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2000年版(b) 特許中心のショート・ニュースと噂とヨタ話と...
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走り書き程度で正式公開するには内容が不十分と思えるのですが、速報性等を考えて試験的にアップします。御意見を頂ければ幸いです。年表の作成を基本に始めたので、事件の日付順に列挙しています。ですから更新箇所はランダムです。
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(※完全に個人的な覚え書きです。裏を取ってないものや、他言無用の未確認情報故、内容は保証致しませんのであしからず)
更新:2003/11/19 元ファイル紛失のため、一部おかしな箇所あり...
最近のひとりごと 2000年4月以降の戯れ言
1998年のひとりごと 1998年のたわごと
IPニュース 1999年の最新ニュース
2000/10/06
1. ナップスターについて(作成中)
話題のMP3ファイル交換サービス、ナップスター(Napster)について今週号の日経エレクトロニクスで特集が組まれている。さすがに大変判りやすい。法律論には深入りしていない(というより、意味がない?)が、現状把握は十分にできる。米法律分野では最もホットなトピックであり、きりがないほど。
結局のところ、仮にナップスター社が業務停止の憂き目にあっても、次々と別のサービスが登場することは目に見えている。すでにナップスター以上の可能性を秘めた(?)グヌーテラ等の新サービスも登場しており、これらの技術をすべて法的に潰していくのは困難であろう。また、こういった新技術は過去の例を見ても、当初は法的な問題が争われながらも大概裁判で勝ち残っている。
だからといって、法を無視してやり放題ということにはならない。はっきりと法廷で白黒をつけていただければ、現実にどうやっていくかを議論することも容易になる。裁判を起こすのも早ければ決定も早いアメリカならではの、迅速で現実的な対処療法的な対応が見られることだろう。早い話、和解後にどうやって適切にサービスを継続していくかという現実論となる。日経エレクトロニクスもこの考えに沿って書かれていたように思った。
裁判に目を移すと、
1999年12月8日 全米レコード工業会(RIAA)がナップスターを著作権の寄与侵害(contributory copyright infringement)等でカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提訴
2000年7月26日 ナップスターに対しサービスを停止するよう仮処分がマリリン・ペイテル判事(Judge Marilyn Hall Patel)により命じれたものの、
2000年7月28日 仮処分命令が発効する数時間前に、仮処分決定に対するナップスター側の控訴を受けて仮処分の延期が決定された。請求の実体や差し止めについての最初の心証に重大な疑問があるためという。
裁判が劇的な展開を見せる中、10月2日、仮処分命令の妥当性を巡って第9巡回控訴裁判所にて口頭弁論(oral arguments)が開かれた。なおナップスター側の弁護に立ったのは、デビッド・ボイズ弁護士(David Boies)、司法省対マイクロソフトの独禁法違反訴訟で司法省側の弁護士を努めたミスター・アンチトラストその人である。
ボイズ氏はかの有名な最高裁判決、ソニー対ユニバーサル・スタジオ事件を引き合いに出してナップスターの技術が著作権違反でない旨を主張している。ベータマックスビデオの販売が著作権法に違反しないとされたソニー事件は、新技術に対する法規制の適否を議論するときに決まって引用される。ボイズ氏は、権利非侵害の使用が実質的に可能でさえあれば、たとえ権利侵害の使用が生じるとしても当該技術は違法でないと主張した。ボイズ氏の解釈では、ソニー事件により非侵害の使用は全体の使用の内主要部分でなくてもよいという。つまり、最高裁はソニー事件でいずれの使用が主従であるかといった個別の使用を問題にしておらず、非侵害の使用がどのように実現されるかを問題としているのである。これは特に本件のような技術革新が急激に変貌する分野では重要なことである。さらに、寄与侵害については特許法では条文で規定されているが、著作権法分野では制定法に定めれられておらず判例に基づく法理論であるから、このような理論に基づく法的責任の拡張は、最高裁が注意したように連邦議会の専権である。
関連情報:
・芳尾太郎,「Napsterを知らずして」,日経エレクトロニクス,2000年10月9日号,no.780
ナップスターやグヌーテラのアドレスを直接書いていないところが、らしい。十分煽っているように思いますが。
一方パソコン雑誌各誌では、ナップスターや類似サービスに関する多くの解説紹介が掲載されており、例えば
・金井哲夫「あのファイル交換ソフトを徹底検証!!ナップスター、グヌーテラ」週間アスキー(2000年9月12日)
日経エレでも紹介された合法サービス以外にも、「Angry Coffee」、「Freenet」等過激なサービスが紹介されている。
・Napster
ショーン・ファニング氏が開発
・John Borland,日本語版:中嶋瑞穂「『Napster』よりやっかいなオープンソースの『Gnutella』」CNET JAPAN TECH News(2000年4月11日)
・Gnutella
ナップスターと異なり交換フィルがMP3に限られず、あらゆるファイルを扱すことができ、さらに中央サーバー無しで完全にピアtoピア接続が可能。
・A&M Records Inc. v. Napster Inc., oral argument, No. 00-16401 (9th Cir. 10/2/00).
USPQに掲載なし
・"Napster Oral Argument in 9th Circuit Debates Internet Contributory Infringement.", 60 PTCJ 609 (October 6, 2000).
・Sony Corp. of America v. Universal Studios Inc., 464 U.S. 417 , 220 USPQ 665 (1984).
以下本件と直接関係ないが、別のソニー事件について(ソニーは米での訴訟に積極的!?)
・Sony Computer Entertainment Inc. v. Connectix Corp., 203 F.3d 596, 53 USPQ2d 1705 (9th Cir. 2000), review denied, No. 00-11 (U.S. 2000).
59 PTCJ 570 (2/18/00)
プレステをマック上でエミュレートするソフト「バーチャル・プレイステーション」の是非について争われたソニー対コネクティックスの裁判では、最高裁の上告不受理が決定。これにより第9巡回控訴裁判所の判決は確定。
互換性製品を製作するために途中でBIOSを複製することは、適法なリバースエンジニアリングの一部としてフェアユースと認められることに。参考までにセガ事件も引用しておきます。こちらでは商目的などの理由からフェアユースが認められていない。
・Sega Enterprises Ltd. v. Accolade Inc., 977 F.2d 1510, 24 USPQ2d 1561 (9th Cir. 1992).
2000/10/05
1. ビジネス方法特許、法案続報
詳細は表ページ参照。どう考えても今年は成立しない法案ではあるが。。。10月で米国は新会計年度に突入しており、間もなく連邦議会(日本でいうところの国会)は閉会する。連邦議会は現在106議会の後半(1会期は2年)で、去年はサンクスギビングデー前日に大混乱の中休会した。次会期107議会に再提出されれば、それなりに勝機もあるかも。
今年の焦点は、引き続き特許庁の予算について。現在、商務省、司法省、国務省を一括した予算案として審議中。上院案の法が下院案よりも特許庁割り当ての予算が大きいため、上院案を通過させようと躍起になっている。
予算案の支持を求めるIPOのレターを見ると、興味深いデータが示されている。現在、特許の質改善が重要な関心事になっており、例としてビジネス方法特許が挙げられている。特許出願の平均係属期間は2005年までに31.5ヶ月となり、1996年よりも52%も遅延すると予想されている。また商標登録出願については6ヶ月となり、目標とする3ヶ月の倍の期間を審査に要すると推定される。
関連情報:
・Kathleen Ellis,日本語版:大野佳子,合原弘子「米国議会に『ビジネスモデル特許』改正法案」WIRED NEWS(2000年10月3日)
・Kathleen Ellis, "Net Patent Bill Introduced.", HotWired News (Oct. 3, 2000).
・IPOがAIPLA等と連名で議員に送ったレター
・Julia Angwin, "Business-Method Patents Create Controversy.", The Wall Street Journal (Oct. 2000).
http://dowjones.work.com/index.asp?layout=story_ind_news&vertical=Professional+Services&industry=Law&doc_id=11036
法案とは無関係な、ビジネス方法特許に関する現状のウォールストリートジャーナル版リポート。
2000/10/04
1. サイバースクワッターとの戦い
ドメインは誰のもの?WIPOのドメイン紛争解決強化に伴い、多くの争いが起こっては解決している。
先頃話題になったのは、米国の男性がjal.comを取得したことに対し日本航空が訴えた事件。なんと、JALは敗れている。本名の頭文字がJALだったためとされ、本名には勝てないと報道されていた。
確かに多くの事件では、本名と全く無関係の有名ブランドや企業名の登録について争われ、多くはブランドを保有する企業側が勝利を収めている。最近ではゲームボーイの任天堂がgameb0y、トヨタがitoyotaなどのドメインを取り戻している。海外でもフォードなど、多くの企業が提訴している。
ドメインを取り戻すにはWIPOに訴える他、昨年成立した米商標法によることも可能である。いずれが良いかは一長一短であるが、WIPOの方が早くて安上がりな印象を受ける。損害賠償を大きく請求したければ、米国裁判所も一考。もちろん両方に訴えるのも可。
なお、先程イリノイ州連邦地裁はウェバー・ステファン・プロダクツ事件において、米国でのドメイン帰属については米連邦裁判所はICANN(International Corporation for Assigned Names and Numbers)のUDRP(uniform dispute resolution policy)の結論によって左右されないと判示している。要するにWIPO仲裁センター(WIPO Arbitration and Mediation Center)での裁定はドメイン名管理業者に対して有効なものであって、裁判所はこれに拘束されるものでないと述べている。これは単にWIPOの決定が法的に裁判所を拘束力するものでないことを述べただけで、理論上は異なる判断を下すことが可能であることを確認しているにすぎないと思われる。実際にはWIPOの決定は裁判において重要な資料として斟酌されるであろう。参酌の重みをどの程度置くかについては明言を避けている。もちろん、今回のケースは地裁レベルの判決であるので、他の裁判管轄において拘束力を有するものでもない。
関連情報:
・ジョン・M・カーソン他、新井克弘訳「インターネット・ドメインネームの先取特権に関する最新判決」国際法務戦略vol.IX-8(2000年8月号)
・「ICANNのドメインネーム処分は連邦裁判所に対して拘束力はない」JPAAジャーナル(2000年9月)
・Weber-Stephen Products Co. v. Armitage Hardware and Building Supply Inc., No. 00 CC 1738 (N.D. Ill. 5/3/00).
・DomainMagistrate from Network Solutions(R)
・Uniform Domain Name Dispute Resolution Policy
・WIPO Arbitration and Mediation Center
・Japan Airlines Company Limited v. TransHost Associates, JAL Systems and John A Lettelleir, Case D2000-0573 (WIPO Domain Name Dispute).
JAL事件の裁定内容。JALが登録者のイニシャルであり、このドメインのみを登録していたこと等に鑑みて、要件とされる「悪意」の立証が困難であったことが伺える。
...6.4 It is not disputed that JAL corresponds to John Lettelleir's real initials. It is also not disputed that the name was registered in 1993, considerably before the current wide spread commercial adoption of the internet. Furthermore it is not disputed that the jal.com name is the only domain name Mr. Lettelleir has registered. Faced with these facts it seems difficult (to put it mildly) to see how the Complainant can establish that the name was registered in bad faith. If the Complainant cannot establish this, it does not satisfy the requirements of paragraph 4(a)(iii) of the Rules and cannot succeed, irrespective of what has happened since the date of registration.
・Anticybersquatting act, Public Law 106-113, Appendix I, Title III
http://thomas.loc.gov/
・Banco Inverlat S.A. v. www.Inverlat.com, No. 00-640-A (E.D.Va. 9/8/00).
ジュリスディクションに関する別の争い
・Ben Charny,「ICANNドメイン公募,一番人気は『.biz』」ZDNN(2000年10月5日)
新しいトップレベルドメインの権利取得申請をICANNが受付
・「『日本語.com』可能に、米NSIが登録開始へ」日経バイト(2000年10月3日)
・Associated Press, "Yahoo! Wins 50 Domain Names From Alleged 'Cybersquatter'.", Boston.com (10/6/2000).
2000/10/02
1. ソフトの無断コピー
毎日新聞他。提訴のニュースであって判決でない。
「1600万円の損害賠償提訴:業務ソフトの無断コピーで」毎日新聞
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土木積算用コンピューターソフトのプログラムを許諾を得ずに無断で自社ブランドとして販売していたとして、ソフトメーカーのシビル・ソフト開発(埼玉県川口市)は2日、愛知県のソフトメーカーを相手に総額約1600万円の損害賠償と 専門紙への謝罪広告の掲載を求める訴えを浦和地裁に起こした。同社は、1999年に名古屋地裁に対し、愛知県のソフトメーカーが利用しているプログラムを確認するなどの証拠保全を請求。同地裁は訴えを認め、保全手続きを行った。その後、両社は和解交渉を進めてきたが金額の面などで折り合わなかった。このためシビル・ソフト開発は訴訟に踏み切った。
2000/09/29
1. 広告のすげ替えは違法か?
既存の広告をTV放送時に電子的に差し替えてしまう技術がある。例えば野球中継でフェンスに付された広告が見えるとき、これをデジタル処理して全く別の広告が表示されているように見せるものである。このような「バーチャル広告」の是非については倫理的、道義的な問題が問われていたが、今回、法律問題として争われることになった。
有名なニューヨークのタイムズ・スクエアでは毎年年末に大がかりなカウントダウンを行うことで知られている。前回は特にミレニアムだったので強烈な人手であった。この名所には多くの広告が並んでいるが、その中に三大ネットワークTV局の一つ、NBCのロゴがある。これを、ライバル局のCBSがニューミレニアムカウントダウンを中継する際、自局のロゴに差し替えてしまった。これに対し、元々の広告を表示していたビル側の広告代理店がCBSを訴えたと報じられている。ただし商標権や著作権が争われたものでなく、広告場所の価値が減じられたことによる逸失利益の返還を要求している模様。
情報元および関連情報:
・OTS Signs, LP v. CBS Broadcasting, No. 00CIV6688 (U.S. Dist. Ct. S.D.N.Y. filed Sept. 6, 2000).
・Janet L. Conleym, "CBS Sued in New Year's Logo Switch Times Square building owner claims network symbol used in TV shot obscured advertising.", Fulton County Daily Report (September 28, 2000).
http://www.law.com/cgi-bin/gx.cgi/AppLogic+FTContentServer?pagename=law/View&c=Article&cid=ZZZDK9UNNDC&live=true&cst=1&pc=3&pa=0&s=News&ExpIgnore=true&showsummary=0
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...The suit does not claim copyright or trademark infringement. Zoukis says the owners like to see the building's image reproduced, so long as it is done accurately. The building's reproduction on postcards and perennial appearance as the centerpiece of the city's New Year's celebration actually increases the value of the ads on the building, according to Zoukis. The suit claims that CBS placed an unauthorized advertisement on the building, in addition to obliterating the ads of paying customers, who, according to the complaint, now will be less likely to buy space. Zoukis says the suit seeks a share of CBS' profits for the virtual "ad."
2000/09/28
1.ドコモとAOL、日米巨人同士の結託
日経他。日本では圧倒的シェアを誇りながら、世界標準規格という面では完全に劣勢のNTT、世界進出に向けて様々な戦略を打ち出しているが、ここにきて巨人AOLと組むことを発表。強すぎる。。。98パソコンの轍を踏まないで勝ち残れるか?
情報元および関連情報:
・木村亮「NTTドコモが米AOLと世界戦略で提携」日経Biztech(2000年9月28日)
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NTTドコモは2000年9月27日、米America Onlineとの間で、移動通信網と固定通信網が融合した新しいインターネット・サービス「Fixed Mobile Convergence(FMC)」を共同で開発し、世界展開することで合意したと発表した。
...さしあたり日本で最初に実現を目指すサービスは、「AOLインスタントメッセンジャー」のiモード版と、「AOLアカウントの無料電子メールサービス」の開発と提供としている。提供時期について両社は明言を避けたが、具体的な動きは、契約締結手続きが完了する11月以降になるとみられる。
2000/09/27
1. 近道はダメ
日経他。司法省の申し立てた高裁審理スキップのファーストトラックは連邦最高裁に認められなかった。最高裁での直接審理請求(request for direct review)は9月26日、却下された。9人の最高裁判事の内、反対したのはブレイヤー判事(Justice Steven Breyer)のみ。同判事は迅速な審理が法的確実性を助成するとコメントしている。
これによりDC巡回控訴裁判所での高裁審理が決定。間近に迫った大統領選でもし共和党=ブッシュが勝てばマイクロソフト有利に。
情報元および関連情報:
・Mary Mosquera「MSの独禁法訴訟、最高裁が直接審理拒否」TechWeb News(2000年9月27日)
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米司法省と米Microsoftの独禁法違反訴訟で、連邦最高裁判所は米国時間9月26日に、連邦高裁を飛び越し、最高裁で直接審理を行いたいとする司法省の要求を退け、控訴審は高裁に送るという決定を下した。
...控訴審を巡っては、司法省側が、米国経済への影響が大きいことから、早急に審理が必要な場合に認められている特例法の反トラスト法促進法(Antitrust Expediting Act)を適用し、最高裁による審理を進めるべきだと主張していた。
・Microsoft Corp. v. United States, review denied, No. 00-139 (U.S. 9/26/2000).
・United Statesn v. Microsoft Corp., 84 F. Supp.2d 9, 54 USPQ2d 1365 (D.D.C. 2000).
(59 PTCJ 742, 4/7/00).
・"Supreme Court Petitions for Certiorari: Direct Appeal Denied In Microsoft Antitrust Case.", 60 PTCJ 595 (September 29, 2000).
2. インクカートリッジ訴訟は続く
インクジェットプリンタ市場でメーカー側は、プリンタ本体よりも交換用のインクカートリッジを売ることで利益を得る方向にシフトしている。逆に言えば他メーカーに作らせないことが重要になる。したがって特許権(場合によっては意匠も)、商標権などでこれを守るのが一般的な手法となる。
アメリカではこれに関して多くの判決があり、大変興味深い。メーカーの方々、商品名だけでなく型番の商標権主張をお忘れなく。
情報元および関連情報:
・佐藤昭彦「セイコーエプソン、特許侵害でエレコムなど提訴」日経Biztech(2000年9月27日)
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セイコーエプソンは2000年9月27日、エレコムとエステー産業を、インクジェットプリンタ用インクカートリッジの特許権を侵害したとして東京地方裁判所に9月25日付で提訴したことを発表した。エステー産業が製造しエレコムが販売しているインクカートリッジ6製品の販売差し止めと損害賠償を求めている。事件番号は平成12年(ワ)第19920号。
セイコーエプソンが特許権を侵害されたと主張しているのは、インクカートリッジに詰めるインクのナトリウムイオンを特定濃度以下にすることで、インク詰まりや印字のかすれの発生を防ぐインクカートリッジの発明(特許番号第2696828号)。インクカートリッジは樹脂や合成ゴム、添加剤などの素材でできており、室温以上の高温環境または長期間放置すると、インクのナトリウムイオンとカートリッジ素材が化学反応を起こし、糸状や針状の細長い結晶を生成する。この結晶がプリンタの微少流路に滞留すると、インク詰まりや印字のかすれが起こる。セイコーエプソンは、インクのナトリウムイオンを特定濃度以下にしたインクカートリッジを発明し、この特許は1999年5月に成立した。
...セイコーエプソンがインクジェットプリンタ用インクカートリッジの特許権侵害で提訴するのはこれが2回目。1回目は、販売元のパイロットと製造元のエステー産業の2社を、インクカートリッジの構造に関する特許権(特許番号第2563769号)を侵害したとして1998年10月27日に東京地方裁判所に提訴(事件番号平成10年(ワ)第24578号)した。両社とは2000年1月末に、対象製品の製造販売中止と和解金支払いを条件に和解している。
2000/09/20
1. ビジネスモデル特許の本
・弁理士会研修所実務総合研究部編著「弁理士が教えるビジネスモデル特許の本当の知識」東京書籍(2000年9月8日)1600円
正確で冷静な分析が端的に説明されている。このことだけで買うのはつらいが、ハブ&スポーク特許の日本での包袋が掲載されていたので買った。
情報元および関連情報:
・速報!!ビジネスモデル特許NEWS 6号
2. アップル、アマゾンからワンクリックのライセンスを受ける
アマゾンドットコム社のワンクリック特許に対処するために、採られた対策
1.ダブルクリックにする(バーンズ&ノーブル社は簡素なエクスプレス・レーンを中止し、"Two Click Shopping"を採用したらしい。なおワシントン州連邦地裁の使用差し止め仮処分はCAFCでの決定が出るまで中断されている。)
2.ボイコット等、批判や反対運動などのパブリシティで対抗(GNUプロジェクトやフリーソフトウェアファンデーションの創始者、リチャード・ストールマン氏は不買運動を展開)
3.ライセンスを受ける(今回のアップル。したたかな戦略)
4.ノークリックにする(ドッグバート)
・「Apple、Amazon.comから1-Click特許のライセンス受ける」日経BizTech News(2000年9月19日)
・「Apple,オンラインストアでAmazonの1-Click技術採用」ZDNN(2000年9月19日)
・Craig Bicknell,日本語版:藤原聡美,岩坂 彰「オープンソースのリーダーがアマゾンのボイコットを呼びかけ」WIRED NEWS(1999年12月18日)
・Dilbert Zone - The Official Dilbert Website by Scott Adams - Dilbert, Dogbert and Coworkers!.htm
風刺漫画ディルバート
3. 米特許庁長官、アジアでスピーチ
毎日新聞より。こんなこともニュースになるような時代になったのか。。。
どうでもいいけど、長官名をなんと表記したらいいものかいつも悩む。発音通りなら「タッド・ディキンソン」長官が正しい。しかし私は日本語表記はリーダーズ英和辞典に従うことにしているので、「トッド・ディッキンソン」で通している。
情報元:
・
「ネット時代の知的財産権保護強化を訴え 米特許商標庁、アジア諸国で」Mainichi INTERACTIVE インターネット(2000年9月18日)
4. NRIがネット特許サービスを大幅拡充:1989年分から収録
INTERNET Watchより。オンライン出願導入以前のデータも利用可能に
5. ビジネス方法特許の分類はファセット分類ZEC
国際特許分類でなく、日本特許庁が独自に行っている分類で「電子商取引に関する発明」としてファセット分類記号ZECが、今年4月から付与されているとのこと。
情報元および関連情報:
・「ビジネスモデル特許・はじめの一歩」
・「速報!!ビジネスモデル特許NEWS」2000/09/27号
2000/09/18
1. インターナショナルサイエンティフィック、提訴
読売新聞他。各紙で話題になっている同社の時限利用課金システムに関する特許(日本特許第2939723号および米特許第5,956,697号)について、警告書送付に続き、実際に3社を特許侵害行為の禁止を求める仮処分を東京地裁に申請。被告は無料ISPのゼロ株式会社(旧マスターネット)、ネット決済用プリペイドカードの株式会社ウェブマネーとビットキャッシュの3社。
同社のウェブを見ると非常に興味深い。正直、あまり洗練されてはいないし、訴えが認められる可能性は低いように思うが、特許権取得と行使に対する積極的な態度は学ぶべき点があるかも。
・インターネットウォッチ(2000年9月12日)
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...「ターミナルサーバと認証サーバ、認証データベース、課金サーバを備え、拡張認証データベースで管理されるクライアントの接続度数がゼロになるまでの間に限りインターネットの接続サービスを提供することを特徴とするインターネットの時限利用課金システム」に関する、いわゆるビジネスモデル特許。IS社は4月、ISP各社に対し「特許に抵触している可能性がある」とするメールを一斉に出しており、その後も対象を絞って同様の連絡をISPに送っていた。なお、この特許の出願にあたっては特許庁から、ユーザーIDやパスワード、接続時間の管理などはすでに行なわれていることとして拒絶理由を通知されているが、IS社がそれらとは違うシステムとして意見書を提出して特許査定を受けている。...
・提訴について
・インターネット時限課金特許非独占使用許諾契約書
・米国弁護士Loren A. Sutton
笑わせてくれます。
2. さらばネスケ。。。
ずっと愛用してきたネットスケープナビゲータであるが、そろそろ潮時かな、と最近思うようになった。ワープロは一太郎、ブラウザはネスケで頑張ってきたが、周りはどんどんIEとワードのマイクロソフト製品に移行していく。それはそれで気にならなかったが、今度新しく買ったノートパソコンではネスケ4.73がうまく走らない。本体の不具合なのか、ソフトと相性が悪いのか、全くわからない。ちなみに本体はNECのLaVieLC600J/34DAです。一太郎10もインストールしてますが、漢字変換はフロッピーに辞書をおいたかの如くハードディスクが一々回りだし、遅くなります。どなたか、この症状をご存じの方いらっしゃいませんか?
それにDIPという便利な公報ダウンロードソフトを使うようになり、IEを間接的にしろ利用するようになった。さらに仕事先でIEを使わねばらならくなり、使い方を習得する必要がでてきた。メールの扱いとか、ブックマークの管理とか、これだけでもネスケの先進的なアドバンテージは色褪せていないが、しかし周囲の要請には答えないといけないし、つらいところ。
情報元および関連情報:
・「Netscape Communicator」v4.75日本語版が公開 ”Brown Orifice”問題を修正、ブックマーク文字化け問題は修正されず」
3. 特許庁発送日
日本特許庁からの書類発送日は次の通り。
特許、実用新案に関する書類:火曜日
意匠、商標に関する書類:金曜日
審判に関する書類:火曜日、金曜日
優先権証明書:金曜日
・「審査に関する書類等の発送について」特許庁審査第一部方式審査第二課
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...特許庁においては、発送処理期間の短縮を図るため、発送日(火曜日および金曜日)が祝日の場合、その翌平日に発送することとし、平成12年9月18日(月)発送分から実施します。
2000/09/14
1. 米特許庁、新様式をアップ
米特許法施行規則改定に伴い、新様式のフォームが米特許庁ホームページにてアップされている。すべてPDF形式で無料でダウンロードできるので、実際に使用することはなくても向学のために見ておくとよいかも。
今回気付いたが、米特許庁認定の公式日本語宣言書が改訂されている。以前の日本語訳は明らかに特許関係者でない人間が訳したという感じで、「PTC」とか「私書箱」とか、結構間抜けな訳語が散見されたが、今回はそれらしく改められている。これならクライアントに送っても大丈夫!?
情報元および関連情報:
・"Patent Forms PTO/SB/05,16,17,18,19,22,29,30,31,43,45,50,56,61,64,65,66,61/PCT and 64/PCT have been modified due to recent changes in the patent rules. Other patent forms will be modified shortly.", USPTO (September 14, 2000).
・PTO FORMS
・PTO/SB/106 (Japanese Language Declaration) (2000/06)[3 pages]
PDF形式の「特許出願宣言書および委任状」日本語宣言書。本来のサイズはレターサイズだが、アクロバットリーダーがあればA4で問題なく印刷可能。イメージで記録されているので、英語環境でも読める。そのかわり編集はできない。
2. ラムバス、インフィニオンをドイツで提訴
係争と事例より。米Rambus Inc.が独Infineon Technology AGをメモリの高速化に関する欧州特許第0525068号を侵害したとしてドイツMannhieim地方裁判所に提訴。既に米国では提訴済み。
情報元:
・大久保聡「米Rambus社,独Infineon社をドイツでも提訴へ」日経BP係争と事例(2000年9月14日)
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...Rambus社は,Infineon社のほかに,同じく係争中の米Micron Technology Inc.,韓国Hyundai Electronics Industries Co. Ltd.をドイツMannhieim地方裁判所に提訴している。ドイツの裁判所は,一般的に米国の裁判所より審査期間が短いといわれており,Rambus社としては早期に結論を出したいようだ。
2000/09/12
1. レメルソンの特許は無効!?(修正)
最近の話題。サブマリン特許はラッチェス(懈怠)により権利行使不能とすべきかどうかがCAFCで争われる模様。IPOニュースなどによると、9月1日付の先例判決でない判決(unpublished opinion、今回はおそらく決定のみ)において、CAFCは上記争点に関する中間控訴(interlocutory appeal)を受理した模様。
確か以前にもフォード対レメルソン事件か何かで同様の主張があり、地裁では認められたものの、結局CAFCでひっくり返った。要するに、親出願で十分なサポートがある限り、継続出願を繰り返すことに違法性はないということだったと記憶している。さて今回はどうなるのでしょうか。レメルソン氏は1997年に逝去したが、同氏の特許はレメルソン財団の管理下にあり既に500件以上が成立している。しかも、未だ70件以上は出願係属中というからコワい話である。
情報元および関連情報:
・"FEDERAL CIRCUIT TO HEAR SUBMARINE PATENT ISSUE", IPO Daily News (Sep. 12, 2000).
...whether equitable doctrine of “laches” can bar patent claims... to the USPTO after unreasonable delay.
・Symbol Tech. Inc. v. Lemelson Med., Educ. & Res. Fndn., petition granted, Misc. No. 626 (Fed. Cir. 2000).
合議体:ミシェル、レーダー、シャル判事
シンボル・テクノロジー社がレメルソン特許につき、合理性のない継続出願の繰り返しによる遅延はエクイティ(衡平法)上のラッチェスに基づき無効(もしくは権利行使不能)であるから本裁判における請求は成り立たないと主張した模様。これに対するレメルソン側の却下申請が地裁に認められたため、当該決定の取り消しを求めてシンボル社側が控訴したもの。全米小売業者同盟(National Retail Federation)のアミカスブリーフも提出されている。
・"Complaint in Symbol Technologies, Inc. v. Lemelson" (7/21/99).
・"Federal Circuit Agrees to Hear Prosecution Laches", Lemelson Patents Online (September 1, 2000).
...issue of whether the Lemelson patents are invalid due to "prosecution history laches."
・"FORD MOTOR CO. AND LEMELSON PATENT DISPUTE SETTLED", IPO Daily News (JUNE 8, 1998)
"...an attorney associated with the Lemelson Medical, Education & Research Foundation LP and the estate of Jerome H. Lemelson announced on the Internet that an agreement has been reached with Ford Motor Co., General Motors Corp., and Chrysler Corp. to settle the well-known patent dispute that has been ongoing since 1989. In 1995, a federal magistrate made a recommendation, later reversed by the federal district judge, that the Lemelson patents should be held unenforceable because of undue delay by Lemelson in the USPTO. Last year, the Court of Appeals for the Federal Circuit refused Ford's request for an expedited appeal on the undue delay issue. Critics of the legendary Lemelson patents, some of which were in the USPTO for more than 40 years before grant, call them "submarine patents."
この訴訟は1989年に始まり、1998年6月5日に和解した。
※以下は本件と特に関係ないが、レメルソンに関する一般情報として
・Kevin Ferguson, "INVENTING WEALTH: Technolgy", Forbes.com (April 19, 1999).
・「年収5億ドル(600億円)の個人発明家ジェローム・レメルソン」
2. 三洋製WAP携帯の米国輸入差止を要求 米ジオワークス
毎日新聞より。ジオワークス社は9月11日、三洋電機製の携帯電話の米国への輸入差し止めを求め米貿易委員会に提訴したと発表。三洋製WAP端末に搭載されているフォン・ドットコム社のマイクロブラウザーが自社の特許を侵害していると主張しているらしい。詳細不明。
2000/09/11
1. ビジネス方法特許書籍、相変わらず出版ラッシュ
特許関係の本がこれだけ一気に本屋で平積みにされているのは珍しい現象では。しかし相変わらず内容的にはどれも似たり寄ったり。ああ、これも一過性ブームか、と寂しくなる。もっと深い斬新な、継続的で普遍的な洞察は出てこないのでしょうか。
個人的にビジネスモデル特許(日本特許庁は「ビジネス方法特許」という呼び名に決めたようなので、今後この呼び名に従います)を研究する資料としてお勧めできるのは、以下の二つで十分かと。。。
・ヘンリー幸田「ビジネスモデル特許」(日刊工業新聞社)950円+税
値段が安い、読みやすい、すぐ入手できるというのがメリット
・Kevin G. Rivette & David Kline, "Discovering New Value in Intellectual Property.", Harvard Business Review (Jan.-Feb. 2000).
これも安い。上記サイトで申し込めば無料で送ってもらえる。ハーバード・ビジネス・レビュー誌に掲載された英文記事で、同じ著者による「Rembrandts in the Attic」の要約版。ビジネスモデル特許中心でなく、特許戦略について書かれているもので、ビジネス特許に限らず特許活用の面で参考になる。事例が多く紹介されており、英語ではあるが割と読みやすい。
なおハーバード・ビジネスレビュー誌の日本語版はダイヤモンド社が「ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス」として出版している。問い合わせたところ、上記記事の日本語訳も将来掲載される予定らしい。
関連情報:
・Kevin G. Rivette, David Kline, "Rembrandts in the Attic : Unlocking the Hidden Value of Patents.", Harvard Business School Press (December 1999).
原書のタイトルは「屋根裏部屋のレンブラント絵画」、つまり屋根裏で埃をかぶっている高価な財産を、今こそ探し出して活用しようという意味が込められている。
・ケビン・リベット、デビット・クライン著「ビジネスモデル特許戦略」(NTT出版)1900円
上記の日本語版
・ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス
・今月号の知財管理でもミニ特集としてビジネス方法特許を取り上げていた。
個人的にはパテントマップソフトの使い勝手を比較した記事が興味深かった。
・「ビジネスモデル特許・超入門 2000年版」ダイヤモンド・早わかりブックス(2000年3月)520円
最も早くに出版されたビジネス方法特許の解説本。値段が安い分、本の厚さは大変薄くすぐ読める(アスキーの付録の方がもっと長い!)。内容的には割と正確で、基本は一通り押さえられている。本が出た後に特許庁発表とかで一部変わったところもあるが、大筋は変化していないな、最近出た本だからといってこの本より優れているということは必ずしもないな、と感じる。
IPDLを使った具体的な検索方法として、IPCのG06F(電子技術やその他計算方法に関わるもの)、Fタームの5B049(特定用途計算機)+産業分野コード(金融業はBB46)を指定する方法が紹介されており、これは参考になる。
・「ビジネスモデル特許と企業戦略」(エヌ・エイチ・エス)
本の発行は8月だが、内容は4月に行われた講演の採録。高い!
・"Panel Explores Validity of PTO Practices In Examining Business Methods Patents", Computer Technology Law Report, Vol. 1 No. 7 (August 4, 2000).
7月27日に開かれた米国でのビジネス方法特許に関する円卓会議のレポート。アメリカの学識者がビジネス方法特許をどう捉えているか、興味深かった。
例えば、ディッキンソン米特許庁長官(Q. Todd Dickinson、当時director?で現在は元のコミッショナー?)の「拒絶理由が見つからないと、特許するしかない」との言い訳ともとれるコメントに対し、ジェイ・トーマス(Jay Thomas)ジョージワシントン大学助教授は「疑義のある特許出願に対しては積極的に否定できる」とする最高裁判例を挙げて反論している。
・Chevron U.S.A. Inc. v. Natural Resources Defense Council, 467 U.S. 837 (1984).
・服部健一「日米ホットライン:日米欧特許庁はビジネス特許には『テクニカル・アスペクト』が必要と合意したが、米国で守られるかは疑問」発明Vol.97, No.10(発明協会・2000年10月)
上記討論について日本語で紹介されている。
・State Street Bank v. Signature Financial Group Inc., 149 F.3d 1368, 47 USPQ2d (Fed. Cir. 1998), cert. denied, 525 U.S. 1093 (1999).
・AT&T Corp. v. Excel Communications Inc., 172 F.3d 1352, 50 USPQ2d 1447 (Fed. Cir.), cert. denied, 120 S. Ct. 368 (1999).
・「ビジネスモデル特許 基礎と実践」日経コンピュータ別冊(2000年4月)9333円+税
おそらく最初に出た最もまともな本。多くの弁理士が執筆しており、内容は正確で充実している。しかし高い。
2. 内部証拠と外部証拠
PTCJより。ボストンで開かれた米法律家協会、知財セクションの定例会のレポート。色々あって面白いが、例えばバイトロニクス事件とピットニーボウズ事件の対比討論など興味を引く。
マークマン後判決後に出されたバイトロニクス事件で、クレーム解釈は内部証拠(intrinsic evidence)のみで十分との判決に対し、ピットニーボウズ対ヒューレット・パッカード事件では、技術に関する裁判所の理解が当業者の認識と一致していることを確認し曖昧さをなくすために外部証拠を参酌できるとの判示がなされている。
情報元および関連情報:
・"ABA-IPL Section Holds Annual Meeting in Boston.", 60 PTCJ No. 1481 (June 30, 2000).
・Vitronics Corp. v. Conceptronic, Inc., 90 F.3d 1576, 39 USPQ2d 1573 (Fed. Cir. 1996).
・Pitney Bowes Inc. v. Hewlett-Packard Co., 182 F.3d 1298, 51 USPQ2d 1161 (Fed. Cir. 1999).
3. シュリンクラップライセンス
シュリンクラップ契約についてのワシントン州法に基づく判決(契約問題は州法)。統一商事法典2条に基づき、契約は有効とのこと。
情報元および関連情報:
・"Shrinkwrap License for Computer Software Declared Enforceable Under UCC Article 2", Computer Technology Law Report, Vol 1, No. 2 (May 19, 2000).
・M. A. Mortenson Co. v. Timberline Software Corp., No. 67794-4 (Wash.Sup. Ct. 5/4/00).
4. フェアユース
何かと話題になったチケットマスター対チケット・ドットコム事件で、スパイダーによる自動情報収集は事実を得るためのコピーであるから「フェアユース」にあたるとカリフォルニア中部連邦地裁が判示。
情報元および関連情報:
・"Fair Use Permits Internet Spiders To Copy Web Pages to Obtain Facts.", 60 PTCJ No. 1488 (August 25, 2000).
・Ticketmaster Corp. v. Tickets.com Inc., No. 99-7654 HLH (BQRx) (C.D. Calif. 8/10/00) unpub.
2000/09/09
1. ハードディスクの特許問題(追加)
日経エレクトロニクスより。2000年7月12日、米コンボルブ社(Convolve)が大手ハードディスクメーカのシーゲート社とコンパック社を特許権侵害で提訴。同誌によればトレードシークレットの盗用なども訴因に挙げられている。技術的に詳しく紹介されていて興味深かった。
シーゲート社といえば本件と別にロダイム社に訴えられた事件があった。ミーンズクレームの解釈で重要な判示がCAFCに下されている。ただしこの件は本年1月に和解している。
情報元および関連情報:
・今井拓司,大久保聡「HDDメーカに波紋を広げる騒音低減特許」日経エレクトロニクス(2000年9月11日号)
・ロダイムPLC対シーゲート・テクノロジー社事件(CAFC判決:1999年4月13日)
Rodime PLC v. Seagate Technology, Inc., 174 F.3d 1294, 50 USPQ2d 1429 (Fed. Cir. 1999), cert. denied, 120 S. Ct. 933 (2000).
57 PTCJ No. 1422 (April 22, 1999).
合議体:ローリー、フリードマン(シニア)、レーダー判事
判決理由:レーダー判事
特許:第4,638,383号「マイクロハードディスク・ドライブシステム」"Micro Hard-Disk Drive System"
クレーム3、5、8:
positioning means for moving said transducer means between the concentrically adjacent tracks on said micro hard-disk, said positioning means including:
two support arms each supporting one of said read/write heads with each read/write head being mounted at one end of its respective support arm;
a pivot shaft having an axis located on one side of said support arms and spaced away from said support arms;
a positioning arm to which the other ends of said support arms are attached, said positioning arm having one end thereof coupled to said pivot shaft;
a bearing assembly supporting said pivot shaft for rotational movement thereby enabling said positioning arm to be pivoted about the axis of said pivot shaft;
a stepper motor having an output drive shaft;
means for operating said stepper motor in step increments; and
a tensioned steel band coupling said drive shaft of said stepper motor to the other end of said positioning arm, said band being arranged in a pulley arrangement whereby rotational movement of said stepper motor causes pivoting of said positioning arm about said pivot shaft for moving said support arms and the read/write heads in incremental steps with each increment causing said read/write heads to move from one track to the next adjacent track on said micro hard-disk.
争点:ポジショニング・ミーンズの解釈
判決:機能クレームでない
判示:機能クレームでない場合に、明細書の実施例をクレームに読み込むのは誤り
The word "means" is "part of the classic template for functional claim elements." Sage Prods. Inc. v. Devon Indus., Inc., 126 F.3d 1420, 1427, 44 USPQ2d 1103, 1109 (Fed. Cir. 1997). Accordingly, in determining whether a claim element falls within § 112, ¶ 6, this court has presumed an applicant advisedly used the word "means" to invoke the statutory mandates for means-plus-function clauses. See id. Two specific rules, however, overcome this presumption. First, a claim element that uses the word "means" but recites no function corresponding to the means does not invoke § 112, ¶ 6. See id. at 1427. Second, even if the claim element specifies a function, if it also recites sufficient structure or material for performing that function, § 112, ¶ 6 does not apply. See id. at 1427-28 ("[W]here a claim recites a function, but then goes on to elaborate sufficient structure, material, or acts within the claim itself to perform entirely the recited function, the claim is not in means-plus-function format."); Personalized Media, 161 F.3d at 704 ("In deciding whether [the] presumption has been rebutted, the focus remains on whether the claim as properly construed recites sufficiently definite structure to avoid the ambit of § 112, ¶ 6."); Cole v. Kimberly-Clark Corp., 102 F.3d 524, 531, 41 USPQ2d 1001, 1006 (Fed. Cir. 1996) ("An element with such a detailed recitation of structure . . .cannot meet the requirements of [§ 112, ¶ 6].").
the district court erred by importing the functions of a working device into these specific claims, rather than reading the claims for their meaning independent of any working embodiment. See Transmatic, Inc. v. Gulton Indus., Inc., 53 F.3d 1270, 1278, 35 USPQ2d 1035, 1041 (Fed. Cir. 1995) ("[T]he district court erred by importing unnecessary functional limitations into the claim."); Constant v. Advanced Micro-Devices, Inc., 848 F.2d 1560, 1571, 7 USPQ2d 1057, 1064 (Fed. Cir. 1988) ("Although the specification may aid the court in interpreting the meaning of disputed language in the claims, particular embodiments and examples appearing in the specification will not generally be read into the claims."). A claim need not claim every function of a working device. Rather, a claim may specify improvements in one function without claiming the entire machine with its many functions.
...To summarize, § 112, ¶ 6 presumptively applies to the "positioning means" in the asserted claims because that element employs traditional "means" language. In addition, the claim language links the means with a function, namely, moving the transducer between tracks on the hard-disk. Accordingly, to this point, the claim element would appear to fall within § 112, ¶ 6. The final step in the analysis, however, requires this court to determine whether the claim nevertheless recites sufficient structure for performing the moving function to take it outside the bounds of that provision.
なお本件では、独禁法上の問題についても言及されている。
原告ロダイム社は、被告シーゲート社が州法に基づく不公正競争に加え、独禁法違反の疑いがあると主張した。被告はライセンシー候補生である企業の担当者と会合を持ち、ロダイムの特許が無効であることと、万一訴訟になれば特許無効の確認訴訟で支援する旨を伝えていた。この結果、ライセンシー予備軍は原告とのライセンス交渉を中止している。
この主張に対し、被告は「ノエル・ペニングトン理論(Noerr-Pennington doctrine)」により保護されると反論した。ノエル・ペニングトン免責理論とは、合衆国憲法修正1条に基づく権利を行使し、共同で政府相手に補償を求める際は独禁法違反から免除されるというノエル・ペニングトン事件で確立された独禁法違反の免責理論をいう。本件では被告は特許庁や商務省に対し上申を行っていることと、訴訟で他企業の支援を受けていることを指摘した。
しかしながらCAFCは、被告はこの例外規定の適用を受ける適格がないとしている。
...Having already granted several licenses, Rodime began negotiations with Quantum Corporation and Western Digital Corporation. Seagate, upon learning of these negotiations, contacted both companies to dissuade them from taking licenses from Rodime. In the fall of 1991, Quantum, Western Digital, and Seagate met to discuss the '383 patent and Rodime's licensing offers. Seagate told both companies that if they were sued by Rodime, Seagate would support them by filing a declaratory judgment action. Shortly thereafter, Quantum and Western Digital ended license discussions with Rodime. A similar sequence of events took place the following year with Xebec Ltd., another potential licensee of the '383 patent. Xebec initially expressed an interest in taking a license from Rodime but, after discussions with Seagate, declined to take a license.
...Seagate contends that the Noerr-Pennington doctrine protects its meetings with others for the purpose of petitioning the PTO. That doctrine immunizes, under the First Amendment, solicitation of governmental action even though the sole purpose of the solicitation is to restrain competition. Seagate's contention fails for two reasons. First, Noerr-Pennington does not protect conduct which is otherwise unlawful. See Federal Trade Comm'n v. Superior Court Trial Lawyers Ass'n, 493 U.S. 411 (1990). As just noted, there is a genuine issue of fact as to whether Seagate's conduct was otherwise unlawful. Even assuming that Noerr-Pennington immunity applies, however, it would only protect Seagate's efforts to petition the government. Before the form factor meetings, Seagate's contacts with Rodime's potential licensees, again construed most favorably to Rodime, had nothing to do with petitioning the government.
Accordingly, this court vacates the district court's order granting summary judgment on Rodime's state law claims and remands for a trial on the merits.
2. RSA、ちょっとだけ早く特許を一般開放
1983年9月20日にマサチューセッツ工科大学(MIT)が取得した米国特許第4,405,829号「暗号通信のシステムと手法」は、RSAセキュリティ社が独占的ライセンスを受けていたが、登録から17年後の2000年9月20日に失効する。これに伴い同社は6日、特許権を放棄した「パブリック・ドメイン」とすると発表。
情報元および関連情報:
・「RSA公開鍵暗号方式がパブリック・ドメインに RSA、特許権放棄」毎日新聞(2000年9月7日)
・eWEEK/USA「RSA,期限切れを前に暗号特許をパブリックドメインに」ZDNN(2000年9月7日)
・"RSA Security Releases RSA Encryption Algorithm into PublicDomain"
3. ドメイン名の紛争解決、日本語可
毎日新聞他。世界知的所有権機関(WIPO)発表。
情報元および関連情報:
・「ドメイン名紛争の迅速処理のため機構改革へ:WIPO世界的な知的所有権の保護を進める」毎日新聞(2000年9月7日)
===================================
...WIPOの高木義幸・政策企画部長が6日明らかにしたところによると、日本では近く一つの企業が複数のページ名を登録したり、漢字などを使ったページ登録ができるようになる。...WIPOでは
(1)WIPO内の仲裁裁判所に日本語でも提訴できるよう翻訳などのサービスを充実させる
(2)同裁判所の日本人仲裁人(裁判官)を現在の3人から6−7人に増やす
――など対策を年内にも実施する。仲裁裁判所は、昨年12月発足。世界各国で専門家など500人の仲裁人を登録している。他人が勝手に名前などをホームページのアドレスとして登録した場合、仲裁人を選んだ上で、訴えることができる。裁判所はアドレス返還などを勧告し、応じなければ、ホームページ登録業者が登録名の取り消し措置などを行う。
4. ソニーのプレステエミュレータ問題
著作権法違反のみならず、特許法、トレードシークレット、不正使用とあらゆる手を使ってエミュレータを止めようとするソニーがどういう手を打ってくるか、非常に興味あるところ。
情報元および関連情報:
・「SonyとConnectix,来年3月に法廷でプレステエミュレータをめぐりふたたび対決」(2000年9月7日)
===================================
...Legge判事は,Connectixに対するSonyの訴えのうち,7つを退けた。Sonyの主張の2つだけが,陪審によって来年3月裁かれる。Sonyは,Connectixが企業秘密を濫用し,不当競争において有罪であると主張している。
...Sonyは,Connectixに対し,これもVirtual Game Stationに関してであるが未決定の別の特許侵害の訴訟も起こしている。Sonyは,この夏,元の訴訟における不正行為を指摘されたあと,Connectixに対する訴えを取り下げ,再提出した。
・梶原和典「何がシロで何がクロか プレステ訴訟の争点を検証」日経エレクトロニクス,154頁(2000年8月28日)
コネクティックス、ブリームとソニーとの訴訟について詳細に検討。特許、著作権法上の議論からフェアユースが認められた例、認められなかった例など、勉強になる。
4. MP3.comは苦戦中
MP3.com社はユニバーサル・ミュージック社(Universal Music Group)の著作権を故意に侵害したと連邦地裁で判示。損害賠償の判決は未だだが、総額1億1800万〜2億5000万ドル程度になるという。
情報元および関連情報:
・ロイター発「MP3.comに「CD 1枚当たり2万5000ドル」の損害賠償支払いの命令」NEWS BURSTS(2000年9月7日)
====================================
...MP3.comを相手にレコード会社各社が起こした訴訟では,既に今年4月,「My.MP3.comサービスは著作権違反である」との判断が下っていた。その後これまでに,Warner Bros,Sony Music,BMGおよびEMIGroupの各メジャーレーベルがMP3.comと和解に至っている。Universalのみが例外で,先日,公判に突入し,このほど判事がMP3.comによる意図的な著作権法違反を断定したもの。
2000/09/08
1. 米特許庁、新規則最終版を公布
米特許庁が「パテントビジネスゴール」を目指すべく昨年末に発表した改正規則案を修正した最終決定版の施行規則が、フェデラルレジスターに掲載されている。特許庁を現在よりももっと「現実のビジネスに即した機関」に変更するための、詳細な規則改正が行われている。例えば継続出願におけるIDS提出は親出願の出願日からCIP出願日までの間に利用できるようになった文献を提出することになった。
情報元および関連情報:
・"Patent Business Goals: Final Rule", 65 Fed. Reg. 54604 (September 8, 2000).
PDF形式で全81ページ。
・"Final Rulemaking Is Issued To Implement PTO Business Goals" 60 PTCJ 395 (September 15, 2000).
2000/09/06
1. インテル対ブロードコム
日経係争と事例より。転職者のトレードシークレット盗用問題は厄介で、インテルやウォルマートのような超大手でも手こずっている。他社ごとと思わずに何らかの対策が必要。
情報元および関連情報:
・大久保聡「Intel社,Broadcom社を特許侵害で提訴,2社間の係争は第2幕へ」係争と事例(2000年9月6日)
===================================
...米Intel Corp.は,米Broadcom Corp.を特許侵害で米国Delaware州の連邦地方裁判所に提訴した。関連する特許は米国特許番号4975830,5894410,5134478,5079630,4823201の5件...Intel社とBroadcom社との係争は,Intel社の技術者がBroadcom社に転職したことに端を発する。Intel社は,Intel社の機密情報がBroadcom社に漏れたとして,Broadcom社を2000年3月に米国California州のSan Joseにある裁判所に提訴した。しかし,2000年5月の判決において,裁判所が機密情報の漏洩の有無について判断を下さなかったため,Intel社は今回の提訴に至ったという。今回の提訴で問題となった特許は,Broadcom社に移った元Intel社の技術者がIntel社に在籍中に開発した技術である。
2000/09/04
1. 懲罰的損害賠償100万倍
マイクロソフトに対して100万ドルの懲罰的損害賠償支払を命じる判決がでたことが、かなりセンセーショナルに報道されている。特許事件ではいわゆる3倍賠償として知られる懲罰的損害賠償制度であるが、今回コネティカット州地区連邦地裁は悪質であるとして、陪審評決1ドルに対し文字通りミリオン(100万)倍の懲罰的損害賠償金100万ドルとし、さらに独禁法違反の再審理を命じた。当然マイクロソフトは控訴する意向。これはちょっと極端、法的根拠(もしあれば)が知りたいので判決文読みたい。。。
本件はマイクロソフトがブリストル・テクノロジー社(Bristol Technology)にOS関連の必要な情報を開示せず、「悪意のある無謀な」詐欺的対応をしたと認定されたもの。ブリストル社は、ウィンドウズ用ソフトを他のOSでも走らせるソフトの開発していた。しかし1997年の契約更新時にマイクロソフト側は、ソフト開発に必要な情報提供を拒否したため、ブリストルが提訴。1999年7月、陪審は反トラスト法違反を認めなかったものの、コネチカット州法の不正取引防止法違反として名目的な損害賠償として1ドルを裁定した。これについてブリストル側は懲罰的損害賠償を申し立てていたもの。先日のゼロックス事件やインテル事件でもあったとおり、特許権者が競業相手に対し異なった対応をしたことが問題になっている模様。
情報元および関連情報:
・「マイクロソフトに100万ドルの懲罰的損害賠償 米地裁判決」毎日新聞(2000年9月4日)
・WSJ Interactive Edition「Bristolsの訴訟でMicrosoftに厳しい裁定」ZDNN(2000年9月2日)
リンク集が嬉しい。
・反トラスト関連の用語集
・法律の新しい最前線:コンソーシアムとナップスター
2. ナップスター映画版
ZDネットより。音楽に限らずビデオなどの動画ファイルも交換できるScourは、本年7月に米映画協会などの3団体から提訴されている。
情報元および関連情報:
・「“シネマ版Napster”のScour,大幅な人員削減」ZDNN/USA(2000年9月2日)
2000/08/18
1. 欧州特許条約の改正法案
インターネット・パテント・ニュースより。欧州特許庁が欧州特許条約の改正案を発表しており、以下のサイトから入手できる。PDF形式で253ページもある。
情報元および関連情報:
・"Basic proposal for revision of the European Patent Convention.", EPO - Diplomatic Conference 2000 (17 Aug 2000).
・"Notice from the President of the European Patent Office dated 24 March 2000 concerning revision of the European Patent Convention.", OJ EPO 2000, 195.
EPO notices from the president (05 May 2000).
2. 102条(e)に関する考察(作成中)
其の一
再度、マイナーチェンジした改正案が審議中
其の二
PCT国内段階移行とPCTバイパス出願、どちらがお得?
やはりバイパス継続出願がお勧めという説。低額であること、日本語明細書の逐語訳でなくてもいいこと、等が理由。
3. 最高裁へ上告中
其の一 半導体エネルギー研究所対サムスン電子
IDSとして提出した日本公開公報の部分翻訳を提出したことにより、未翻訳の重要部分を隠したとして半エネ研の不衡平行為が認定されたCAFC判決に対し、最高裁に上告されている。最高裁が取り上げる可能性は低いと思われる。
CAFCでの判決は関係者の話題になった。半エネ研はCAFCでは敗れたものの、相変わらず積極的に裁判を仕掛けている。日本では同じ相手方に対して仮処分を認められているし、先日も別件で新たに提訴していた。
関連情報:
・Semiconductor Energy Laboratory Co. Ltd. v. Samsung Electronics Co. Ltd., 204 F.3d 1368, 54 USPQ2d 1051 (Fed. Cir. 2000), review sought, No. 00-127 (U.S. 2000).
・"Submission of Untranslated Japanese Patent Application Was Inequitable Conduct", 59 PTCJ No. 1465 (March 10, 2000).
この事件ではRICO法(Racketeer Influenced and Corrupt Organizations)違反もサムスンが主張していたが、結局認められなかった。これに対しサムスン側も上告を申請している。
・Samsung Electronics Co. Ltd. v. Semiconductor Energy Laboratory Co. Ltd., 204 F.3d 1368, 54 USPQ2d 1051 (Fed. Cir. 2000), review sought, No. 00-138 (U.S. 2000).
其の二
ゼロックス事件
特許権、著作権等の権利者が特定の業者にライセンスしないことは独禁法違反か?大いに議論されて話題になったこちらの事件は、高裁レベルで判断が分かれてしまったので、最高裁が取り上げる可能性はある。
2000/08/17
1.日本の知財判決集、検索機能をテスト公開中
知的財産権判決速報コーナーに、新たに知的財産権裁判例集コーナーが新設され、8月17日からテスト公開が開始されている。
知的(無体)財産権関係民事・行政裁判例集に登載された裁判例、平成11年1月から6月までの主要裁判例、および平成11年7月以降に知的財産権判決速報コーナーに掲載された裁判例が掲載されている。速報コーナーでは省略されていた判決別紙の表や図面等も原則掲載!
さらに嬉しいのは検索機能。
掲載範囲は
・知的(無体)財産権民事・行政判例集(昭和44年から平成10年まで刊行)に掲載された判決等
・平成11年1月から6月までの主要な判決等・平成11年7月以降,最高裁ホームページの知的財産権速報に掲載された判決等(現在速報コーナーに掲載されているものを除く)
2000/07/31
1. ナップスター、差し止め命令に続き続々と和解
・「EMIとMP3.com、著作権侵害係争で和解」日経BizIT USニュースフラッシュ(2000年7月29日)
2. ラムバスも続々ライセンス
・大石基之「東芝,日立に続き沖がRambusと特許契約,背景に売り手優位のDRAM市場」日経マイクロデバイス(2000年7月28日)
2000/07/25
1. レメルソン財団、地裁で勝訴
IPOデイリーニュースによれば、ネバダ州裁判所で争われているUSメタルズ・リファイニング社(U.S. Metals Refining Co.)対レメルソン財団事件は却下されたと7月24日付ナショナル・ロー・ジャーナルで報じられている。この事件では、レメルソン氏の取得した特許権の帰属先について争われており、レメルソン氏がある会社に勤務していた際の発明譲渡契約の類を根拠に、氏の発明は会社のものであるとUSMR社(会社の吸収合併先)が主張していた。USMR社は控訴する意向。
情報元および関連情報:
・IPO DAILY NEWS (JULY 24, 2000).
・National Law Journal (July 24, 2000).
・"Reno Judge Dismisses US Metals Complaint", Lemelson Patents Online (July 07, 2000).
レメルソンに関する情報収集サイト。裁判所命令をPDF形式でダウンロード可能。
2000/07/20
1. 米特許庁、ビジネス方法特許に関するホワイトペーパーを発表
米特許分類705、「自動化された金融・管理データ処理方法」に関する歴史的背景など、米特許庁の公式見解が米特許庁のホームページ上で発表されている。
情報元:
・"White Paper: Automated Financial or Management Data Processing Methods (Business Methods)", USPTO (July 19, 2000).
2. 日本語版「屋根裏部屋のレンブラント作品群」
NTTデータが和訳した日本語版のケビン・リベット他著「Rembrandts in the attic」(ハーバード・ビジネスプレス刊)、邦題「ビジネスモデル特許戦略」を読んだ。やはり日本語は読みやすい。これで1900円はかなりお買い得。原書は定価27ドル50セントだから(アマゾン・ドットコム等で買えば安く入手できますが)、翻訳版の方が原版より安いのです。しかし、苦言を少々。。。
まず、翻訳の質はOKのレベルだけど、優秀ではない。専門家の校閲を受けていないことがよくわかる。例えば特許の「公告」とか、National Law Journalを「国内法ジャーナル」と訳していたり。かなり楽しみに待っていただけに、ちょっとがっかり。なぜ特許法に詳しい専門家の監修を付けなかったのか。弁理士先生の中にも例えば松倉秀美先生のようなこの分野に長けた方がいらっしゃるのに。「法律の本でなく、ビジネス書」であると謳っていますが、実務家も読みたいと思うし、いずれにしても内容が正確であることは重要だと思う。
次に売り方。「ビジネスモデル特許戦略」というタイトルからして、いかにも流行ものの便乗企画といったいかがわしさが漂う。確かに「ビジネスモデル特許」の話も少し出てくるが、あくまで内容は特許戦略の話なのである。今日のビジネスモデル特許ブームに乗せられて、企業の管理職が知的所有権の重要性を認識し始めたことはとても意義のあることだと思う。しかし、本質を見誤ってはならない。一時のブームとしてでなく、長期的戦略の視野に立って、特許の有効活用とそのための企業戦略を考えていかなければならない。そのための示唆を、この本は与えている。多くの実例を挙げて、専門家以外の人間に極めて判りやすく書かれている。それなのに、「ビジネスモデル特許」の本であるようにして売るのはどうかと思うが。本を売るという商売からすれば、ブームに便乗しようとする戦略は理解できる。それはいいとしても、もうちょっと工夫するとか、何かなかったのかと思う。要するに、あまり覇気が感じられない。アスキー出版は"They all laughed"を「あっ、発明しちゃった」と訳した。このくらいのひねりが欲しいところ。ついでに言えば装丁も地味。絵画をコラージュした原書の表紙をなぜ使わなかったのか。
ところで、内容についての感想ですが、法律書でなく読み物として、企業の特許部や経営陣が認識しておくべき現状が解説されています。要は、休眠特許を活用しよう、自社でマーケティングしない技術については他社にライセンスして収入を上げよう、重要技術を特許で固めるポートフォリオ戦略を実践しよう、そのためには不要な分野の出願は止めて特許も放棄しよう、企業の戦略と特許部の進むべき道を明確にしよう、特許の会議には経営陣の判断が反映できるように、好ましくは同席してもらおう、管理職は特許の重要性を理解しよう、これらの問題は特許部や代理人だけに任せるべきでなく、自社の経営戦略に重要な問題であることを理解しよう、ということと理解しました。
なお、原著者はオリジンシステムズという特許戦略をサポートするコンサルティング会社を運営しています。いわば、この本自体が同社の宣伝のようなもので、そこら辺は割引いて読まねばなりません。例えば、同社の有する特許分析のためのソフトウェアが、本文中に頻繁に登場します。どうやら、米特許公報に記載されている引用文献の情報をもとに統計的に分析するツールのようです。これだけで本当に使えるパテントマップが作成できるのかは疑問ですが、機械的に処理させようとすればそのくらいしかできないでしょうね。日本特許庁が作成した「特許マップ」シリーズ(発明協会刊)のようなものには到底できなくても、そこそこ使える程度にはなるのか、ちょっと興味あるところです。
閑話休題。読みたい本がいっぱいあるが、なかなか時間がとれないですね。ジョン・グリシャムの新作"The Brethren"(邦題は「裏家業」?)とか、読んでみたいけど。友人のアメリカ人の話では、ジョングリシャムの小説は言葉が簡潔で読みやすいらしい(もちろん、英語版の原書の話ですが)。しかも彼は元々法律家なので、言葉の選択も正確だと。専門用語でなく普通の言葉で正しく簡潔に表現していると。本当でしょうか。
関連情報:
・ケビン・リベット、デビット・クライン著「ビジネスモデル特許戦略」(NTT出版)1900円
・John Grisham, "The Brethren"
http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0385497466/harapanmediatech/104-7912285-3784725
2000/07/19
1. スパム規制法 米下院で可決、発信人のアドレス記載を義務づけ
毎日新聞より。
2000/07/17
1. ビジネスモデル特許関連
・本庄武男「ビジネスモデル特許に国際的指針を」
・「特許庁、ビジネスモデル特許の審査基準公表へ」読売新聞
特許庁は「ビジネスモデル特許」の具体的な審査基準を月内にも公表する方針。
・「反発強まるビジネスモデル特許・独禁法規制とのバランス焦点に」
・日経ネットブレーンで特集記事。なかなか実務的で面白かった。ホームページ上でもQ&Aが掲載されている。
・柳竹彦「元・米特許庁審査官の弁護士に聞く米国のビジネスモデル特許事情」日経ネットブレーン
・インタビュー
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「...それに,ビジネスモデル特許なら何でも出す時代はもう終わった,と思いますよ。」
・「日経BP, Find'X:ビジネスモデル特許内の収録サイト情報」
・Associated Press, "Online Patents? You ARE on Drugs: Patents a Real Player in Cyberspace"
2. 米国政府の情報サイト「firstgov.gov」が今秋本格オープン
日経より。
3. ナップスター問題
・Charles Cooper「Napster問題とミュージシャンの誤解」ZDNet/USA(2000年7月14日)
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...ケーブルテレビC-SPANのカメラは,料金なしで宣伝できる場をせいいっぱい活用しようという政治家たちの相変わらずのスタンドプレーを映し出した。
・「MP3交換はビデオ録画と同等?」ラディーカ
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...Napsterが、家庭用VTR訴訟を引き合いに出して、合法だと主張した。
同社は、米レコード協会などとの裁判での反論書の中で、MP3コンテンツは音楽業界に不利益をもたらさず、むしろCDの売り上げに貢献しているとしている。
4. 商標
・毎日新聞「<商標登録無効訴訟>認めなかった特許庁審決を取り消す 最高裁」yahooニュース(2000年7月11日)
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...名古屋市の紳士靴メーカーを相手にフランスの有名ファッションメーカー「パルファン ニナ リッチ」が商標登録の無効を求めた訴訟の上告審判決が11日、最高裁第3小法廷であった。奥田裁判長は、商標権の保護について広くとらえる初判断を示し、登録を無効と認めなかった特許庁の審決を取り消した。
2000/07/07
1. 半エネ研、サムスンを再度提訴 今回はネットによる越境問題
日経より。
情報元および関連情報:
・高橋史忠「半導体エネルギー研究所がTFT液晶特許で韓国Samsung Electronics社を提訴」
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半導体エネルギー研究所(SEL)は2000年7月7日に,同社が所有するTFT液晶パネルの製造特許を侵害しているとして,韓国Samsung Electronics社と日本法人の日本サムスンを東京地方裁判所に提訴した。
...今回,SELが侵害を主張している特許は「半導体装置(特許番号第3052131)」で,TFT液晶パネル製造時の酸素添加物や炭素添加物に関するもの。
...越境問題に注目集まるSELは今回の提訴で,Samsung社が海外のWWWサーバを使った日本の顧客への宣伝・販売行為をしないことを求めた。SELによれば,Samsung社は提訴の対象となったカラーTFT液晶モニタをインターネット上で宣伝・広告しているだけで,販売はしていない。しかし,仮に同液晶パネルを輸入し,インターネットで販売している日本サムスンの行為が禁止されれば,Samsung社が日本国外のWWWサーバを使って販売を始める可能性が高い,というのがSEL側の主張である。基本的に特許権は,その法律のある国内でしか通用しないが,ここ数年のインターネットの普及で国境を越えた知的所有権侵害の問題は大きな問題となっている。今回の訴訟では,インターネットを利用した販売や宣伝行為に関する裁判所の判断になりそうだ。
SELはSamsung社のTFT液晶製品に関して,これまでに5件の特許侵害訴訟を提起しており,今回が6件目となる。うち2件では,販売差し止めの仮処分が出ている。SELは6度目の訴訟に至った経緯を,「すでに一部で敗訴しているにもかかわらず,Samsung社は型番やデザインを少し変えて新製品を出してくる。ここにきて,新聞や雑誌などで侵害品を堂々と宣伝するなど目に余る行為が続いた」(同社代表取締役の山崎俊平氏)としている。
※※※先月から今月にかけてのトピックをフラッシュでお伝えします※※※
ナムコとコナミが和解
音ゲーとプロ野球ゲームに関する特許権侵害の問題について両者が和解。H o t W i r e d J a p a n3粒の小ネタより。
・「知的財産権係争事件に関する合意について」株式会社ナムコ,コナミ株式会社(平成12年 7月 3日)
米Chiron、HCVの核酸検査特許が欧州で確定
日経バイオテクオンラインより。
連邦最高裁、再びトレードドレス事件を審理
6月26日、米連邦最高裁は、トラフィック・デバイス社対マーケティング・ディスプレイ社事件の上告を受理。本件は第6巡回裁判所からの控訴で、争点は執行した特許で開示されたデザインにトレードドレスによる保護が認められるか否か。
情報元および関連情報:
・"Court Will Consider Whether Trade Dress Protection Is Available for Patented Designs.", 60 PTCJ 182 (June 30, 2000).
・TrafFix Devices Inc. v. Marketing Displays Inc., No. 99-1571, review granted (U.S. 6/26/00).
発明記録は、ディスカバリーから保護される?
2月11日、スポルディング・スポーツ事件でCAFCは発明記録が弁護士守秘特権(いわゆるアトーニークライアント・プリビレッジ、Attorney- Client Privilege)によりディスカバリーから保護され得ると判示している。これについて、フィネガン・ヘンダーソン事務所の弁護士が論文を書いている模様。とても読みたいけど有料です。どなたか、コメントを戴けませんか?
情報元および関連情報:
・In re Spalding Sports Worldwide, Inc., Misc. No.595 (Fed. Cir. 2000).
・Gerson S. Panitch, "Invention Records Can Be Protected From Discovery.", Patent Strategy & Management (June 23, 2000).
・"Invention Record Is Privileged.", 59 PTCJ 579 (February 18, 2000).
ビジネス特許につき米特許庁円卓会議
7月27日の予定。6月22日に米特許庁が議題を公示。
エージェント試験問題公開中
ロングエーカーのホームページにて、PDF形式。
2000/06/21
ハイパーリンクに特許!?
ブリティッシュ・テレコム(British Telecom)が、14年前に米国でハイパーリンクに関する特許を取得していたと発表。最近の社内調査で明らかになったという。これぞ『屋根裏のレンブラント』!ところでこの本、もう日本語訳出たのでしょうか?巷には5月頃からビジネス特許関連本が山ほど出ておりますが。。。
情報元および関連情報:
・Richard Barry,「BTが『ハイパーリンク』の特許を主張,ISPからの特許料徴収模索へ」ZDNet/UK(2000年6月21日)
・Take-C Coma「BT、『リンク』の特許権主張−−過去最大級の訴訟に発展か」毎日インタラクティブ(2000年6月22日)
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...特許は1989年10月に成立した米国特許第4,873,662号で、「情報処理システムおよびそのための端末装置(Informationhandling systemand terminal apparatus therefor)」に関するもの。この特許は1977年に出願されたもので、成立までに12年を要しているが、米国特許法の「1995年以前の特許は成立時から17年有効」の規定により2006年10月まで特許権が存続することになる。
2000/06/08
マイクロソフトに分割命令
IPOデイリーニュースによれば、この判決文には知的財産権に関する問題に詳しく触れられているらしい。
2000/06/06
MODチップ
RADICAより。CD−Rに焼き付けたゲームが動くようにする改造用部品「MODチップ」のプレイステーション2版が登場した模様。プレステ2は、CD−Rに書き込んだゲームが動かないような仕組みになっているが、MODチップはこれを解除するもの。今までは旧機種のプレイステーション向けのものが広く出回っていたが、日本国内では著作権法が改定されたことで違法性が高い存在となり、アンダーグラウンドに潜ってしまっている。
なんとこのプレステ2用MODチップでは、海外で販売されているプレステソフトを動作させることも可能になっているという。また今後、CDに記録されたプレステ2用ゲームをCD−Rにコピーしたものや、海外用DVDソフトも使えるように機能アップするという。
2000/06/05
ジュリアロバーツ・トットコム、本人に戻る
RADICA他より。ジュリア・ロバーツが、自分の名前の.comドメインを取り返した。このドメインは男性の米国人が取得していたもので、ジュリア・ロバーツ側が国際連合の機関、WIPOへ提訴し、2日、男性に対してドメイン返還が勧告された。
プレステエミュレーション、今度は特許権侵害で提訴
著作権では破れたソニーの次の一手。
関連情報:
・Ian Fried, "Connectix scores partial legal victory against Sony.", CNET News.com (May 16, 2000).
・Joanna Glasner,日本語版:平井眞弓,岩坂彰「プレステ・エミュレーター訴訟:ソニー側の主張の大半を裁判所が却下」WIRED NEWS(2000年5月17日)
...Legge did not release a written decision, choosing instead to issue his ruling verbally from the bench...
ハイヤット、はいやっと
世間を騒がせたギルバート・ハイヤット(Gilbert Hyatt)氏の特許出願が、審判で拒絶された後、控訴審でも敗訴(まだあったのか)。
情報元および関連情報:
・In re Hyatt, No. 99-1182 (Fed. Cir. 2000).
ネット上で法律事務所
・戸田顕司(日経パソコン)「バーチャル"総合相談事務所"が続々登場:弁護士や公認会計士などの専門家が一堂に」日経ネットナビ(2000年5月18日)
係争と事例
これは有用そう
証人はクレームを拡大解釈できない
・"Expert Testimony Cannot Be Used to Broaden Claims.", IP Law Weekly (May 17, 2000).
特許庁の歳入をめぐる戦い
最近のトピックの一つ。庁収入を他の官庁に回すな、という出願人企業側との戦い。詳細はIPOデイリーニュースにて。
2000/05/15
・"House Committee Approves Bill To Stop Diversion of PTO Funds.", IP Law Weekly (May 15, 2000).
・"Lawmakers Float Bill to Foil Foreign Incursions into U.S. Gray Market Dugie Standeford.", IP Law Weekly (May 15, 2000).
・「会員数約400万人・世界最大級の無料プロバイダ『Net Zero(ネットゼロ社)』に『ハイパーシステム』特許をライセンス」インターキュー株式会社(2000年5月12日)
・Kathleen Ohlson, "EMC, IBM settle patent suits.", Computerworld (May 12, 2000)
2000/05/09
1. ビジネスモデル特許ネタ
其の一
連休中の5月3日付日経新聞で、日米欧の三極がビジネスモデル特許の取り扱いについて意見調整中と報じられているが、アメリカでもウォールストリートジャーナルなど一部でこの記事が英訳され取り上げられている。
其の二
一方、ケートン教授率いるPRGのセミナーがビジネス方法特許のワークショップを新設。ワシントンDCで8月13〜15日の三日間9時〜5時、講師はフィネガン・ヘンダーソンのバーコウィッツ弁護士他、費用は1,595ドル。パンフレットによれば、「特許制度に慣れていない企業(例えばマーケティング、銀行、金融サービス、保険、旅行業界、小売販売など)も、最早特許を無視することはできない」とある。日本のそれと同じような口説き文句。この分野への注目は、例外的に日本の方が(少なくとも一般の関心という意味では)進んでいるが、米国でも最近盛り上がりつつあるのか?
情報元および関連情報:
・"US, EU, Japan work on Net patent standards.", The Business Times (May 4, 2000).
・Randall E. Stross, "Patently absurd claims: Clueless courts and a broken patent system help Amazon.", U.S.News & World Report, Business & Technology (March 20, 2000).
・Mark Voorhees, "One-Click Monster: The myths about out-of-control Internet patents leave out a few pertinent points -- like the span of American commercial history.", The American Lawyer (May 9, 2000).
2. 米ロースクール、知的財産権に強いのは?
知的財産権分野から見た米ロースクール("IP Law School")のランキングが発表されている。USニュース&ワールドレポート社(US News and World Report)調べ。ニューハンプシャー州コンコードにあるフランクリンピアースは、日本などアジアからの留学生が多く知的財産権でナンバーワンであったが、現在では3位に後退。
1. カリフォルニア大学バークレー校(カリフォルニア州)
2. ジョージワシントン大学(ワシントンDC)
3. フランクリン・ピアース・ローセンター(ニューハンプシャー州)
4. ヒューストン大学(テキサス州)
5. サンタクララ大学(カリフォルニア州)
6. カードーゾー・イェシーバ大学(Cardozo Yeshiva University、ニューヨーク州)
6. デポール大学(DePaul University、イリノイ州)
6. ジョン・マーシャル・ロースクール(イリノイ州)
9. コロンビア大学(ニューヨーク州)
9. ニューヨーク大学(ニューヨーク州)
9. テキサス大学オースティン校(テキサス州)
12. スタンフォード大学(カリフォルニア州)
13. ワシントン大学(ワシントン州)
14. イリノイ工科大学(Illinois Institute of Technology、イリノイ州シカゴ-ケント)
15. ボストン大学(マサチューセッツ州)
16. バージニア大学(バージニア州)
17. ジョージタウン大学(ワシントンDC)
17. マルケット大学(Marquette University、ウィスコンシン州)
17. デイトン大学(オハイオ州)
20. フォーダム大学(Fordham University、ニューヨーク州)
20. ハーバード大学(マサチューセッツ州)
情報元および関連情報:
・Greg Aharonian, "TOP IP LAW SCHOOLS IN THE LATEST RANKING.", Internet Patent News Service (May 9, 2000).
・"Law Specialties: Intellectual Property Law Top.", US News and World Report.
・"2000 College Rankings.", U.S.News & World Report Inc.
3. 敗軍の将が語る特許裁判の実体
ロー・ドットコムより、新刊の案内。特許訴訟に敗れた側の社長が語る真実の特許裁判舞台裏?タイトルは「患者第一号(Patient Number One)」。
リチャード・マードック氏(Richard D. Murdoch)は元セルプロ社(CellPro Inc. )のCEO。病に冒された同氏は自社で自ら実験台になり新薬の開発に成功、健康を回復するもその薬を販売したら大手企業バクスター・ヘルスケア社(Baxter Healthcare Corp.)から特許権侵害で訴えられ、故意侵害を認定された。同氏曰く、裁判は法に則って行われるのでなく、現実には横柄な裁判官がすべてを仕切るという。かなり感情的な内容のようで、名誉毀損の恐れすらありそう。
本書は短縮版がリーダーズダイジェストにも掲載される予定。また同氏によれば既に映画化のオファーがあり、主演にはロビン・ウィリアムスが興味を示しているという(本当か!?)。う〜ん、流石はアメリカ!転んでもただでは起きない。負けても裁判をネタにして商売という商魂逞しさと見るか、あるいは仇討ちというか、ビジネス上の威信回復というか、、、
情報元および関連情報:
・Victoria Slind-Flor, "Revenge Is the Best Medicine: Loser's book slams judge, opposing counsel in patent suit.", The National Law Journal (May 8, 2000).
・The Johns Hopkins University v. CellPro, 160 F.R.D. 3034, USPQ2d 1276 (D. Del. 1995).
・The Johns Hopkins University v. CellPro Inc., 152 F.3d 1342, 47 USPQ2d 1705 (Fed. Cir. 1998).
・Patient Number One
開設準備中
2000/05/02
1. MP3.com、米レコード協会と和解へ
判決が出たと思ったら、即和解?。この柔軟性というかフットワークの軽さがアメリカ企業(特にスタートアップ企業だからか)の強みかも。
ニューヨーク南部地裁は4月28日、全米レコード協会(Recording Industry Association of America (RIAA))の申し立てたサマリージャッジメントを認め、MP3.comに対し著作権侵害による損害賠償支払を認めるブリーフ・ステートメントを発した。賠償額や差し止めについては、8月の公判で決定するとしている。
一方で、ナップスター(Napster Inc.)の訴訟の方も最近よくニュースになっている。ネット上の音楽ファイル保護に著作権はどれだけ有効なのか、注目される。
情報元および関連情報:
・Brenda Sandburg, "Sour Note for MP3.com in Recording Industry Case.", The Recorder (May 2, 2000).
・Reuters, "Will MP3.com Stay Alive? The verdict is in, but both sides seek a settlement to keep the site running.", (May 2, 2000).
・AP, "MP3.com CEO: Settlement Likely.", FindLaw Legal News (May 2, 2000).
・UMF Recordings Inc. v. MP3.com Inc., Nos. 00-0472 (S.D.N.Y. 2000).
・Hane C. Lee, Michael Learmonth, "Spawn of Napster: Demand for free music-sharing has hatched alternatives.", The Industry Standard (May 2, 2000).
・A&M Records Inc. v. Napster Inc., No.99-5183 (N.D.Ca. 2000).
2000/05/01
1. 日本の進むべき方向
ロー・トットコム(旧ロー・ニュースネットワーク)より。米国から見た日本の動向。日本の話なので、前半で大体言わんとしていることは大体判る。アメリカ人から見たコメントが面白い。
以前は、日本企業のクライアントは米国特許事務所に対し、弁護士の時間給を抑えるために「明細書を読まなくていいから、出願だけしてくれ」というのが多かった。しかし最近は、重要な技術を保護するためであれば時間給を払うことに抵抗がなくなってきているという。ただ、特定の極めて優秀な企業はその意味を理解している(getting the message)が、今日でも出願の「数」にこだわる企業が多いのもまた事実。
後半は、特許という情報を使ってどのような価値を見出すか、という話。大いに重要なトピックだと思うので、ぜひお読みいただきたい。「日本の特許制度が向かうべき航路に向けて舵をきることの困難さは、政府の政策推進よりも深長な問題」とは、モリソン&フォスターのジェイコブ氏の談。
"The problem of turning around the ocean liner of the Japanese system is deeper than governmental exhortation"
日本の動き
・防衛目的の特許出願から脱却
・官民共同の体制強化
・1980年のバイ−ドール法(Bayh-Dole Act of 1980)に倣って技術移転を促進する法令を制定
・「屋根裏のレンブラント」はNTTデータによって日本語に翻訳されているらしい。
・ピルズベリー(Pillsbury Madison & Sutro、旧クッシュマン)のグレイザー弁護士(Stephen C. Glazier)が書いた別の本「ビジネスにおける特許戦略(Patent Strategies for Business)」は、日本で話題の知的財産権資産評価に関する本らしい。これも日本語版出るのか?
情報元:
・Victoria Slind-Flor, "Japan Joins the Race to Patent IP: Recent trade deficit sparks the move to realign the economy.", The National Law Journal (May 1, 2000).
=======================================================================
...And Glazier, a partner in the firm's Washington, D.C., office, finds that his Japanese clients are now willing to pay for the lawyer time necessary to seek protection for key technological innovations. In the past, many Japanese "would just tell the guy in the U.S., 'Don't read the patent application, just file it,'" he says. "And they didn't get very good results." Some "very savvy" Japanese companies are getting the message, he says, but to date, Japanese companies appear still to be playing a numbers game.
2. CAFC判決:特許事務所の過誤を訂正させる機会を米特許庁は付与すべき
情報元および関連情報:
・"Federal Circuit Says PTO Commissioner Abused His Discretion: PTO's application of Patent Cooperation Treaty rules subject to review.", IP Law Weekly (May 1, 2000).
・Helfgott & Karas P.C. v. Dickinson, No. 99-1308 (Fed. Cir. 4/14/00).
3. 「ビジネス特許を出願する方法」に特許?
ニューヨークタイムズより。表題を見て遂に出たか、と思った。「特許権の取得」に関する特許権の付与が!しかし、記事は主に出願明細書作成用ソフトウェアの紹介。弁理士に渡す資料程度に仮明細書作成を支援してくれるソフトのようである。この特許はJames D. PetruzziとRobert M. Masonが発明者で、米国特許番号第6,049,811号。
もう一つ、ロックウェル・インターナショナル社(Rockwell International Corp.)がコールバックの特許を取得したニュース。コールバックといっても長距離電話をかける方法でなくて、オンラインショッピングをサポートするもの。インターネットが発達した今日でも、買い物客はやはり現実の人間との接触を求めているということで、電話で飛行機のチケットを予約するように基本的には電話での注文購入のモデルを採用。ただ、電話をかけて欲しい時間帯を指定できるようにしたもの。要するにホームページから企業に対し、何時頃電話をかけて欲しい(Call Me)かを申し込むことができるという特許。特許番号は5,991,394号。
情報元および関連情報:
・SABRA CHARTRAND, "Product Designed to Ease Patent Process Wins Patent.", New York Times (May 1, 2000).
・PatentPro
4. MPEP最新版、発売中
特許庁審査官のバイブルであり、米国での特許実務に関わる者必携の米国特許審査便覧、通称MPEPの最新版が登場。2000年2月1日付の第7版第1訂で、1月29日までの改正法を網羅している。それ以降の変更については、次版で掲載されるとのこと。つまり、18ヶ月公開制度や当事者系再審査手続などは今回の版では含まれていないことになる。規則すら確定していない状況なので、当然ではあるが。
改訂はかなりの範囲におよび、章ごと差し替えが多い。変更されていない章を挙げる方が早いので列挙すると、100章、400章、800章、1100章、1900と2000章。これ以外の章は全面刷新。もちろん、次版ではこれらの章も改訂される可能性あり。特許庁もしばらく大変そうだ。
2000/04/28
1. 最近の訴訟
其の一 レメルソン財団がまたもや多数の企業を提訴。14件の特許侵害で400社以上を相手に4月14日、アリゾナ連邦地裁に提訴。ただし訴状の送達はなされていない模様。ライセンス交渉のテクニックとして、訴える気はあるよ、本気ですよとプレッシャーを企業に対しかけている。実際和解を選ぶ企業も多いだろうから、そういった企業に対する訴状の送達は不要として、手間と費用を節約するという算段らしい。
以下の記事にはジェラルド・ホージャー弁護士(Jerry D. Hosier)の短いコメントが紹介されている。
情報元:
・Victoria Slind-Flor, "Lemelson Files Against 400 Defendents.", The National Law Journal (April 27, 2000).
其の二 電話に関する侵害訴訟
ジオワークス社(Geoworks)が有する特許のクレーム範囲は、同社によればインターネットにワイヤレスで接続できるあらゆる装置に及ぶという広大なもの。同社はフォン・ドット・コム社(Phone.com)を提訴、フォン社の販売するネットから携帯に電話をかけるソフトが侵害しているとして係争中。
情報元:
・Craig Bicknell, "Patent Hangs Up Phone.com.", Wired News (April 26, 2000).
・Craig Bicknell,日本語版:小林理子,合原弘子「『ワイヤレスによるネット接続』特許の問題が法廷へ」WIRED NEWS/JAPAN(2000年4月26日)
2. 知的財産権に対する認識
ホットワイアード/JAPAN、3粒の小ネタより情報を拝借。大手会計事務所プライスウォーターハウス・クーパーズ(PricewaterhouseCoopers)が報じた知的財産についての米国での調査報告。将来はリバース・エンジニアリングやビジネス特許について訴訟が増えるという。
情報元および関連情報:
・"Is There a Future for IP and If So, At What Price?", PricewaterhouseCoopers
・「Eコマースとビジネスモデル特許が将来の特許訴訟の中心となる」インプレスINTERNET Watch(2000年4月27日)
上記のニュースソースを紹介
・"Survey Predicts More, Costlier IP Disputes in Future.", IP Law Weekly (May 9, 2000).
上記調査結果についてのコメント。多くの企業は、今後特許訴訟はより多くなり、訴訟費用も増大すると予測している。特にeコマース関連の、いわゆるビジネスモデル特許が有効性に疑問を残したまま成立することが問題と捉えられている。米特許庁自身は、ベストを尽くしていると発表しているが、その一方で審査時における出願人からの援助も不可欠であると注意している。
2000/04/27
1. 最高裁判決:企業と社長を同視して責任を課すことは誤り
4月25日、ネルソン対アダムスUSA事件につき最高裁の判決が下されている。本件で争われた問題は特許権侵害の解釈に関わる事項でなく、どちらかといえば法技術上の問題であるが、最高裁が特許事件を扱うことは珍しいという観点から一応押さえておく。
特許権者であるオハイオ・セルラー・プロダクツ社(Ohio Cellular Products Corporation)がアダムス社(Adams USA, Inc.)を特許権侵害で提訴したものの、審査段階で重要な情報を特許庁に開示していなかったとして、地裁では特許権行使不能とされたばかりか侵害者側の弁護士費用の負担まで認められた。
ここまでは問題ないとして、判決が決定された後、会社の全株式を所有する社長ドナルド・ネルソン氏(DONALD E. NELSON)に対して責任を負わせることができるかどうかが争われていた。ネルソン氏個人は本来訴状には当事者として名前を挙げられていなかった。地裁は、同氏は責任を予期できる立場にあり当事者企業と同視できるとして、判決後に同氏を本件訴訟に追加する補正を認めた。控訴審でCAFCもこの判断を支持していた。この判断につき、最高裁への上告が認められたもの。
最高裁は当該判断を誤りと判示。社長個人に抗弁の機会が保証されていないのでデュープロセス(due process of law、憲法上保証されている法の適正手続)違反というのが主な理由。判決は全員一致で、判決理由はギンズバーグ最高裁判事による。CAFCの判決は破棄、差し戻し。
CAFCは目下最高裁で連戦連敗中。。。最近のCAFC判決は最高裁に進めば悉く覆されている。マークマン事件以降勝ち星なし?
情報元および関連資料:
・"SUPREME COURT RULES INDIVIDUAL CANNOT BE ADDED AND MADE SUBJECT TO JUDGMENT IN PATENT SUIT WITHOUT OPPORTUNITY TO RESPOND.", IPO Daily News (APRIL 26, 2000).
・Nelson v. Adams USA, Inc., No. 99-502 (U.S. 2000).
最高裁のホームページでは、スリップ・オピニオン(判決原文のコピー)がPDF形式で入手可能になっている!
We hold that the District Court erred in amending the judgment immediately upon permitting amendment of the pleading. Due process, as reflected in Rule 15 as well as Rule 12, required that Nelson be given an opportunity to respond and contest his personal liability for the award after he was made a party and before the entry of judgment against him.
・"Amending Judgment Without Chance To Respond Violated Due Process.", 59 PTCJ 878 (April 28, 2000).
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The court reversed a decision by the Federal Circuit that the identity between the corporation and its owner sufficed to bind the owner to the judgment against the company. Even though the owner knew he might be subjected to personal liability, the court explained, the law requires a "more orderly and reliable course" than amending a pleading and a judgment with a single stroke.
2000/04/26
1. 新法令集発売中
米国版法令集とも言うべきBNA社刊「特許法商標法著作権法」の2000年版が発売されている。昨年末の法改正を組み込んだ大改訂版なので、実務家必携。
・Jeffrey M. Samuels, "Patent Trademark and Copyright Laws 2000 Edition", BNA (2000).
2. ビジネスモデル特許に関する情報
ヘンリー幸田先生が、日刊工業新聞社より「ビジネスモデル特許」(950円+税)と題する本を出されている。先日購入して読ませていただいた。同氏は他にも日本で講演されたり、ILS出版から別の本「ビジネス特許」(9000円+税、この値段の違いは出版元のせい?)を出版されたりと、この分野で積極的に活躍されている(3つとも同じような内容と推測されますが、どうなんでしょう。どなたか全部確認された方いらっしゃいますか?)。
「ビジネスモデル特許」については、入手が最も容易で、値段も手頃、内容も読みやすかった。特許実務家と言うよりは一般のビジネスマン向きの基本的な内容と感じた。よく言えば現状を判りやすく整理しており、悪く言えば目新しい情報が少ない。最後の章に「ビジネスモデル特許の弱点を探せ」というのがあって期待したのだが、何のことはない仮想の話でがっかり。そんなうまい話がそう簡単にある訳ないでしょうけど、、、
2000/04/25
1. CAFC判決:要約もクレーム解釈時に参酌されることあり
要約は一般に権利解釈時に参酌しないとされているが、例えば明細書中の発明の記載(詳細な説明)から文言の意味が不明瞭な場合などに、要約の記載を参酌してクレーム解釈することは過去の先例でもあった。今回の事件もその確認。
ヒル・ロム社対カイネティック・コンセプツ社事件でCAFCは、病院用ベッドの特許に関するクレーム解釈において、明細書中の発明の記載に加えて要約も参酌。
注意しなければならないのは、要約の記載のみに依拠して判決したのではない点。あくまで要約も他の記載と共に参酌されたにすぎないということ。判決の目立つ点のみを強調するのでなく、あくまで事件固有の事実背景、技術問題などを理解した上で判決を読まなければ、傍論のみが暴走しかねない。
情報元および関連情報:
・"Court Relies on Abstract of Patent for Hospital Bed in Interpreting Patent Claims.", IPO Daily News (APRIL 21, 2000).
・Hill-Rom Co. v. Kinetic Concepts, Inc., No. 99-1314, -1315 (Fed. Cir. 2000).
IPOのサイトでは脚注が省かれているので、Findlawから。
The trial court's interpretation of the term "cushion" is also consistent with intrinsic evidence from the '346 patent itself. The abstract of the disclosure emphasizes the support and comfort provided by the upper and lower inflatable layers, which are identified in claims 1 and 10 as consisting of sets of cushions. The abstract states that
"[t]he inflatable structure preferably has two components: a) lower inflatable layer which is selectively operable to provide basic support for the patient," and
"a second inflatable layer includ[ing] a plurality of zones for establishing optimal patient interface pressures and patient comfort levels."1*
In addition, the written description portion of the patent recites that the "lower support layer" and the "upper overlay assembly" operate in conjunction to provide support and comfort to the patient, see '346 patent, col. 13, ll. 31-55. Moreover, the written description notes that the head section cushions of the lower layer "will lie under, and . . . will support, the patient's head," id. at col. 9, ll. 41-48, and that "the lower inflatable layer has utility for supporting a patient directly, without the intervening upper support layer," id. at col. 18, ll. 4-7.
The specification thus clearly teaches that one of the major objectives of the cushions recited in the claims is to provide support for the patient, even though that function may be performed in part by the upper support assembly. Because the patent contemplates that the lower layer may be used to support the patient directly, without the upper support layer, the lower layer must have the capacity to provide that function by itself.
ブライソン判事は、脚注1で施行規則1.72(b)に言及している。規則1.72(b)は要約を「クレームの範囲を解釈するために使用してはならない」旨定めているが、これは特許庁の規則であって、出願審査の際に審査官の行為を束縛するものである。裁判所が侵害訴訟においてクレームを解釈する手法に言及したものでない。過去にもCAFCはクレーム発明の範囲を確定するために要約をしばしば検討してきた。クレームの意味解釈に関して内部証拠となる可能性のある有用な情報源(要約)を、CAFCが無視するように求めた法的根拠は存在しない。
footnote1
Citing 37 C.F.R. § 1.72(b), which provides that the abstract of the patent "shall not be used for interpreting the scope of the claims," Hill-Rom argues that it would be improper for us to consider the abstract in determining whether the district court correctly construed the claims of the '346 patent. Section 1.72(b), however, is a rule of the Patent and Trademark Office that governs the conduct of patent examiners in examining patent applications; it does not address the process by which courts construe claims in infringement actions. We have frequently looked to the abstract to determine the scope of the invention, see, e.g.,
United States Surgical Corp. v. Ethicon, Inc., 103 F.3d 1554, 1560, 41 USPQ2d 1225, 1230 (Fed. Cir. 1997);
Stryker Corp. v. Intermedics Orthopedics, Inc., 96 F.3d 1409, 1412, 40 USPQ2d 1065, 1066 (Fed. Cir. 1996);
Moleculon Research Corp. v. CBS, Inc., 793 F.2d 1261, 1269, 229 USPQ 805, 810 (Fed. Cir. 1986), and we are aware of no legal principle that would require us to disregard that potentially helpful source of intrinsic evidence as to the meaning of claims.
2. 表が出れば有罪、裏が出れば無罪
陪審評決は結果が出るだけのブラックボックスなので、陪審評議室でどのような議論がなされたのかは判らない。映画「12人の怒れる男」のような白熱した議論が戦わされた結果の票決なのか、はたまたコイン投げか。冗談めかして言われることがあるが、本当にコイン投げをやった事件があったというから凄い。しかも殺人事件で。当然、裁判はやり直し。なぜ発覚したのだろう?
ニュースによれば、この事件はケンタッキー州で男性が恋人の故殺(manslaughter)により訴追された事件であり、陪審団は評議に行き詰まって(dead lock)、評決不能(hung jury)寸前となったため同意のもとでコイン投げを実行したらしい。陪審員の一人が誰かに喋り、それが裁判所職員の耳に入ったことから発覚した模様。この例はあまりにも極端なため、アメリカでもニュースとなった。
情報元:
・「コイン投げで有罪評決、裁判やり直し=米ケンタッキー州の陪審」時事通信join21(2000年4月25日)
・"Jury flips coin to decide murder over manslaughter", FoxNews.com (April 25, 2000).
3. 違法コピーは高くつく
毎日新聞より。日米7社の大手ソフトメーカーが同社のソフトを不正コピーした地質調査会社に対し総額約2000万円の損害賠償を求めていた裁判で、正規品約890万円の購入プラス損害賠償900万円で和解した。不正コピーに対する損害賠償額が、正規品の金額を上回って裁判所に認められたのは初めてというから驚き。
情報元:
・臺宏士「違法コピー訴訟 1000万円で和解 日米ソフト7社の『実質勝訴』」毎日インタラクティブ(2000年4月25日)
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...コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は、「不正コピーが発覚したあとに正規品を購入すれば足りるとする一部の誤った考え方を正面から否定した評価できる和解内容だ」とコメント
2000/04/24
1. LECのチョンボ
東京リーガルマインド(LEC)が違法コピーを行っていたことが内部告発により発覚、提訴された。LECのテキストには、著作権表示はもとより違反した場合の罰則まで書かれていて感心したものだが。
しかし笑ってばかりいられないところもありそうで怖い。少なくとも企業の特許部や特許事務所は、人のフリみて何とやら、変なところで評判を落とさないようきっちりしたいもの。アメリカ企業に日本企業が特許侵害で訴えられたとき、訴えられた企業が仮に会社ぐるみで違法コピーなどしていようものなら、陪審や裁判官の心証はぐっと悪くなるでしょう。非常に高くつくことになりそうですよ。。。
情報元:
・松尾康徳,田中一実「米MSなど3社、企業内違法コピーで法律受験予備校を提訴」日経パソコン(2000年4月19日)
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「法の番人を育てる機関で起きた事件」(原告代理人のTMI総合法律事務所、遠山友寛弁護士)
・芹澤隆徳「法律学校のあきれた著作権意識─米MSなど3社が著作権侵害で東京リーガルマインドを提訴」ZDNet/JAPAN(2000年4月19日)
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「LECは違法コピーの事実は認めたものの,損害賠償について最後まで金額を提示しなかった。また,事実が発覚したあとでも正規品を購入すればよい,といった承諾し難い考えを示した」(遠山氏)
2. 一方、イタリアでは...
個人的に使用する目的で、例えば職場と自宅での使用のためにソフトを複製する行為は、利益を得たり第三者に転売しない限り犯罪でないという判決がイタリアの判事(Giorgio Gianetti)により下されている。
情報元および関連情報:
・「イタリアの裁判所,ビジネスマンのソフト不正コピーに『あきれた判決』」
・"Business Software Alliance Criticizes Italian Judge's Decision On Duplication.", Dow Jones (April 21, 2000).
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...Under Italian law, one judge's decision does not necessarily serve as precedent for similar cases.
3. ビジネスモデル特許の問題、裁判管轄
其の一 ホットワイアード/JAPAN3粒の小ネタより。
日本インターネットプロバイダー協会は「ビジネスモデル特許」についての緊急セミナーを4月20日に行った模様。ドメイン名が.comや.netなどの場合は、米国の訴訟管轄になるかもと示唆。本当か?そもそもこれらのドメインネーム(generic Top-Level Domain (gTLD))はどこの国の企業、個人でも取得できるもので、米国に限定されていないはず。
・日本インターネットプロバイダー協会
・Intellectual Property Constituency's Daybreak proposal
其の二
サーバーの所在地でジュリスディクション確立という説。コンピュサーブ対パターソン事件という古い事件があった。むしろ最近はサイトのインタラクティブ性で判断することの方が多いと思うのだが。
・長谷川直樹「ビジネスモデル特許で訴えられやすい会社は?」日経ネットブレーン(2000年4月22日)
その他
・松岡賢治「【2000年のデジタルキーワード(20)】ビジネスモデル特許アイデアビジネスも立派な特許対象?国境に関係なく適用される可能性も」日経ネットブレーン(2000年3月1日)
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...プライスライン・ドット・コム社が,...マイクロソフト...提訴した...判決はまだだが,プライスラインの主張がほぼ認められるとみられている。
↑その根拠は???
...ビジネスの手法に知的所有権が認められということは,エンジニアや研究員だけでなく,普通の営業マンが特許保有者になれることを意味する。申請されている案件の中には,ネット利用が取り柄だけの当たり前のビジネスモデルも多いともいわれる。例えば,ビジネス特許をとった「1クリックサービス」も現実社会では買い物かごに商品を入れるという「当たり前」の流れをネット経由で実現するものだ。
↑ちょっと違うような気が...当たり前のもの、いいかえると新規性、進歩性に欠ける技術はビジネスモデルだろうが従来型の「発明」だろうが特許となり得ない。よく言われている「従来型ビジネスにインターネットを組み合わせるだけで特許になる」というのは、これを拒絶する先行技術を特許庁が探し出せないからに過ぎない。いいかえるなら、拒絶できないから特許になっているだけで、例えば審査時に拒絶できなくても後になって強力な引例が見つかれば無効にできる。
なお個人的には、「ワンクリック」注文システムは優れたサービスを上手にクレームで保護した好例だと思う。
・小池良次「ハイブリッド型ECモデル台頭・転換期に立つ米電子小売り業界」日経ネットITニュース(2000年4月24日)
プライスラインの創始者ジェイ・ウォーカー氏は、これまでのネットビジネスはコンビニ型だが、これからのネットは大型ディスカウントストア型になると言っていた(と理解している)。その予言が的中したかと思わせるような記事。やはり彼のビジョンは時代の先を行っている、将来を適切に見据えているなと感心しきり。
4.特許公報翻訳文を有料でネットから閲覧
日経より。
情報元:
・「グリーンネット、特許の翻訳文をネットで提供」
5.ゲノム解析競争、日本も一矢報いる?
情報元:
・橋本宗明「宝酒造がゲノム解析で狙う一発逆転--最高速センターを年内設立、米セレラ社の独占阻止なるか」日経ビジネス(2000年4月19日)
2000/04/20
1.特許印紙代を安く(update)
産業技術力強化法(平成12年法律44号)の施行により、平成12年4月20日以降の出願につき、所定の大学、大学の研究者、研究開発型中小企業の出願は、第1〜3年分の特許料及び審査請求料が1/2軽減される。
なお21000円の出願料は対象外なので注意されたい。
情報元および関連情報:
・許庁総務部総務課調整班「産業技術力強化法における特許料・審査請求料の軽減措置について」特許庁(平成12年4月)
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要件及び提出書類
I.大学等の研究者及び大学等の場合
国公私立の大学・高等専門学校・大学共同利用機関の研究者及び公立又は私立の大学・高等専門学校が対象となります。
研究者とは、次の者をいいます。
(1)大学の学長・副学長・学部長・教授・助教授・講師・助手
(2)高等専門学校の校長・教授・助教授・講師・助手
(3)大学共同利用機関の長、若しくはその職員のうち専ら研究に従事する者(教授・助教授・講師・助手)
大学共同利用機関には、
(1)国文学研究資料館 (2)国立極地研究所
(3)宇宙科学研究所 (4)国立遺伝学研究所
(5)統計数理研究所 (6)国際日本文化研究センター
(7)国立天文台 (8)核融合科学研究所
(9)国立情報学研究所
(10)岡崎国立共同研究機構及