームに対して発明の着想に貢献しておれば足り、特にクレーム数の多い米国出願では該当する可能性が高くなる。仮に特許権者が問題のクレームを削除しても、共同発明者の削除や正しい発明者の特定に関する虚偽によって不衡平行為を認定されるリスクもある。
実際、特許に明記されていない発明者を「追加」するための訴訟が米国で増加しているとの報告がある。米特許法256条に規定される共同発明に関する訴訟であるので、256条訴訟(Sec. 256 claims;特許クレームでなく訴因の意味)と呼ばれるらしい。これによれば、一の製品を多数の特許でカバーしているような事例では、特許一件のライセンスでは意味をなさないが、一の特許のみで製品や市場をカバーしているような事例では大きな意味を持つ。256条訴訟増加の一因として、近年の技術の高度化、複雑化によって共同研究が増えたことや、和解金を狙ったいわゆる成功報酬形(contingency litigation)の訴訟を生みやすいこと等が挙げられる。実際、報酬が少ない発明者対大企業という構図は陪審の同情を引きやすいだろうし。
以上を考慮すると、発明者の特定に関する証拠固めが必須となる。なぜなら、発明者の証明は特許権者側に挙証責任があり、しかも明白且つ説得力のある証拠で証明せねばならないから。
情報元および関連情報:
・Matthew B. Lowrie (The National Law Journal), "Claims of Joint Inventorship Are on the Rise." law.com (June, 6, 2003).
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Potential joint inventors are lurking as subcontractors, manufacturers, testing outfits, research partners or even people engaging in chitchat at a cocktail party. When joint inventors do not have to assign their rights to one party, each has a joint interest in the patent. As a result, a defendant in a patent case can endeavor to find someone who arguably contributed to any claim in the patent, secure a license from that person for whatever they may have and use the license as a defense.
・University of Colorado Foundation Inc. v. American Cyanamid Co., 196 F.3d 1366 52 USPQ2d 1801 (Fed. Cir. 1999).
この事件では、社外(NIH?)の技術者と共同研究を進める前に出願書類が準備されていたことから、社外技術者が共同発明者でないとされたらしい。事実関係は相当複雑なので詳細未確認。
・Ethicon Inc. v. United States Surgical Corp., 135 F.3d 1456 (Fed. Cir. 1998).
・Frank's Casing Crew & Rental Tools, Inc. v. PMR Techs. Ltd., 292 F.3d 1363, 63 USPQ2d 1065 (Fed. Cir. 2002).
...We have explained that “if unenforceable due to inequitable conduct, a patent may not be enforced even by ‘innocent’ co-inventors. One bad apple spoils the entire barrel. Misdeeds of co-inventors, or even a patent attorney, can affect the property rights of an otherwise innocent individual.” Stark v. Advanced Magnetics, Inc., 119 F.3d 1551, 1556, 43 USPQ2d 1321, 1325 (Fed. Cir. 1997).
発明者の認定でもめて特許の権利行使が不能とされると、たとえ善意の発明者であっても被害を被ることになる。腐ったミカンの方程式ですな。
・Chou v. Univ. of Chicago, 254 F.3d 1347, 59 USPQ2d 1257 (Fed.Cir. 2001).
譲渡契約があっても、256条訴訟は可能。この分野は大学関係の訴訟が多いみたい。
・日本特許法32条3項(特許を受ける権利) 特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡することができない。
・日本特許法73条(共有に係る特許権)
1 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又はその持分を目的として質権を設定することができない。
2 特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定をした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができる。
3 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について専用実施権を設定し、又は他人に通常実施権を許諾することができない。
2003年4月15日に行われたパテントエージェント試験の問題及び回答を米特許庁ホームページで公開中。
情報元および関連情報:
・Office Of Enrollment And Discipline
再審査における改訂版ガイドラインが公布。特にポートラパッケージング判決による、審査段階で既に引用された引例に基づく再審査の禁止に対抗して、同じ引例に基づく再審査も可能となるよう改正されている。既に当事者系再審査も、特許庁審判部で敗訴した場合の控訴が可能になるなど使い勝手が改善されたことから、再審査の請求が今後増えるものと期待される。日本の無効審判並みになればいうことなしであるが、とにかく現状では米国特許は通りやすい一方、あまりにも潰し難く、それがため不本意なライセンスを締結せざるを得ない状況となっている。
情報元および関連情報:
・"Revised Guidelines for Usage of Previously Cited/Considered Prior Art In Reexamination Proceedings." USPTO (June 11, 2003).
同じく、米出願公開制度における例外として、外国出願がない場合の非公開請求に関する特許法の特許庁の解釈が表明されている。競業外国企業やサブマリン特許対策には一読の価値ありかも。
情報元および関連情報:
・"Clarification of the United States Patent and Trademark Office's Interpretation of the Provisions of 35 U.S.C. § 122(b)(2)(B)(ii)-(iv)." USPTO (June 11, 2003).
フェスト最高裁判決を受けて差し戻された事件の内、パイオニアマグネティックス対マイクロライナー事件について、CAFCはフェスト最高裁判決に基づいて再審理しても禁反言により均等論侵害は成立し得ないと判示。本件では、先日のロッキードマーチン判決よりも、より具体的に「予見可能性」について検討しており、興味深い。合議体は、メイヤー、ニューマン、ローリー判事。判決は比較的短く、ニューマン判事が反対意見を述べていないので(^_^;)、かなり明確と捉えられる。なお判決文起草者は匿名(PER CURIAM)。
本件特許権者のパイオニアマグネティックス社は、審査段階でクレーム中の「乗算器(multiplier)」を「アナログスイッチング乗算器(switching analog multiplier)」に減縮補正していた。これが特許性に関する理由でないとして、(1)代理人が不注意で(inadvertence)補正したとの宣言書を提出、(2)補正されたクレーム1は、問題の限定を含まないクレーム2〜6に組み込まれたと審査経過にある、(3)補正クレーム1が「スイッチング」に関する限定を含むと解釈すると、補正クレーム2と重複することになると主張した。
しかし、いずれも説得力無しとして、補正理由が特許性と無関係であるとはCAFCに認められなかった。まず(1)代理人の宣言書については、裁判中に提出された後出し資料でなく、特許出願審査における証拠のみに基づいて判断されるとした。そうでなければ特許出願資料の公示機能が失われてしまう。(2)「スイッチング」の補正理由が不注意であったことが審査記録から見出せない。意見書によればクレーム6を独立クレームにするためクレーム1を補正したとあるが、意図的にクレーム補正したのに意見書を直し忘れていた可能性もある。(3)クレーム2は他の要件を追加しているので、クレーム1と同一でない。加えて、自発補正であることは特許性無関係の理由にならない。
つまり、上記のような理由では均等論を主張できないということである。いいかえれば、本当に特許性に関係のない補正であるならば、審査記録中でその旨を明確に述べて記録を残しておかないと審査経過禁反言の論破(均等論の主張)は困難ということになる。
また、均等物を放棄していないことの立証については、引用文献が「スイッチングでない乗算器」を開示していたので、クレーム補正の時点で既知でかつ予見可能であり、また斯かる均等物をクレームしなかった他の理由は考えられないとして、特許権者は均等物を放棄した(推定を反証できない)と判示した。
やはり、均等論の主張は困難になったと考えるべき。
情報元および関連情報:
・Pioneer Magnetics, Inc. v. Micro Linear Corp., Nos.00-1012 (Fed.Cir. 2003).
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Pioneer contends it added the "switching" limitation through sheer inadvertence, unmotivated by any of the statutory requirements for a patent. To argue that its addition of the "switching" limitation was obviously in error, it relies on (1) the Beecher declaration, (2) the portion of its patent application stating that amended claim 1 incorporated claims 2-6 (which did not include the switching limitation), and (3) its assertion that reading amended claim 1 to include the "switching" limitation would be redundant of amended claim 2.
This argument is unpersuasive. First, we do not consider the Beecher declaration in determining the reason for the amendment to the claim. Only the public record of the patent prosecution, the p